月刊バスケットボール5月号

MORE

2021.12.13

安間志織が29得点、9リバウンド、8アシスト、6スティールでアイスフォーゲルは10勝目、ブンデスリーガ単独2位

 ドイツブンデスリーガのアイスフォーゲルUSCフライブルクに所属する安間志織が、日本時間12月13日未明(ドイツ時間12日夜)に行われた対TKハノーバー・ロクセ戦にスターターとして出場。29得点、9リバウンド、8アシスト、6スティールと攻守に躍動し、チームを87-64の勝利に導いた。フィールドゴール成功率47.6%(21本中10本成功)、うち3P成功率50.0%(4本中2本成功)とシューティングタッチも上々。フリースローは7本すべてを成功させ100%だった。


この日対戦したTKハノーバーは、前週終了時点でアイスフォーゲルを1ゲーム差で追うリーグ3位の相手。しかしアイスフォーゲルは、安間のドリブルドライブで先制点を奪うと、第1Q終了までに32-9と23点差の大量リードを築き上げた。安間はクォーター終了間際に左ウイングからブザービーターとなる3Pショットも放り込み、最初の10分間だけでも13得点、2リバウンド、2アシスト。キャリアハイの12アシストを記録した前週の試合では、おぜん立て役に回るシーンが多かったが、この日は鋭いドリブルドライブからのフィニッシュ力を生かして多彩なチームオフェンスを組み立てた。


お互いが点を取り合う展開となった第2Qには、36-15の6分48秒にトランジションから2本目の3Pショットを決め、その後約2分40秒間に立て続けに3本アシストを記録し、11-4のランでリードをさらに47-21まで広げる。この間のアイスフォーゲルはチームオフェンスの中でボールが良く回り、安間のパスからハンナ・リトルがペイントでイージーバスケット1本、リナ・ゾンタークが3Pショットを2本連続で決めている。


リトルはセント・ボナベンチャー大学で2年間、オークランド大学で1年間プレーした“NCAAディビジョン1上がり”で、後者でプレーした2016-17シーズンにはホライズン・リーグのオールカンファレンス・ファーストチーム入りしたフォワードだ。ゾンタークはドイツのアンダーカテゴリーで代表に選ばれたフォワードで、来シーズンはUCLAでプレーすることが決まっている。


安間がこうした有能なタレントの力をうまく引き出しながら、自らも数字として結果を出し、チームの勝利に大きく貢献していることには大きな意義があるだろう。多くの国や地域から集まったプレーヤーが活躍するブンデスリーガで、ここまで12試合すべてにスターターで出場して平均20.8得点、5.6リバウンド、6.3アシスト、2.6スティールという数字。リーグ2位のチームで得点とアシストがトップという成績は、日本の女子バスケットボールのレベルの高さを世界に示すとともに、安間個人の価値を世界に知らしめることにもなる。


アイスフォーゲルはこの勝利で今シーズン10勝目(2敗)。トップを走るラインラント・ライオンズ(11勝1敗)とはわずか1ゲーム差。シーズンは半ばに差し掛かり、次週の試合(日本時間12月20日未明の対アイグナー・エンジェルズ・ネルトリンゲン戦)で折り返しとなるが、後半戦に向けて好位置につけている。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



PICK UP