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2021/11/11

鈴木妃乃(ノースアラバマ大学)、NCAA DI 2シーズン目は9得点、7アシストで大勝の好発進

 大阪桐蔭高校から関西学院大学に進み、昨夏ノースアラバマ大学に転入した鈴木妃乃が、日本時間11月10日(北米時間9日、以下日付表記はすべて日本時間)にNCAAディビジョンIでの2シーズン目の開幕初戦に臨んだ。鈴木は今年2月1日に行われた試合中に左ヒザ前十字靭帯を断裂し、以降は離脱のまま2020-21シーズンを終えていたが、ディビジョンIIIのブラックバーン・カレッジをホームアリーナのフラワーズ・ホール(アラバマ州フローレンス)に迎えたこの試合では、復帰初戦とは思えない縦横無尽の活躍で、114-52の大勝に貢献した。

 

第3Qに“妃乃タイム”を演出


 17分間のプレータイムを得た鈴木は、この試合で2桁まであと一歩の9得点にゲームハイとなる7アシスト、1リバウンド、3スティールを記録。2本放った3Pショットこそ決められなかったが、2Pフィールドゴールは4本すべてを成功させた。そのうち2本は、自らのスティールをカウンターアタックで得点につなげた速攻。持ち前のスピードが生かされたプレーだ。


 第3Qの中盤から終了までは、“妃乃タイム”と言えるような時間帯を演出した。その始まりは75-36とリードしたこのクォーター残り4分21秒に、ポーランドのアンダーカテゴリー代表の実績を持つガード、パトリツィア・ヤヴォルスカの3Pショットを生んだアシスト。その約1分後の残り3分5秒にも同じくヤヴォルスカのレイアップをおぜん立てすると、さらにその約1分後の残り1分51秒には、今度はシューターのジェイド・ムーアの3Pショットにつながるアシストを提供した。


 その返しのディフェンスでは、スティールから速攻の起点となりジュリア・シオンのイージー・レイアップを演出。さらには、この試合でゲームハイの20得点を挙げたジュリア・ストラチャンの3Pショットをアシストした後、最後はクォーター終了間際にブザービーターとなる自らのレイアップで90-41までリードを広げた。この時間帯はチームメイト4人の得点につながる5アシストと自身の2得点。プレーメイカーとして秀逸な仕事ぶりだ。

 

再起を誓う2シーズン目、本場を驚かせる活躍に期待


 鈴木は昨シーズン、前述の大けがまでに15試合に出場し、平均2.0得点、2.6アシスト、1.0リバウンド、1.1スティールという成績を残していた。ただ、シーズンを通じてのスタッツは鈴木の本来のポテンシャルを物語るものではない。

 

 ミッシー・タイバーHCは、アトランティックサン・カンファレンス(A-SUN=“エイ・サン”と呼ばれている)の公式戦シーズンが始まる直前にバックコートのローテーションを変え、鈴木を控えからスターターのポイントガードに抜擢した。それ以降プレーした8試合での鈴木は、平均3.1得点、3.4アシスト、1.3リバウンド、1.5スティールとアベレージを上昇させており、上り調子でこれからというところでの離脱だったからだ。その8試合中2試合では2桁得点を記録しており、特に1月4日の対ケネソウ州立大学戦では10得点に9アシストと、あと一歩でダブルダブルだった。


 鈴木が4年生として所属する今シーズンのノースアラバマ大は、鈴木の他に昨シーズンの主力だったフロントラインの要であるメイシー・リーとシューターのムーアという既存戦力の核があり、加えて前述のヤヴォルスカやストラチャン、シオンらトランスファーで活躍を期待できるプレーヤーがそろっている。しかし、コロナ禍で試合日程も予定通りに進めることができなかった難しい環境の中で行われた昨シーズンに、コーチの信任を得たばかりだった鈴木が欠場したことも響いて7勝18敗(A-SUNでは6勝9敗)という不本意な成績に終わったこともあり、開幕前の予想ではカンファレンスの12チーム中9位という評価だ。


 それだけに、鈴木が戦列に復帰した新チームがこの低評価をいかに覆していくか、非常に楽しみなシーズンとなる。


 現地の評論家やメディアメンバーは、日本の人々ほど鈴木の能力を知ってはいない。2017年のウインターカップで大阪桐蔭高校を頂点に導いた粘り強い活躍ぶりを発揮できたら、本場アメリカを驚かせることになるだろう。昨シーズンの8試合と今シーズンの開幕戦は、それが十分可能なことを感じさせる。

 

 その試金石ともなりそうな試合が次に待っている。ノースアラバマ大の次戦は、APトップ25のプレシーズン全米ランキングで13位に入っているケンタッキー大学が相手だ。日本時間11月12日(金=北米時間11日[木])にアウェイのメモリアルコロシアム(ケンタッキー州レキシントン)に乗り込んで戦うこの試合は、鈴木とノースアラバマ大について、さまざまなことを教えてくれるだろう。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

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