月刊バスケットボール5月号

【ウインターカップ2021】残り1秒で大逆転!昭和学院が昨年のリベンジを果たし2回戦へ

 

昨年のウインターカップ準々決勝。メインコートを懸けて戦った高知中央と昭和学院の対戦が、1年越しに1回戦でのリマッチを迎えた。

 

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リードを取ったのは高知中央。序盤からリズム良く攻め立てて9-0のランでスタートダッシュを切ると、#24池口祐可と#11福原葵がペイントアタック。大黒柱の#15オケケ・ギフト・ウチェンナもインサイドで強烈な存在感を放ち、1Qを終えて12点のリードを取った(14-26)。

 

ビハインドの昭和学院だったが、2Qに入ると徐々にボールが回り始め、逆に高知中央はフィニッシュ精度に苦戦。ジリジリと差を詰めて33-36で後半へ。

 

流れが昭和学院に傾いたのはこの後半だった。

 

3Qこそ、高知中央#11福原のペイントアタックなどで突き放され14点を追う展開(47-61)となったが、4Qに入るとその流れは一変。3Q中盤から切り替えたオールコートプレスが、ボディーブローのように効きはじめ、高知中央のオフェンスを徐々にトーンダウンさせていく。

 

攻めては#9田嶋の3Pシュートに#7田平真弥がリバースレイアップ、さらに直後のインバウンドを#9田嶋がスティールし、ファウルコールとともにリングにねじ込み連続7得点。たまらず高知中央がタイムアウトを要求するが、そのタイムアウト明けにはなかなか調子の上がらなかった#8花島百香が3Pシュートを沈めてさらに詰め寄る。

 

#9田嶋は、この怒とうの追い上げについて「ディフェンスで当たらないと逆転できない点差だったので、得点を意識しながら自分から積極的にディフェンスで仕掛けようと思ってプレーしていました」と振り返る。

 

その言葉通り、彼女のアグレッシブなプレーに触発されたチームは残り時間3分32秒から試合終了のブザーが鳴るまでに、9つものターンオーバーを誘うことに成功。まさにディフェンスからリズムを生み出しスティールからのイージーポイントを重ね続け、残り1分22秒には#8花島から#9田嶋への合わせでついに1ポゼッション差。このタイミングで高知中央が取った最後のタイムアウト明けには、またしても#9田嶋がスティールし得点。これで1点差。

 

逆転を許したくない高知中央も最後まで粘りのディフェンスを見せたが、勝利の女神が昭和学院を見放すことはなかった。残り8.1秒にアイソレーションから#9田嶋が放ったジャンパーはリングに弾かれるも、ボールは昭和学院の手に。最後は#9田嶋からパスを受けた1年生#15殖栗佳穂がショートジャンパーをねじ込み残り1秒でとうとう逆転。

 

タイムアウトが残されていない高知中央は#11福原がバックコートからボールを放るがリングを射止めることはできず。最終スコアは75-74。昭和学院がこの試合最初めてのリードを大逆転勝利という形で、2回戦につなげた。

 

特にアグレッシブなプレーを見せた#9田嶋はゲームハイの23得点に5つのスティール。「点差が開いた場面が長く続きましたが、3年生で『大丈夫だから、絶対逆転できるから』と声かけをしてきたので、逆転できたよかったです」と安どの表情。

 

続けて、「今日はチームの雰囲気も良かったです。先生からも言われたことですが、トーナメントは勢いがないと勝っていけません。そのために3年生を中心に、練習から勢いを出して大会に臨んだことが今日の雰囲気につながったと思います」と言う。

 

夏は不本意な結果に終わってしまった昭和学院だが、ここにきて最高の形で1回戦を突破。#9田嶋の言う“勢い”をさらに加速させ、一気に上位ラウンドまで駆け上がれるか。2回戦も目が離せない!

 

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写真/JBA
取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)



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