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2020/03/08

『Mr.ビーコル』蒲谷正之(元横浜)の順風満帆な第二の出航

 そんな蒲谷は、今、『プルデンシャル生命保険株式会社』でライフプランナーとして働いている。生命保険や金融などの知識をもとに、人生設計を金銭面からアドバイスする仕事であり、バスケットボール、スポーツとはまったく接点がない仕事である。

 

「学生時代には現役引退後は指導者の道も考えていて、教員の資格も持っていたのですが、現役生活を続けていくうちに考え方も変わってきましたし、タイミングもあって、違う世界でやってみたいと思うようになったんです。知り合いから誘われていたこともあって、引退後すぐに今の会社を受けることにしたんです」

 

 とは言うものの、それは簡単なことではない。ライフプランナーは個人事業主として、会社に所属する。そしてライフプランナーとして活動するためには、保険知識や金融知識など幾つもの資格を取得しなければならないのだ。それも業界トップクラスの同社においては、ただの合格ではダメで、どれも満点に近い成績が求められた。蒲谷は1か月の間に、必要な試験をすべて合格、それも100点満点でクリアした。

 

「あんなに勉強したのは初めての経験ですね。バスケばっかりやってきましたから」と笑いながら話すも、彼の歩んできたキャリアがずいぶん役に立ったようだ。

 

「実は横浜時代には、副業的にバーを経営していて。最初は選手たちが気兼ねなくくつろげる場をと思っていたのですが、そのうちブースターの皆さんも集まるようになって。小さな店でしたが、いつもいっぱいでした。あとはプロ選手としてやってきたことや、父が亡くなったこと、母親の介護などの経験もあります。保険やら税金やらといったことを、自分ですべてやらなければなりませんでしたから…。チームの経営難もありましたし、お金のこと、経営のことなどいろいろなことを調べました。そうした素地みたいなものがあって、基本的な世の中の仕組みや、専門用語などを結構知っていましたから」

 

 

 無事にライフプランナーとしての資格を取得した蒲谷は、息つくことなく猛烈な営業成績を残しているという。それは彼が所属する支社32年間の歴史を塗り替えるほどのもので、新人社員の初月度の最高記録を更新してしまったというのだ。もともと人付き合いを大切にし、プロ選手をしていただけに顔が広いとは言うものの、それほどのモチベーションを生み出しているものは何なのか。

 

「この仕事をしたかった一つの理由に、プロ選手たちに、しっかりとした保険があればいいなと思っていたからなんです。日本のバスケは、プロになってから日が浅いですよね。引退後の受け皿だってしっかりとしていないですし、何の保障もないんです。自分は家庭もありましたから、比較的しっかりと考えてやってきたほうだと思いますが、若い選手など、ちょっとお金をもらうとパッと使っちゃったりしているのを見てきましたから。NBAなどでは、選手の年金があるとも聞いていますし、そうした仕組みを作れないかと考えているんです。でも、いきなりそんな大きな話をしても、会社を説得するにしても、まずは自分が成績を残さなければ、だれも本気で耳を貸してくれないじゃないですか」

 

 今は個別に選手たちの相談に乗り、コンサルティングしている状況だが、「選手会なども巻き込んで、プロ選手たちが安心してプレーできる環境を作れたらいいですね」と夢は広がる。直接面識はなくても、人づてに紹介される選手も増え、その必要性をさらに感じていると言う。近い将来、元プロバスケ選手による、プロバスケ選手のためのファイナンシャル・プランが登場するかもしれない。それをオーガナイズしていくことこそ、日本のバスケットボール界の荒波を乗り越えてきたプロフェッショナルが、第二の人生に選んだ天職に違いない。

 

(月刊バスケットボール)


  1. タカシタカシ より:

    保険業界の者です。私自身、上位1%未満に入ると自負します。もちろん応援してますし、期待しています。ですが、明らかに保険業界に精通していない方の書かれた記事の様に思うので読者の中に安易な勘違いが生まれないか懸念してコメントしました。保険業界はその門を叩いた殆どの方が2〜3年で退職する(満足する報酬を得られ続ける事が難しい)現実もあります。それは前述のP生命でも同じです。継続する事が難しく、世の中で1番難しい営業とも言われます。これから死ぬ程の努力を継続して、金融知識によりバスケ業界を変えるくらいのご尽力を祈っています。

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