月刊バスケットボール8月号

NBA

2020.04.27

NBAの厳しさを感じながら【ブログ】 NBA Shooting Report Vol.8

【NBA Shooting Report by フォトグラファー石塚康隆 Vol.8】

 

 昨シーズンのNBAでの撮影取材を振り返るNBA Shooting Report。前回は束の間の休日を洗濯と読書で過ごしたフォトグラファー石塚康隆。(Vol.7はこちら)本日はNBAでの撮影です。

 

2019年3月24日

 

【まずは腹ごしらえから】

 

 メンフィスでの撮影も今日で4試合目。今日はオクラホマシティ・サンダーとの試合です。受付でプレスパスを受け取りプレスルームへ。カメラの準備やメールのチェックをした後は、プレスルームの隣にある食堂で夕食を食べます。この食堂は関係者パスを持っている人が使える食堂で、5ドル支払うと食事ができます。ビュッフェスタイルでメニューも豊富、食後のデザートまであります。

 

プレスルームの隣にある食堂。ビュッフェスタイルで好きな食べ物を選べます

 

 まだ17時過ぎなので夕食を取るには早いのですが、試合が終わって会場を出ると22時を過ぎてしまいます。そうなるとお店もやっていないことが多いので、試合がある日は早めに食べています。この日のメニューは野菜炒め、春巻き、チキン、そしてライスと中華風チョイスにしました。お皿いっぱいに盛りつけたので、お腹いっぱいで満足です。しっかり食べたあとは撮影へ。

 

【渡邊選手の出場を期待しながら】

 

 今日も渡邊選手はベンチ入り。また出場してくれることを期待しつつ、いつもどおり試合前のアップから撮影を開始します。そして国歌斉唱後の迫力ある選手紹介。僕はどの会場へ行ってもこの時間が好きです。いよいよ試合が始まるなという雰囲気が会場全体から伝わってくるんですよね。

 

試合開始前の渡邊選手

 

 

国歌斉唱中の選手たち。この時間は選手たちの気持ちが高まる時間でもあります

 

 試合が始まり1Qはサンダーの選手から撮影を始めます。ラッセル・ウェストブルック選手やポール・ジョージ選手など注目選手が多いので、撮影枚数は自然と増えていきます。サンダーの選手たちを撮影しつつ、いつでも渡邊選手を撮れるよう準備も怠りません。グリズリーズはベンチ入りした人数が10人と少なかったので、今日も出場するチャンスがあると考えていました。2Qが終わった時点でグリズリーズが6点リード。まだ接戦が続きそうだと感じ、3Qはサンダーの選手を撮影します。

 

 サンダーの選手たちを十分に撮影できたので、続いてグリズリーズ中心に撮影していきます。とはいえ、グリズリーズの試合は3試合すでに撮影しているので、各選手たちの写真は十分です。あとは渡邊選手の出番が来るのを待つのみです。

 

 今日のグリズリーズは控え選手たちの出番が何度もあり、可能性は高いとにらんでいましたが渡邊選手だけなかなか呼ばれません。試合の撮影に集中しようとしますが、グリズリーズベンチの動きも気になります。そんな状態が続いたまま、この日は残念ながら最後まで出番がありませんでした。

 

 試合終了後はロッカールームへ。最初は行くのに緊張したロッカールームもようやく慣れてきました。渡邊選手は「シーズンが始まったときから、人数がいるときや、競った試合にはなかなか絡めず、まだ正直コーチ陣の信頼を勝ち取れていないのかなぁと感じています」と悔しそうではありましたが、冷静にその日の感想を話してくれました。NBAの厳しさを目の当たりにしつつ、厳しさの中で戦う姿を見ることができ、うれしくもなりました。

 

(Vol.9へ続く)



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