月刊バスケットボール5月号

多嶋朝飛、新ユニフォームと戦う2021-22シーズン

 

2020-21シーズンまで、8シーズンの長きにわたってレバンガ北海道で活躍した多嶋朝飛。

 

北海道を象徴する選手の一人だった男は、初のB1に挑む茨城ロボッツのユニフォームを着用して今季の開幕を迎えた。多嶋は今年で33歳。選手としてはベテランの域に突入しており、残りのキャリアのチャレンジの場として茨城を選んだのだ。

 

そんな多嶋に新しいユニフォームの着心地について尋ねると「最初は『似合うかな?』って心配だったんですけど、意外とまわりの方からも好評なので、その声は素直に受け止めたいと思います」と、笑みをこぼしていた。プレーはもちろん、茨城のカルチャーや試合の雰囲気、街での生活にも慣れている真っ最中なのだろう。

 

茨城の選手たちが着用するウェア類は、今季もバイオレーラがサプライ。2021-22シーズンもおなじみのブルーとオレンジをベースに、高いデザイン性を誇りながら機能面でも選手を力強くサポートしている。今作はよく見ると生地が細かな格子模様の編み込みによって形成されていて、プロの激しいゲームにも対応する耐久性を持ちながら、バツグンの通気性の確保。さらに、近年よく耳にするようになったSDGsの活動の一環として、ペットボトルのリサイクル糸を約35%使用するなど、多方面で話題性のあるプロダクトに仕上がっている。

 

 

茨城は開幕6連敗とB1の手痛い洗礼を浴びるスタートとなったが、第4節のゲーム1で初勝利。ついにB1での歴史の一歩をあゆみ出した。今回は多嶋にそんなシーズン序盤戦を振り返ってもらうとともに、バイオレーラの製品について話を聞いた。

 

連敗スタートの幕開けも

自分たちのバスケットをブラさずに戦う意識で

 

ーーシーズン開幕から約1か月が経過しました。ここまでのところ、チーム状況や雰囲気はいかがですか?

 

 

開幕前から厳しいシーズンになることは予想していました。実際に今は成績を見るとうまくいっていない状態ですが、チームスローガンである『BUILD UP』のように、一つずつ築き上げていくシーズンだと思って戦っています。結果がついてこない時期にも意思をブラさずに、シーズンを通してロボッツの目指すアップテンポなバスケットや、細かな部分をどれだけ追求していくのか。『ロボッツってこういうバスケットをするよね』というのを残りの50試合余りを使って、どれだけ築き上げていけるのかが大事です。

 

このチームは選手やスタッフがしっかりと支え合っていると思いますし、練習中から競い合っている中でもギスギスした雰囲気などは一切ありません。ここまでのシーズンでもゲーム中にしっかりと声を出してお互いを支え合えていると感じていますし、コート内外でコミュニケーションをしっかりと取ることを大事にしているチームだと思うので、その良さを忘れずに積み重ねていきたいですね。

 

ーー多嶋選手にとっては長く在籍した北海道を飛び出して、B1初挑戦の茨城で自身にとっても挑戦のシーズンだと思います。

 

そうですね。僕としては、自分たちがこの1シーズンでどういうふうにチームを作り上げて、何をやり切ろうとしているのかを明確にするのが最も大事なこと。チームスローガンやコンセプトがある中で選手とスタッフが共に前を向いて、同じベクトルで作り上げていくことが必要です。負けが続くといろいろな話が飛び交って、みんながバラバラの方向を向いてしまうというケースに陥りやすいんですけど、そこをどう我慢しながら自分たちがやりたいこと、良いと思うバスケットを1シーズンとおして積み重ねていけるのか。みんなで同じ方向を向いて、コミュニケーションが取れるのかが今後につながると思います。

 

個人的にはB1だから、B2だからというのはあまり関係ないと思っていて、チームとして何をやりたいかが明確になっていさえすれば大丈夫です。僕自身もこれまでの経験を踏まえて手助けをしたいと思っているので、いろいろな選手とコミュニケーションを取りながら、自分が気づいて言える範囲のことであれば言うようにしていますし、チームがより良くなるために、勝つためにどうしなければならないのかを常に考えています。みんなが思い切ってバスケットをできるのが一番なので、これからも積極的にコミュニケーションを取っていきたいですね。

 

ーー青とオレンジのユニフォームも、新鮮でとても似合っていると思います。着心地はいかがですか?

