月刊バスケットボール5月号

アメリカで挑戦を続ける和製カリー 富永啓生

2018年のウインターカップでその名をとどろかせた富永啓生は、進学先にアメリカを選

んだ。咋秋から、まずはテキサス州のレンジャー短大に進み、そこでポイントゲッターとし

て活躍を見せている。そして2021年度からは念願のNCAAディビジョン1のネブラス

カ大への編入も決定した。夢に向けて一歩ずつ歩みを進める富永に、レンジャー短大でのプレー、そしてネブラスカ大を選んだ理由を聞いた。

文/山脇明子 写真/トミー・ウェルズ(レンジャー短大)

 

 

 

レンジャー短大でシューターとして認められる

 

―開幕戦でいきなり19得点、7試合目で34得点していました。あっという間にアメリカのバスケになじんでいる印象があります。

「でも最初はちょっと戸惑いもありました」

―どういう部分が戸惑いでしたか?

「やはりみんな能力が高くて、日本にいるときみたいにむちゃくちゃ点を取れるわけではない。日本にいたときはドライブとかでも点を取れたりしたんですけど、こっちではブロックも高く、簡単にドライブもいけるわけではなくて…。そんな中で3Pシュートを決めていかないといけないと思って最初の練習とかで3Pシュートをいっぱい決めることができて、そこで信頼してもらい、シューターという感じでやっています。日本にいるときは平均的に30点くらい取れていたんですけど、こっちに来たら、この前も2点に抑えられたことが一回あったし、そういう波が出てきました」

―波があるというのは日本にいたときとは違う部分ですか?

「そうですね。そこが違いです。その前の試合で点数をたくさん取ったりすると相手も警戒してきて」

―どんなふうにして相手は止めにきますか?

「日本にいたときはフェイスガードされても、相手がめちゃくちゃ大きいわけじゃないので問題なくプレーできるんですけど、こっちではやはり大きいし手も長い、ボールを持たせてもらえなくなってしまいます」

 

2021年からはネブラスカ大に

―レンジャー短大に行くきっかけは何だったのですか?

「NCAAディビジョン1の大学に行こうとしていたんですけど、成績が足りないこととか、スタッフが入れ替わったりとかいろいろあって、ヨーロッパ系も見に行ったりしたんですけど、そうした中で声がかかったのがここでした。去年全米で2位になっているのを聞き、コーチもかつてケンタッキー大で教えていたと聞いたので、いいなと思って決めました」

―2021年から進学予定のネブラスカ大のヘッドコーチ、フレッド・ホイバーグとは話したりしていますか?

「試合が終わったあととかにちょくちょくメッセージが来ます。良かったね、みたいなことを言われたりします」

―ネブラスカ大に決めた理由はどういったところですか? もう少し待っていたらほかの大学からもオファーはあったと思いますが。

「そうですね。でもやっぱりヘッドコーチがいいというのを聞いて。しかもシューターだし、教えてもらいたいと思いました」

―アメリカでプレーしたいと思ったのはいつ頃からですか?

「正直、高校3年生になったばかりの頃は、別に行きたいと思っていませんでした。高校3年生のときにU18のアジア大会があって、そのときにスカウトが見に来ていて、アメリカの大学から声をかけてもらいました。最初は日本の大学に進もうとしていたんですけど、成長ができるのはどちらかなと思うと、やはりアメリカかなと。だからU18がきっかけです」

 

 さらにアメリカでの生活や今後の目標などについて、月刊バスケットボール2020年5月号でインタビューを掲載している。

http://shop.nbp.ne.jp/shopdetail/000000001559/

 

(月刊バスケットボール)



タグ: NCAA 富永啓生

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