月刊バスケットボール6月号

【ウインターカップ2021】福岡大附大濠8強入り、IH王者・中部大第一にリベンジ

 

12月26日、「SoftBank ウインターカップ2021(令和3年度 第74回全国高等学校選手権大会)」大会4日目男子3回戦、インターハイ王者の中部大第一(愛知県①)が福岡大附大濠(福岡県②)と対戦。福岡大附大濠が65-57で勝利。準々決勝進出を決めた。

 

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両者は今年のインターハイ準決勝で対戦しており、その際は83-69で中部大第一が勝利している。福岡大附大濠としては、その借りを返したい、という試合になった。

 

1Q、#7泉登翔の3Pシュートで福岡大附大濠が先取点。すると#13岩下准平のフィールドゴール、#14湧川颯斗の3Pシュートなどで8-2とスタートダッシュに成功する。対する中部大第一は、#7田中流嘉洲、#14坂本康成の得点で8-8追いつく。しかし、残り4分強から、#7泉が3Pシュート成功、#13岩下も得点を重ね、福岡大附大濠の17-12で1Qを終える。

 

2Q、中部大第一は、#8アブドゥレイ・トラオレ、#7田中の活躍で中盤までに18-19と1点差に迫る。直後、福岡大附大濠は#13岩下が3Pシュートで突き放すと、中部大第一#14坂本がすぐさま3Pシュートを入れ返すなど見応えある展開を披露。

 

残り5分2秒、中部大第一は#7田中のシュートで23-22とこの試合初めてリードを奪う。しかし、30秒後、その#7田中はパーソナルファウル3つ目となり、ベンチへ。相手エース不在となり、福岡大附大濠としてはチャンスだったが、再びリードを奪うことはできない。残り1秒、#13岩下が3Pシュートをねじ込んで32-32と同点で2Qを終える。

 

3Qは点の奪い合いで進んでいく。すると残り6分強から、中部大第一がラッシュ。#7田中、#14坂本の活躍で46-39とリードを作る。しかし、クォーター終盤、福岡大附大濠は#13岩下、#14湧川のシュートで点差を詰めて、中部大第一の46-44で最終クォーターへ。

 

勝負の4Q、立ち上がりは共にシュートが入らず。残り8分17秒、中部大第一の#7田中がシュートを決めると、試合が動き出す。

直後に福岡大附大濠#14湧川が3ポイントプレーを決めると、続くプレーで中部大第一からターンオーバーを引き出し、#14湧川が決めて同点。さらにプレッシャーをかけ続けてボールを奪うと、#8川島悠翔、#14湧川が立て続けに得点。52-48と逆転に成功する。

たまらずタイムアウトを取った中部大第一だったが、直後にまたも連続ターンオーバー。#14湧川、#10本山遼樹の得点で福岡大附大濠が56-48とさらにリードを広げた。

 

残り4分34秒、中部大第一は#8トラオレのシュートで約5分ぶりの得点を奪って50-56とすると、福岡大附大濠は反撃の芽を詰むべく、すぐさまタイムアウト。それでも、中部大第一は#8アブドゥレイ、#16小田晟、#6谷口歩の得点で残り24秒で57-60と迫るが、追い上げもここまでだった。#14湧川が相手の望みを打ち砕くポイントを奪って65-57、福岡大附大濠がインターハイのリベンジを果たした。

 

勝利した福岡大附大濠は、#13岩下が24得点、#14湧川が20得点でチームをリード。中部大第一は、#14坂本が20得点、#7田中が19得点18リバウンド、#8トラオレが8得点20リバウンドをマークしている。リバウンドでは66本と20本差をつけた中部大第一だったが、ターンオーバーは16本と増えてしまった(福岡大附大濠は8本)。

 

「ゾーンプレスが来ることは予測もしていたし、今朝も練習をしてきた。そこでミスをしてしまったというところは、ちょっと残念。十分準備をしてきたのですが」と4Qの連続失点について振り返った中部大第一・常田健コーチ。「1対5になるケースが、非常に多くなってしまった。それなりに個の力も付いてきているが、チームとして戦ってくるチームを打開するまでの力はない。昨夜も今朝も選手にはかなり話をしたのですが…、そこが残念です」と敗因を語っている。

 

一方、快勝の福岡大附大濠・片峯聡太コーチは、「ディフェンス(ゾーン・プレス)をいつしかけようか、いつなら機能するかとずっと考えていた。前半で10点負けでも、相手留学生を疲れさせたい、ファウルトラブルにしたいと思っていたが、後半、いい形でちょっとリードを作れて、そこでさらに点差を広げるようなプレスができました」とコメント。さらに「10点差とかになっても、後半に仕掛けてものにする自信がありました」と語っている。

 

 

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文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)



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