 

デザインもシルエットも格好良いですよね。それと、これまでのキャリアでいろいろな材質のユニフォームを着てきましたが、本当にしっかりした生地だと感じています。今は生地によってはすごく伸縮性の高いものや軽い素材のものもあると思うんですけど、その分、転んだときに破れたり汚れが目立ってしまうものも多いと感じているんです。そんな中でバイオレーラのユニフォームは昔ながらというか、しっかりと厚手の生地ですごく耐久性に優れているように感じています。だから、試合中に破れたりすることはあまりないような気がしますし、マネジャーも管理するのが楽なんじゃないでしょうか?(笑)

 

特に気に入っているのは、着やすさと生地がしっかりとしているところ。個人的な話になるのですが、僕はペラペラしていない生地の方が好みなので。北海道に在籍していた昨季はすごく軽量のユニフォームを着ていて、実際、それも良いなとは思ったのですが、今季のバイオレーラのユニフォームを着て、『厚めも好きだなぁ』と感じました。

 

ーー遠征先への移動や試合中には、チームで同じデザインのスポーツマスクも着用しているそうですね。

 

 

はい。試合中や移動中はいろいろな方に見られる機会が特に多いので、みんなでデザインがそろっている方が格好良いです。今は、黒、青、青&オレンジの3色のバリエーションがあるのですが、試合ごとにマネジャーから「今日はこの色のマスクでいきます」という連絡が来るんですよ。色の指定にはその時々の思いが込められていると思うので、僕らはみんなでその色にそろえて試合に臨むんです。試合中はベンチに座っているときもカメラに抜かれることがあるので、チームスポーツをやっている身としてはマスクをそろえられるのは見栄え的にも良いなと思います。ちなみに僕は黒がお気に入りです!

 

 

 

プロ選手としての思いを

バイオレーラのウェアにのせて…

 

ユニフォームをはじめとした試合にかかわるアイテムは、戦いへ向けて士気を高めるもの。それは選手もスタッフも、そして応援するファンにとっても同じだ。バスケットボールという競技を通じて会場が一体となり、ある者には感動や喜びを、ある者には学びや成長を与える。これは「スポーツを通じて日本の未来を元気にする」という企業理念を掲げ、ウェア視点から日本のバスケットボール界に貢献したいと考えるバイオレーラの思いとも重なるものがある。

 

スポーツマスクに関しては、その思いを形にすべく新型コロナウイルスが拡大して以降、全国の子どもたちにマスクを届けて笑顔の輪を広げるというコンセプトのもと「マスクでスマイルプロジェクト」を実施。バイオレーラが本社を構える奄美大島(鹿児島県)をはじめ、埼玉県熊谷市などでも配布をおこなった。それはバスケットボールという競技の枠を超え、競技にかかわらず地域のスポーツ少年団に向けての配布だったそうだ。

 

 

見る者にさまざまなインスピレーションを与えるのが、プロ選手の役割の一つ。茨城の選手たちもその一翼を担っており、バイオレーラの思いをユニフォームやスポーツマスクに宿してシーズンを戦っている。

 

 

ーープロ選手にはファンや子どもたちに夢や感動を与えるという役目もあると思います。多嶋選手は今後、そんな方々に向けてどのようなプレーを見せていきたいですか?

 

プロ選手としてまずできることは、このユニフォームを着てチームとして、個人として活躍することです。それによって『あの選手の着ているユニフォーム格好いいな』『あんな選手になりたいな』と、見ている方や子どもたちに思ってもらうことが、僕らができることの一つだと思います。僕らプロ選手がすべきことと、バイオレーラさんの思いは似ているます。だからこそ、こうやってコート内外でバイオレーラのウェアを着用し、自分たちがより良いパフォーマンスを続けることを目指していきたいです。

 

 

ーー多嶋選手のアグレッシブなプレーからもその思いが伝わってきますね。

 

Bリーガーとしてコート内外でさまざまな方面から見られることが多い中で、どれだけキラキラした姿を見せることができるのかが大事だと思います。僕らがつまらなそうにプレーしていたら子どもたちから憧れられることはないでしょうし、誰も応援してくれないと思うんです。チーム一丸となって、みんなが生き生きバスケットをしている姿を見せられるのか、そこから生まれる雰囲気がロボッツらしさにもつながってくるはずです。そういう部分を大切にしながらみんなに応援してもらえるような、憧れられるようなチームでいたいですね。

 

 

ーーでは最後に、ここから先にシーズンへ向けた目標を教えてください。

 

 1回の練習や試合で1日1日ステップアップし続けることが重要だと思っています。それをブレずにやり続けることができて初めてB1で戦えるようになるか、またはそれでも足りないのかが見えてくると思います。自分たちでやり切ったと思えるシーズンにできるかは自分たち次第ですしもちろん相手によってこうしようとか、ああしようとかっていうのは出てくると思いますが、『ロボッツはこういうバスケットをするチームだ!』というのをできるだけ多くの試合で見せられるようにしたいですね。どんな状況でも、どんな相手でも発揮できるように準備して、築き上げながら戦い続けていきたいです。

 

茨城ロボッツHP

VAYoreLA HP

 



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