Bリーグ

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2021/10/10

ロシター、カーク、サイズがそろってホーム開幕戦のヒーローに、フォア・ザ・チームを貫いてーー

 

 アルバルク東京が富山グラウジーズをホームに迎えたBリーグ2021-22シーズンの第2節。開幕戦となった琉球ゴールデンキングスに対して、2試合ともに勝負どころで逆転を許したA東京にとっては是が非でも勝ちがほしい一戦となった。

 

 前半は我慢比べの展開が続いたこの試合は、42-34で迎えた後半にA東京がスパーク。最後は25点の大差をつけ96-71でシーズン初白星を挙げた。

 

 この試合で勝敗を分かつポイントとなったのは、最後まで強度の高いプレーを絶やさなかったA東京の集中力だろう。3QにA東京が突き放した時間帯から、富山は松井啓十郎がミドルジャンパーと3Pシュートを連続で沈めて点差を詰め、流れを引き寄せるかと思われた。

 

 しかし、ここで奮起したのが先発を任された小酒部泰暉。松井の3Pに対してはお返しとばかりの3Pで対抗し、その後も富山が得点すれば小酒部が返すという展開で流れを渡さなかった。3Qでの小酒部の得点は9と、トータル11得点のほとんどをこのクォーターで稼ぎ出した。

 

ジョシュア・スミスとブライス・ジョンソンのツインタワー擁する富山相手にサイズのパフォーマンスは見事だった

 

 そして琉球戦で逆転を許した肝心の4Q。若手がつないだリズムを引き継いだのは新加入のセバスチャン・サイズだった。サイズはこの試合で25得点15リバウンドを記録しているが、内14得点、7リバウンドは4Qだけでマークしたもの。

 

「琉球との開幕戦では2試合とも逆転負けという苦いスタートとなりました。今日は前半も中盤もリードしていたので、そこから点差を縮められて逆転という形には絶対にしたくなかったです。自分だけではなく、チーム全体で(琉球戦の)反省点を試合の中で表現して、勝利につなげることができました」とサイズが振り返るように、果敢にアタックしてくる富山に対して、チーム全体で体を張ったディフェンスを見せ、サイズ自身も味方のミスショットを何度となくリカバリーしてティップショットにつなげていった。

 

 ここ3試合、サイズはスターターではない。その座はアルバルク5シーズン目のアレックス・カークと宇都宮ブレックスから加入したライアン・ロシターの両ベテランが担っている。カークはこの試合で14得点、7リバウンド、ロシターは同14得点、4リバウンド、3ブロックの活躍だった。この2人がスターターを務めることは納得だが、誰がセカンドユニットに回ろうとも我々は驚いたに違いない。では、サイズがベンチ起用となるまでの経緯はどのようなものだったのだろうか。それを質問するとこのような答えが返ってきた。

 

「ルカ(パヴィチェヴィッチHC)とはそのことについて長く会話をしました。今の段階で僕がチームに一番貢献できるのはセカンドユニットとして試合に出て、自分の持ち味であるエネルギーやパワーを出すこと。それがルカHCの要求です。個人的ではなく、フォア・ザ・チームの気持ちです。ベンチ出場であろうがスターターであろうが、そこにはそれぞれの役割があって仕事をこなすということであれば、いつどの時間帯に出場するのでも構いません。シックスマンは自分にフィットしていると思う」

 

 

カーク(上写真)とロシターとのビッグマントリオはリーグ最強のフロントラインだろう

 

 3人の中で最もエネルギッシュなサイズをあえてベンチに置くことで、試合の流れを切らさない。そんなパヴィチェヴィッチの意図だったのだろう。結果としてスターター2人と全く遜色ない実力を持つサイズが、セカンドユニットの一員として試合に出場するのだから相手にとっては脅威でしかない。しかも現在27歳と一般的な選手の全盛期にあたる年齢のサイズがその役割を受け入れているのだから、チーム全体に与えるケミストリー面での影響も相当なはずだ。

 

 パワーとミッドレンジからの抜群のタッチを持つカークと、ゲームメイクもできる技巧派のロシター、エネルギッシュで身体能力とディフェンス力に優れるサイズというタイプの異なるアンセルフィッシュなビッグマン3人の奏でるハーモニーは、A東京の最大のアドバンテージと言える。

 

 この試合のヒーローに選ばれたのは、サイズ、ロシター、カークのビッグマントリオ。恒例の「アルバルクWE」は“先輩”のカークがロシターにやり方を教え、3人そろって行うなんとも微笑ましいシーンだった。3人の実力派ビッグマンに、田中大貴や小酒部、安藤周人といった優秀なメンバーをそろえるアルバルク東京は、ケミストリーの面でも着実に進歩し続けている。

 

写真/©︎B.LEAGUE(アイキャッチ)、山岡邦彦

取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)

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