月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2022.10.27

広島ドラゴンフライズが琉球ゴールデンキングスを破って5連勝 - B1第5節

 10月26日にエフピコアリーナふくやまで、広島ドラゴンフライズと琉球ゴールデンキングスのB1西地区上位同士の対戦が行われ、広島がホームのファンの後押しを受けながら80-73で勝利した。前々節の滋賀レイクス戦GAME1から続く連勝を5に伸ばした広島はこれで7勝2敗(勝率.778)。4チームが団子となって首位争いをする大混戦の西地区で、タイブレーカーの規定により首位に立った。

 


ジャック・クーリー対ドウェイン・エバンス。昨シーズンチームメイト同士だった二人の対決するシーンもあった(写真/©B.LEAGUE)


広島ドラゴンフライズ 80(19 13 26 22)
琉球ゴールデンキングス 73(14 17 21 21)
トップパフォーマー(P=得点、FG=フィールドゴール成功率、3P=3P成功率、R=リバウンド、A=アシスト、S=スティール、B=ブロック)
広島: ドウェイン・エバンス(23P、FG=64.3%、3P=50.0%、6R、7A、2S)、ケリー・ブラックシアー・ジュニア(22P、FG=56.3%、3P=50.0%、10R、4A、1S、2B)、寺嶋 良(13P、4R、3A、3S)、佐渡原 遼(10P、FG=75.0%3R、1S)、アイザイア・マーフィー(8P、3P=50.0%、4R、1A、2B)
琉球: ジャック・クーリー(13P、11R、1A、1B)、今村佳太(19P、FG=50.0%、3P=42.9%、2R、2A、2S)、アレン・ダーラム(17P、FG=50.0%、10R、3A、1S)、ジョシュ・ダンカン(13P、FG=60.0%、9R、2A、1S)、松脇圭志(3P、2R、3A)、岸本隆一(3P、1A、3A)

 


19得点を挙げた今村だが、勝利には届かなかった(写真/©B.LEAGUE)

 

広島のドウェイン・エバンスが古巣に恩返し


試合開始早々の広島はターンオーバーが続き、今村佳太の連続得点とコー・フリッピンの3Pショットで得点を重ねた琉球に8-2と先行を許した。しかし辻 直人、寺嶋 良、佐土原 遼の3連続フィールドゴールで追いつくと、試合開始5分過ぎにケリー・ブラックシアー・ジュニアが3Pショットを決めたところまでの13-0のランで形勢を逆転。第1Qを19-14の5点リードで終えた。


しかし第2Qに入ると流れはディフェンスを引き締めた琉球に移る。広島は今シーズン琉球から移籍してきたドウェイン・エバンスがクォーターの残り5分16秒に速攻からレイアップを沈めた時点まで4分以上得点を奪えず、その間に19-19と同点に追いつかれた。以降前半終了まで僅差の展開が続き、試合は32-31の広島リードという緊迫した状況のまま後半に突入することとなった。


ホームで是が非でも白星をつかみたい広島は、後半の出だしでエバンスがセカンドチャンスからのレイアップを沈め、さらに3Pショットを成功させて37-31とリードを広げる。広島はその後も優位を保ったまま、このクォーターを58-52とリードして終えた。最終クォーターの立ち上がりには寺嶋が速攻でのレイアップとミドルジャンパーを決め、リードを62-52と2桁に広げることができた。


琉球もフロントラインの強みを発揮。ジャック・クーリーとアレン・ダーラムが7得点ずつを奪って対抗した。しかし挽回をねらってインサイド中心のオフェンスを続ける琉球は、この日は3Pショットの決定力が伴わず、ファウルで得たフリースローも7本中4本成功のみと思うように得点につなげられなかった。逆に優位を保った広島は、残り1分を切ってからのフリースローの機会を佐土原、寺嶋、エバンスが落ち着いて8本中7本成功させ、最終的に7点差で勝利を手にした。


B1はこの日以降3週間いわゆるバイウイークとなり試合がない。その間には天皇杯3次ラウンド(10月29日[土]~31日[月])、FIBAワールドカップアジア地区予選Window5(11月12日[土]の対バーレーン戦、14日[月]のカザフスタン戦)が行われ、B1再開は11月19日(土)からとなる。


26日の第5節までで、広島と琉球に加え名古屋ダイヤモンドドルフィンズと島根スサノオマジックが同勝率でしのぎを削る西地区の混戦ぶりは、リーグ全体の中でも目を引く動向の一つだ。また、東地区で新任のジョン・パトリックHC率いる新生千葉ジェッツが、西地区上位の4チームと同じく7勝2敗でトップを走っているのも注目事項と言えるだろう。中地区ではその千葉ジェッツから大野篤史HCを迎え入れた三遠ネオフェニックスが、徐々に調子を上げて現在6勝3敗でトップに立っている。

 


☆試合後コメント
広島ドラゴンフライズ
■カイル・ミリングHC
全体的に強度の高いゲームだったと思う。私たちが目指している一貫性を持つことがここ数試合の中で一番遂行をすることができた。選手たちは全員一生懸命やってくれていた。ひとりひとりを誇りに思う。今日は勝つことができてよかった。


(写真/©B.LEAGUE)

 

■寺嶋 良
これまで個人としても5連勝はしたことがない。ただただ目の前の試合に集中していた結果、5連勝に繋がったと思う。その5連勝目が琉球ということでエバンス選手も思い入れのある試合だったと思うし、本当に勝つことができてよかった。

■ドウェイン・エバンス
古巣の琉球相手に素晴らしい大きな勝利だと思う。琉球も素晴らしい選手やコーチングスタッフがいる。今日は勝ちたいという思いで臨んだ。これからもひとつひとつ勝利を重ねていきたい。

 

琉球ゴールデンキングス
■桶谷 大HC
終始、良い流れやリズムを選手たちに作ることができず、完全にコーチの責任。広島も良いバスケットボールをしていて、反面我々が我慢できず良い判断ができなかったゲームだった。今日は自分で自分の首を締めてしまった展開。謙虚さを取り戻して、もう一度チームのバスケットボールは何かを考え、全員でキングスの目指すバスケに取り組んでいきたい。

 


(写真/©B.LEAGUE)

 

■今村佳太
負けて良い試合はないし悔しい。でも、シーズンの早い段階でのこのような敗戦を、ただの負け試合にせずに自分たちの糧にしていきたい。次のホームゲームに向けてしっかり準備して、自分たちの目指すバスケットボールを追求していく。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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