月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2022.11.15

混戦のB3リーグ、10連勝で首位の静岡を横浜EXと鹿児島が1ゲーム差で猛追

 11月13日で第6節までの日程を終えたB3リーグは、上位から中位にかけて混戦となっている。現時点では、10連勝中のベルテックス静岡が通算成績11勝1敗(勝率.917)で首位。しかしその静岡に開幕節で唯一土をつけた横浜エクセレンスと鹿児島レブナイズも、ともに10勝2敗(勝率.833)として1ゲーム差で猛追中だ。


静岡は第5節まで首位だったトライフープ岡山を第6節で2度破っての首位奪取。痛い連敗を喫した岡山は9勝3敗(勝率.750)で5位に順位を落とした。横浜EXは11月に入ってからの4連勝で鹿児島と同率だが、得失点差で上回り2位。鹿児島は現時点で11位の湘南ユナイテッドBC(5勝7敗、勝率.417)に喫した1敗が響いて3位となっている。


4位の岩手ビッグブルズ(9勝3敗、勝率.750)、5位の岡山、6位の東京ユナイテッドBC(8勝4敗、勝率.667)、7位のさいたまブロンコス(7勝5敗、勝率.583)までは白星が先行。プレーオフ圏内の8位に位置している東京八王子ビートレインズも6勝6敗五分の星だ。


まだシーズンは長く現時点で何かを判断できるわけではないが、各チームの勢いや戦力的な傾向は徐々に見えてきつつある。最も安定感のある戦いぶりを見せている静岡は、11月に入ってから上位の岩手と岡山を相手に4連勝。アルゼンチン出身のフォワード、アレクシス・エールセネル(平均16.8得点、2.1スティール=リーグ3位)を攻守の要とし、強い結束を感じさせている。ファクンド・ミュラーHCも岡山との連戦後、「このスタイルをしっかりと継続し、良くしていきつつ、あらためて気を引き締め戦っていきたい」と自信を深めている様子だ。


2位の横浜EXは、フロントラインの要となる外国籍選手3人とバックコート陣の連係がよく、現在リーグトップの平均91.0得点という破壊力が際立つ。それだけでなく、石田剛規HCが強調するディフェンス面の奮闘も実践されており、得失点差15.8もリーグトップ。得点とリバウンドで強みを発揮するライアン・ステファン(平均21.0得点=リーグ2位、11.5リバウンド=リーグ3位)、ジョーダン・フェイゾン(平均18.1得点、8.2リバウンド、4.3アシスト=リーグ3位)のベテラン二人に、今シーズン初来日のセブンフッター、ベイリー・スティール(平均11.7得点、5.8リバウンド)が加わったインサイドの厚みは大きな脅威だ。その力を西山達哉や塚本雄貴らが最大限引き出している。

 


横浜エクセレンスの一員として初来日したベイリー・スティール。大いに戦力となっている

 


鹿児島はアンソニー・ゲインズ・ジュニア(平均20.2得点、2.5スティール=リーグ1位)の攻守の奮闘が光る中、チームとして3P成功率がリーグ2位の37.5%と高確率だ。ハイボリューム・シューターはゲインズ・ジュニア(60本中21本成功、35.0%)、中島良史(41本中15本成功、36.6%)、森田雄次(56本中24本成功、42.9%)。またディフェンス面でもチームとしてスティールがリーグ1位の平均11.2本、ブロックがリーグ2位の3.8本とハイレベルな数値。攻守の奮闘が好成績につながっていることが明らかだ。


中位から下位のチームでは、東京ユナイテッドBCが3P成功率でリーグトップの38.1%を記録しているのが目を引く。新規参入チームということなどまったく関係なく、上位チームも侮れない存在になっている。

 


東京ユナイテッドBCの東 宏輝。3P成功率41.9%と高確率を誇る


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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