【日本代表国際試合】男子日本代表がドイツに価値ある金星!

 8月24日、さいたまスーパーアリーナでドイツ(FIBAランキング22位)との日本代表国際試合が行われた。

 

 試合は2Q以降、10点前後を追いかける苦しい展開だった。だが日本は今までの試合よりも攻撃のテンポを少し落とし、よりディフェンスにフォーカスして失点を抑える。そして勝負どころで勢いに乗り、86-83で鮮やかな逆転勝利。会場に訪れた18,355人の観客や、テレビや動画配信で試合を見守ったファンたちを熱狂させる金星を挙げた。

 

 以前にエースの八村が「日本の強みはみんなが満遍なく活躍できること」と話していたが、その言葉どおり、この試合のヒーローは31得点を挙げた八村だけではなかった。最近ケガから復帰し、この試合からプレータイムの制限がなくなった渡邊は、得点面でもディフェンス面でも大きなインパクトを残す活躍。また、篠山も4Q終盤に勝利を大きく引き寄せるフローターシュートを決め、会場を大いに沸かせた。

 

 そして極め付けは、ここ最近、なかなか持ち味を出せずに苦しんでいた比江島だ。彼の復調を待ちわびていた日本のファンも多いだろう。比江島は「最近、情けない(プレーをしている)というか、全然自分のプレーが出せていなくて…。正直、自分の中でこの試合がラストチャンスだと思っていた」と言うほどに危機感を持っており、スタメン起用に応えてアグレッシブに攻めて先制点を奪取。その後も独特のステップで相手をかわす“らしい”プレーを要所で披露した。試合後は「今までの試合、明らかに弱気とか遠慮からくるターンオーバーが多かったので、今日に関しては、アグレッシブなミスはしていいと自分の中で思っていました。まだまだ満足はしていないですけど、今までの試合に比べると自信を持っていいのかなと思います」と、ひとまずほっとしたような表情だった。

 

 世界大会では、過去ヨーロッパ勢から未だに勝ったことのない男子日本代表。親善試合とはいえ、今回の勝利は来たるFIBAワールドカップ2019に向けて大きな手応えになったと言えるだろう。試合を重ねながらチームとして良くなっている部分も多く、“史上最強”とも言われる日本代表はまだまだ強くなりそうだ。

 

 また、同日男子の試合の後には「女子日本代表国際強化試合2019三井不動産カップ」が同会場で行われた。1か月後に控えるFIBA女子アジアカップ2019で大会4連覇を狙う女子日本代表は、91-75でチャイニーズ・タイペイを一蹴。それでも、「良い時間帯と悪い時間帯の波があり過ぎました」とホーバスヘッドコーチが言うように、課題も見えた様子。40分間通して日本らしさを出せるか、次の試合も注目したい。

 

 

 25日には、さいたまスーパーアリーナにて男子日本代表vs.チュニジア(同51位)、女子日本代表vs.チャイニーズ・タイペイの試合が行われる。男子日本代表は、31日に開幕するワールドカップ前の、国内ラストゲーム。いよいよ決戦の時が迫る男女日本代表に、日本一丸となってエールを送りたい。

 

(月刊バスケットボール)



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