月刊バスケットボール6月号

NBA

2022.11.01

八村 塁10得点、6リバウンド - 6試合連続2桁得点 - 好調を維持もなぜか出場時間減少の謎

 日本時間11月1日(北米時間10月31日)にワシントンD.C.のキャピタルワン・アリーナで行われたワシントン・ウィザーズ対フィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦で、八村 塁が6試合連続2桁得点となる10得点、6リバウンド2スティール、1ブロックの活躍を見せた。ウィザーズは111-118で敗れ3連敗となったが、バックアップ・フォワードとして出場した八村は、この試合でも安定したパフォーマンスを披露した。


この日の八村の得点は4本のフィールドゴールと2本のフリースローによるもの。フィールドゴールはいずれもゴールに近い位置からのフィニッシュで、フィジカルな1対1のオフェンスやトランジションで躍動する姿が光った。第3Qの最後の得点は速攻でのスラムダンク。身体的な強さや相手との駆け引きのうまさ、ゴール近辺のフィニッシュの多彩さが際立つ活躍だった。

 


八村はここまでの7試合すべてに出場して平均11.1得点、5.1リバウンド、0.9アシスト、0.3スティール、0.6ブロック、フィールドゴール成功率46.9%、3P成功率28.6%というアベレージを残している。昨シーズン飛躍的な向上を見せた3Pショットが今シーズンは好調と呼べるレベルにない点を除けば非常に安定したパフォーマンスであり、ブロックショットに関してはキャリアハイの数字となっている。


唯一、やや気になるのは八村自身の出来ではなく起用方法だ。ここまで全試合でベンチスタートの八村が、好調さと比例して出場時間を延ばしても不思議はなさそうだが、シクサーズとのこの日の試合では今シーズン最も短い17分55秒の出場にとどまった。20分未満のプレーとなっったのは今シーズン初めてだ。

 


直近4試合の出場時間は26分48秒→24分59秒→22分28秒→17分55秒と減少傾向。その間ウィザーズが勝利したのは八村が最も長くプレーした試合のみという状況だ。序盤戦はまだまだ新たなチームで様々な部分をテストしながら進んでいく側面もあるだろう。今後どのように現状の傾向が変化し、ウィザーズが調子を取り戻していくか、八村が活躍の幅を広げていくかは、時間をかけて見守る必要がありそうだ。

 

文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



PICK UP