月刊バスケットボール5月号

【関東大会・女子1日目】地元・矢板中央のスプラッシュシスターズ#6荒関&#9田﨑が躍動

 Aブロック1回戦で、東京4位の実践学園と戦った地元・栃木1位の矢板中央。

 

 

 1Q序盤こそ実践学園の#6髙橋知優のジャンパーや#4石田実咲のドライブで先制されるも、矢板中央は#9田﨑加寿紗がこのクウォーターだけで3本の3Pシュートをヒットさせ、1Qを19‐12とリードする。2Qになっても#9田﨑の外角からのシュートは的確で、ここでも2本の3Pシュートを沈めてみせる。相手の実践学園もそのシュート力を警戒しチェックに行くのだが、すると「ドライブやジャンプシュートに切り替えました」(#9田﨑)と言うように今度は中に切れ込んでいく。結局#9田﨑は、3Qでも2本、4Qでも1本と計8本の3Pシュートを成功させ、36得点をマークする大活躍。「3Pシュートはチームのみんながほぼ毎日100本インをやっています。その中で私は、1本1本試合を想定して打っています」とのことだが、その成果を存分に見せつけ、チームの勝利(81‐59)に貢献した。

 

 

 そして、矢板中央でもう一人躍動したのが、3Pシュート5本を含む30得点を挙げた#6荒関綾夏。こちらも#9田﨑同様入りだしたら止まらないタイプで、この2人はウォリアーズのスプラッシュブラザーズ(ステフィン・カリー&クレイ・トンプソン)ならぬ、矢板中央のスプラッシュシスターズ。2人が左右のコーナーに分かれてポジショニングするだけで、相手には大きなプレッシャーとなっていた。

 

 

 また、この#6荒関は、カットインしたときにジャンプしつつパスを受け、そのままシュートしてアリウープを決めるという男子並みの身体能力の高さを持っているが、そのパスを出しているのがPGの#7西山 歩(この試合13アシストをマーク)。ボール保持力とパスセンスが抜群で、この#7西山が司令塔だからこそ、#9田﨑や#6荒関は持ち味を最大限に発揮できているとも言える。

 

 

「県予選で優勝して臨んでいる地元開催の関東大会なので、いいところまで勝ち上がりたいです。この後にインターハイ予選があるので、それにつながるような大会にもしたいです」と言う#6荒関。矢板中央は、明日の2回戦で市柏(千葉)と対戦し、そこで勝てば準決勝では全国でも上位の力を持つ明星学園と対戦する可能性が高い。#9田﨑&#6荒関のスプラッシュシスターズと司令塔#7西山がどんなプレーを見せてくれるのか楽しみだ。

 

 その他、Aブロックで強さを見せたのが東京勢。東京1位の明星学園は、102‐47で久喜(埼玉)に勝利。身長195㎝の#85アダム アフォディアが21得点とチームハイを記録したが、ベンチスタートの#97髙橋京香が16得点、スタメンの#16鶴丸聖奈と#18池田凛が15得点、同じくスタメンの#76梅村成理が11得点と、今年の明星学園は攻撃の層が厚いのが特徴。元々ディフェンスの手堅さには定評があるので、攻守共に質の高いバスケを展開できるのが強みだ。

 

 

 また、東京2位の東京成徳大は埼玉栄(埼玉)に90‐72、東京3位の八雲学園は日本航空(山梨)に92‐66で勝利。両チームは明日の2回戦に勝てば準決勝で激突するが、東京予選では東京成徳大が1点差(76‐75)で勝利している。この関東大会後に行われるインターハイ東京都予選を占う意味でも、両チームが対戦するとなれば見逃せない試合となる。

 

 

 

 

 

取材・文○高木希武
写真○石塚康隆



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