月バスTOPICS

月バスTOPICS

2019/02/27

今週の逸足『NIKE AIR MORE UPTEMPO』

そして、それを具現化するためのスミスのアイデアは、シンプルかつ大胆なものだった。鉄道のグラフィティなどにヒントを得て、シューズのサイドパネルにナイキの代名詞である『AIR』の3文字を大きくあしらうデザインに。それは、これまでのナイキのバッシュとは一線を画した、しかし、これ以上ないほど“ナイキらしい”ものだった。しかもこのデザインには、エアバッグを3分割して埋め込み屈曲性を持たせたトリプルエアの機能を活かす意図もあった。スミスはのちにナイキの公式サイトのインタビューでこう語っている。「 90年代中盤は、総じて『今までより大きく』という時代 だったと思う」   自動車、ジーンズ、ポップアート、建築物…。当時は周囲のあらゆるものが大きく、また大きいことが良いことだとされていた時代だった。スミスにしてみれば、「周囲の環境をそのままシューズに落とし込んだ」デザインだったのだ。   そして迎えた五輪では、ピッペン、チャールズ・バークレー(当時サンズ)が『モアアップテンポ』を、ゲイリー・ペイトン(当時ソニックス)、レジー・ミラー(当時ペイサーズ)が『エアマッチアップテンポ』(ほぼ同デザインの廉価版)を着用し、アメリカ代表は開催国、そしてバスケットの母国としての面子を保つ2大会連続の金メダルを獲得。当然、中心選手として活躍したピッペンの笑顔は、足元のAIRの3文字とともに世界中に配信され、『アップテンポ』は『フライト』『フォース』に次ぐナイキ第三のバッシュシリーズへと“昇格”。これはピッペンの功績と言ってよく、その後もピッペンは自身のシグニチャーシューズ『エアピッペン』が発売されるまで継続的に『アップテンポシリーズ』を着用した。   トレンドは巡る。かつて世界を驚かせた『アップテンポ』は、今、再びストリートでクールな存在となっている。しかし、かつてのようにダボダボのジーンズではNGで、スリムなパンツにコーディネートするのが今風だ。この20年で、必ずしも「大きいことが良いこと」とは限らないということを、多くの人が学んだ結果なのかもしれない。     月刊バスケットボール2018年7月号掲載 ◇一足は手に入れたい! プレミアムシューズ100選 http://shop.nbp.ne.jp/smartphone/detail.html?id=000000000593     (月刊バスケットボール)

あなたはどう思う?コメント書く

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください