月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2021.12.24

石井講祐、恩師・大野篤史HCとの運命の出会い【My Life Navigator #3】

©︎B.LEAGUE

 

 BS11で放送中のBリーグ情報番組『マイナビBe a booster!』と『月刊バスケットボール』のコラボ企画「My Life Navigator supported by マイナビ」がスタート!

 

 Bリーグで活躍する選手を対象に、その選手のキャリアにおけるターニングポイントを紹介する企画で、その中でカギを握るのは彼らに道を示した“ナビゲーター”の存在だ。第3回はサンロッカーズ渋谷の石井講祐と、千葉ジェッツ時代に石井とともに戦った大野篤史HCのストーリーをお届け。

 

 ここではその一部を紹介する!

 

■全国出場を目指した高校時代と、日本一を目指した大学時代

 

 石井がバスケットを始めたのは小学4年生の頃。学校の部活動で仲の良い友達から誘われたのがきっかけだそうで、中学時代には県ベスト8の成績を残した。本気で勝ちにいく環境で戦っていた石井は強豪の八千代高への進学を決意する。

 

「高校では全国大会に出ることと同時に勉強もしっかりと取り組みたいと考えていて、全ての要素をかなえられる八千代高に進学しました。自分が試合で活躍して全国に行きたいという目標や希望を持って入学し、結果的に高校で全国出場の目標をかなえることができました。

 そして今度は大学で日本一になりたいな、と。 本当はバスケットは高校までと思っていたのですが、東海大からチャンスをいただけたので進学を決めました。大学ではあまりのレベルの高さに自分のバスケットスキルが足りないんだなと痛感し、下級生の頃は練習についていくのに必死。3、4年生になってやっとゲームの流れなどを考えられる余裕が出てきて、貢献できる感覚がつかめてきました」

 

八千代高(左)では2005年のインターハイでベスト16の好成績。その後、東海大で日本一を目指し、汗を流した

 

トライアウト、練習生を経て地元の千葉ジェッツへ

 

 大学卒業後は実業団の富士通でプレー。仕事とバスケットを両立する充実の毎日を過ごしていたが…

 

「毎日を過ごしていく中で『もっとバスケットに打ち込みたい』という気持ちが芽生えてきて、3年目のタイミングで地元の千葉ジェッツのトライアウトにチャレンジしました。バスケットをしながら仕事もできる環境はすごく恵まれていましたが、僕のわがままと聞いてくれた当時の上司や監督、部長さんにはとても感謝しています」

 

 と石井は当時を振り返る。そして時は流れ、2016年秋にBリーグが開幕。

 

「プロ選手としてプレーできるのが純粋にうれしかったです。Bリーグができたことで『これが日本のプロバスケットボールリーグです』とはっきり言えるようになり、そこで自分がプレーできるチャンスがあるのが素直に楽しみでしたし、どういうリーグになるんだろうというワクワク感が強かったです」

 

 

■石井の運命を変えた大野篤史ヘッドコーチとの出会い

 

 Bリーグ元年となった2016-17シーズンから千葉のヘッドコーチに就任したのが、本企画の石井の“ナビゲーター”である大野篤史HC。初めて大野HCを会ったときのことを石井はこう振り返る。

 

「初めて会ったのはクラブの事務所に大野HCがミーティングに来ていたときだったと思います。オフシーズンで、僕は手を骨折してその治療中だったので、『手の調子はどう?』みたいな会話が最初だったと思います。優しそうな人だと感じました」

 

 そして、そんな大野HCとの面談でかけられたある言葉が、石井のキャリアに大きな影響を与えたのだ。

 

“自分のタイミングだったらどんどんシュートを打ってほしい

それで入らなくてもコートに出ている以上は

「使っているコーチが悪い」くらいの図々しさでプレーしてほしい”

 

「大野さんがHCに就任して、選手ぞれぞれと個人面談をしました。そこで『シューターとして信頼をしているから、もっとわがままになっていい』『自分のタイミングだったらどんどんシュートを打ってほしい。それで入らなくてもコートに出ている以上は“使っているコーチが悪い”くらいの図々しさでプレーしてほしい』と言われました。

 僕は周りを押しのけででも自分のシュートを打つタイプではなかったです。例えば自分がパスを受けても、となりの選手が空いていたらパスを回すタイプでした。でも、その言葉をかけられて自分の我を出すことも必要だと感じました。

 以前の僕は大事な場面や時間が迫っているときのシュートを打とうという気持ちはあまり持っていない方だったんです。でも、今はチャンスがあれば自分のシュートで試合を決める、そういうシュートを打ちたいと思うようになったので、そこは大野HCと出会って変わったところですね」

 

©︎B.LEAGUE

 

 今やBリーグ屈指のクラッチプレーヤーとして名を馳せる石井。千葉からサンロッカーズ渋谷に移籍した2019-20シーズンにはそれを象徴するかのようなブザービーター(対シーホース三河)を沈め、見事にベストタフショット賞を受賞した。

 

 運命的な出会いによって、選手としてさらに高みに到達した石井は、自身の“ナビゲーター”である大野HCにこんなメッセージを残した。

 

「大野さん、ちょっと小っ恥ずかしいんですけど、千葉時代には自分を信頼してくれて本当にありがとうございました。その教えを生かして、これからも頑張っていきたいと思っています。対戦するときは僕も楽しみにしていますので、お手柔らかに(笑)、これからもよろしくお願いします!」

 

  • 『マイナビBe a booster! Bリーグウィークリーハイライト』はBS11で毎週木曜日よる10:00〜10:30にてオンエア。
  • 『My Life Navigator』の詳しい番組情報は、番組HP公式Twitterをチェック!

#bs11bab

 

(月刊バスケットボール)



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