月刊バスケットボール5月号

【ウインターカップ2021】岩下が38得点!福岡大附大濠が決勝進出、仙台大明成を退ける

 

12月28日、「SoftBank ウインターカップ2021(令和3年度 第74回全国高等学校選手権大会)」大会6日目男子準決勝、仙台大明成(宮城県①)は福岡大附大濠(福岡県②)と対戦。#13岩下准平が38得点の活躍を見せて福岡大附大濠が81-73で仙台大明成を下して、2大会ぶりとなる決勝進出を決めた。

 

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福岡大附大濠は、まず#13岩下のシュートで選手点を奪うと仙台大明成は、#8山﨑一渉がすぐに連続得点。シュートの打ち合いとなっていくが、リバウンドで優勢な仙台大明成は、#10菅野ブルース、#6内藤晴樹らの得点で残り4分37で15-7とリードを作る。

 

タイムアウトを取って仕切り直した福岡大附大濠は、#13岩下、#14湧川颯斗のシュートで詰めるが、#10菅野、#8山﨑一がすぐさま奪い返して仙台大明成がリードを保ってクォーター終盤へ。

#8山﨑一の11得点の活躍もあって、仙台大明成の30-18で1Qを終える。

 

巻き返したい福岡大附大濠は2Q。残り8分34秒に、1年生PF#8川島悠翔が3Pシュートを決めると、#13岩下准平がスティールから速攻で得点。23-32と1ケタ差に縮める。ここでタイムアウトを取った仙台大明成に対して福岡大附大濠は、オールコートでプレッシャーをかけていく。するとお互いにオフェンスが停滞していく。

 

残り8分から2分半、スコアが動かなかったが、仙台大明成の1年生センター、#14ウィリアムス ショーン莉音がインサイドで得点。#6内藤も続き、37-23と14点差を付ける。

 

残り5分を切ってから、福岡大附大濠は#13岩下が連続3Pシュートを決めて31-41と10点差にすると、残り1分32秒でも3Pシュートを決め、35-43と1ケタ差に。さらに#14湧川、#13岩下、#7泉登翔が決めて、残り22秒で42-43まで迫る。残り2秒、#13岩下の3Pシュートに#14ウィリアムスがファウル。3スローとなるが、成功1本で43-43の同点で前半を終える。福岡大附大濠#13岩下は前半だけで24得点(3Pシュート5本成功)をマークしている。

 

3Q開始から、両チームとも好ディフェンスを展開。アウトサイドからのシュートが増えて、なかなかスコアが動かない。残り8分25秒、#14湧川のフリースローで福岡大附大濠が44-43とすると、仙台大明成#10菅野が連続得点をあげて48-44とすぐに逆転に成功する。しかし、福岡大附大濠も譲らず、#14湧川、#8川島の得点で49-48と再逆転するなど、見応えある攻防が続く。

 

果敢にインサイドにチャレンジしていく仙台大明成だが、リングに嫌われてしまう。そのチャンスを逃さず、福岡大附大濠は2点、4点とリードを広げるが、仙台大明成もなんとか食らいついていく。

そんな中、福岡大附大濠#13岩下が終盤に3本の3Pシュートを決定。残り1秒、#15副島成翔もシュートを決めて、65-59とリードを作って3Qを終える。

 

4Q、ファーストプレーで仙台大明成#8山﨑一が3Pシュートを沈めて62-65。しかし、残り8分39秒、#8川島がオフェンス・リバウンドからシュートを決めると、直後、バックコートからプレッシャーをかけて#14湧川がスティール。そのまま、速攻でシュートを決めて69-62と再びリードを作る。

 

3Pシュートが入らず、インサイドはタフなショットを強いられる仙台大明成。何とかポイントを奪っても、プレッシャーにミスも生まれてイージーなショットを決められる。66-71と追う展開で残り6分を切る。

 

残り4分5秒、#6内藤のドライブからキックアウト・パスを受けた#10菅野が3Pシュートを決定。69-71と1ゴール差に迫ると、その1分後に#岩下がこの日9本目の3Pシュートを決めて74-69とまたもリードを広げる。

 

福岡大附大濠の76-72で残り2分を切ると、残り1分38秒、仙台大明成#10菅野がファウルアウトに。そのフリースローを#15副島が確実に決めて、福岡大附大濠は78-72とリードを広げる。

 

残り55秒、仙台大明成#8山﨑一の3Pシュートを放つが入らず。残り31秒、#14湧川が決定的なポイントを奪って80-73に。最後、仙台大明成はファウルゲームを行ったが、得点は奪えず。81-73で福岡大附大濠が、前回王者を破った。

 

福岡大附大濠は、#13岩下が9本の3Pシュートを決めて38得点、15リバウンド、5アシストとチームを強力リード。#14湧川も24得点を上げている。一方、仙台大明成は#8山﨑一が28得点、14リバウンド、#10菅野が24得点、9リバウンド、8アシストをマーク。3Pシュートは両チーム共に34本を試投したが、福岡大附大濠が10本成功(#13岩下が9本)、仙台大明成が6本成功と差が付いたことが結果的に大きかった。

 

仙台大明成の佐藤久夫コーチは、「対戦した大濠は素晴らしいチームですね。個人技も優れているけど、チームワークがいい。私たちはやりながら、大濠高校の素晴らしいチームワークとか、いろいろ勉強させていただきました。そんな中で私たちは、4Q残り5分までは、とにかく自分たちのプレーをちゃんと作ってシュートを打って、ちゃんと守ろうというイメージでやっていました。それで残り5分で向こうがプレスに来た時に、ゴール下まで持っていくという作戦のイメージで向かったんですけど、やはり相手チームの力の強さがね。私たちの作戦は通用しなかったということじゃないかなと思います」と振り返っている。

 

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文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)



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