月刊バスケットボール5月号

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2021.12.30

安間志織(アイスフォーゲル)、首位攻防戦で25得点、8リバウンド、6スティールもチームは惜敗

 日本時間12月30日未明(ドイツ時間29日夜)に、独ブンデスリーガのアイスフォーゲルUSCフライブルク対ラインラント・ライオンズ戦が行われた。安間志織はアイスフォーゲルのスターターとして出場し、フィールドゴール22本中10本成功で25得点、8リバウンド、3アシスト、6スティールを記録する活躍を披露したが、チームは55-61で黒星を喫した。


この試合はリーグ2位のアイスフォーゲルが首位のライオンズをホームに迎えての一戦。前回の対戦でも、アイスフォーゲルは89-96というハイスコアの激戦を落としており、シーズンシリーズは0勝2敗となった。安間はこのときもフィールドゴール12本中7本を成功させて17得点を奪っていたが、守り合いとなった2度目の対戦で、それ以上に攻守で存在感が際立つプレーぶりだった。


展開としては序盤からライオンズが先行し、アイスフォーゲルが追いかける流れ。安間は速攻からチーム初得点となるレイアップを決めると、その後もこのクォーターだけで3Pショット1本を含むフィールドゴール4本を成功させて9得点。アシスト1本も記録し、アイスフォーゲルがこのクォーターに挙げた11得点すべてに絡んだ。


チームとしてこの日のアイスフォーゲルはなかなかボールがゴールを通過してくれず、特に前半は安間を除くチーム全体のフィールドゴールが22本中1本のみ成功という大苦戦。その1本には安間のアシストがついていた。

 

 ただ、ハーフタイムで23-33の10点ビハインドにはなっていたが、ディフェンスの頑張りで勝負を後半にかけられる状態で踏みとどまっていた。ライオンズの高さを生かした変則的なゾーンディフェンスに攻めあぐんだアイスフォーゲルは、後半もチームとしてのオフェンスの調子が大きく上がることはなかったが、ディフェンスではさらに厳しさを増し終盤接戦に持ち込んだ。


勝ち切ることができなかったのは残念だが、アイスフォーゲルはこの日を終えて14勝1敗の相手に十分対抗できることを再度示すことはできた。通算成績は11勝4敗となりTKハノーバー・ロクセと並ばれたが、得失点差で2位をキープしている。


リーグ最強チームとの2度目の対戦で前回を上回る数字をたたき出した安間は、この試合を含む全15試合で20.8得点、5.7リバウンド、5.7アシスト、2.9スティールというアベレージ。リーグ全体でもエリートと呼べる存在であることを感じさせる活躍だった。


安間がこの試合でマッチアップする時間帯が長かったプレーヤーは2人いたが、そのうちの一人、イェンケ・デレイン(Jienke De Leyn)はU20ベルギー代表に選出され、2018年にU20ユーロバスケットに出場した経歴を持っている。もう一人のジョイス・クセイン-スミスはフランス出身のベテランガードで、U16で母国代表に選ばれ、プロとして国内外でキャリアを積んだつわものだ。安間は爆発的な得点力を発揮した一方で、両者にターンオーバーを2つずつ犯させるなどタフなディフェンスで苦しめた。


リーグ戦ではスウィープとなり、アイスフォーゲルと安間にとって悔しい結果だが、プレーオフで再度対戦する可能性が十分にある。始まったばかりの後半戦でどのように調子を高めていくか、安間がどのような形でチームをけん引していくか、見どころいっぱいの戦いが続く。

 

 アイスフォーゲルの次戦は、日本時間で新年1月3日(月)午前0時(ドイツ時間2日16時)からの対TSV1880ヴァッサーブルク戦。現時点で4勝11敗のチームで、前回の対戦では、75-59でアイスフォーゲルが勝利した。安間はこの試合では31得点、5リバウンド、4アシスト、6スティールを記録している。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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