月刊バスケットボール5月号

【ウインターカップ2021】桜丘のエース松野が要所で得点、能代科学技術を破る

 

12月24日、「SoftBank ウインターカップ2021(令和3年度 第74回全国高等学校選手権大会)」大会2日目、男子1回戦、能代科学技術(秋田県)と桜丘(愛知県②)が対戦。桜丘が95-92で勝利し、2回戦に駒を進めた。

 

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試合開始直後、能代科学技術は襲うかのようなディフェンスで桜丘に攻撃させず。#14相原一生が3本の3Pシュート、#9秋葉泰輝、#5中嶋正尭らの得点で残り6分23秒の時点で15-6とリードを作る。

出鼻をくじかれた桜丘だが、江﨑悟コーチが“未完の大器”とそのポテンシャルの高さを認めるエース、#15松野遥弥を中心に得点を重ねていくと残り3分36秒、#23ラワル・ソレイマンのフリースローで19-17と逆転に成功。その後は取りつ取られつの展開となったが、残り1秒、桜丘#15松野が強引にシュートをねじ込んで34-32と2点リードで1Qを終える。

 

1Q終盤の点の取り合いから一点、2Qは開始約2分、共に得点が取れず。桜丘は#15松野に代わって入った#6佐々海弥が2Qだけで8得点をあげるなどチームを引っ張ったが、能代科学技術の#7髙橋裕心はなんとこのクォーターだけで16得点。残り2秒で、3Pシュートを沈めて能代科学技術が52-51と逆転してハーフタイムを迎える。

 

3Q、#23ラワル、#53松浦奏斗、#91土屋来嵐の活躍で桜丘は開始3分半で8得点(3失点)を挙げて59-55と逆転する。能代科学技術はエース#7髙橋の得点で食らいつくと、残り4:42秒に#9秋葉が3Pシュートを決めて64-61と再逆転。しかし、桜丘のエース#15松野は残り3分半で4本のジャンプシュートを沈めて71-68、再び桜丘にリードをもたらす。しかし、このクォーター最後のプレーで、#7髙橋をガードしていた#15松野は左足を痛めてしまう。

 

勝負の4Q、桜丘は#53松浦 、#31水野結斗、#23ラワルがシュートを決めてリードを広げると、残り6分2秒に#15松野が3Pシュートを沈めて86-76と2ケタのリードをキープ。能代科学技術としては厳しい状況となるが、その30秒後、桜丘の得点源、#15松野が動けなくなり、ベンチに下がる(残り1分57秒にコート復帰)。

 

ここで能代科学技術は#7髙橋が3本、#9秋葉も1本3Pシュートを決めて、残り1分34秒で90-94と5点差まで差を縮めた。しかし、これが最後の粘りだった。その後、能代科学技術は7本連続でシュートが入らず。95-92で桜丘が逃げ切った。

 

スタッツ上、桜丘のエース#15松野は32得点とチームを牽引。10リバウンドを奪ってダブルダブルをマークしている。そのほか#23ラウルが17得点、#53松浦が14得点をあげている。一方、能代科学技術は#7髙橋が38得点、#14相原が21得点、#5中島14得点、#9秋葉が12得点。チームスタッツでは、リバウンドで45-36と桜丘が9本上回っている。

 

初戦敗退という結果になった能代科学技術の小松元コーチは、まず「ウチの切り返しの速さとかは、特に前半はたくさん出たので、いい試合になって、はじけるチャンスがたくさんあったのかなと思います。ただ桜丘さんの素晴らしいバスケに最後は間に合わなかったという印象です」と語ると、“原点回帰”を合言葉に選手の意見を尊重し、チーム作りをしてきた経緯を評価。

 

「3年生からもらった“原点回帰”を推し進めたい。県内で勝つのも簡単なことではない。この経験、挑戦を忘れずに、とにかくアグレッシブに、いろいろと学びながら、生徒の意見を聞きながらやっていきたいと思います。伝統にはこだわりません」とコメント。歴史を背負いながら、活動していくことでより鍛えられる。そう考えて、もっと新しいことをやって、“新たな能代”を見出していきたいと思いを語った。

 

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写真/JBA

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)



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