月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2022.10.23

越谷アルファーズが山形ワイヴァンズとの打ち合いに勝って6連勝 – B2東地区首位を守る

 越谷アルファーズが、10月22日に南陽市民体育館で行われた山形ワイヴァンズとのアウェイゲームに92-88で勝利。ホーム開幕戦を落とす悔しいスタートとなった後の連勝を6に伸ばし、6勝1敗でB2東地区トップの座を守った。


22日の一戦では、ポイントガードの松山 駿が3Pショット5本中3本成功を含めフィールドゴール9本中7本成功という効率よいオフェンスで、山形のハビエル・カーターと並ぶゲームハイの22得点を記録。チームのオフェンスをけん引した。

 

ゲームハイに並ぶ22得点で勝利に貢献した松山 駿(写真/©B.LEAGUE)


今シーズンの山形は3Pショットを大きな武器としているチーム。22日の試合を終えた時点で3P成功率60.9%(23本中14本成功)がB2全体1位の村上駿斗を含め、チームとして36.0%(189本中68本成功)という数字はB2全体の2位(アテンプト数は4位、成功数は2位)の好成績だ。その結果として自然と得点力も平均81.8(リーグ6位)と高い。同日時点で2位のアルティーリ千葉(5勝2敗)との2試合もGAME1で89得点、GAME2で85得点を奪って連勝している。

 


松山に並ぶゲームハイ・タイの22得点を記録したハビエル・カーター(写真/©B.LEAGUE)

 

 越谷は自身も平均得点(83.0)、3P成功率(35.2)がともにB2全体4位というオフェンス力の高さを誇るチーム。個々には長谷川智也がチームトップの3P成功率56.3%(16本中9本成功)を記録して平均5.7得点、松山も48.0%(25本中12本成功)で平均10.0得点と、ロングレンジの脅威をもたらす存在になっている。パンチ力のあるブレコット・チャップマン(平均15.3と得点)とジャスティン・ハーパー(平均15.0得点)に、相手ディフェンスを広げられる長谷川や松山の存在がからむオフェンスが機能。打撃戦を受けて立ち、山形とのアウェイで勝利できた意義は大きそうだ。

 

 それでも試合後に総括を求められた桜木ジェイアールスーパーバイジングコーチは、失点が88と多かったディフェンスに注意を向けていた。「マンツーマンのディフェンスでずれをつくられて最終的にオープンなシュートを打たれてしまった」と振り返り、「明日はディフェンスのところをアジャストして、もっといいゲームができるようにしていきたい」と10月23日のGAME2に向けた課題を明かしていた。

 


お互いにフィールドゴールもフリースローも高確率で成功させたGAME1で、差がついたのはリバウンド。越谷はアイザック・バッツとジャスティン・ハーパーの7本を筆頭に、37-24とこの項目でアドバンテージをとっていた。この項目を支配できたチームに勝機が訪れるということは想像しやすいが、桜木ジェイアールスーパーバイジングコーチの指摘どおり、ディフェンスでどれだけ山形のショットアテンプトを躊躇させられるか、その結果としてミスショットのリバウンドをいかに制することができるかという表裏一体のポイントにも注目すると面白そうだ。


越谷は前週、佐賀バルーナーズとアウェイのSAGAプラザで対戦した際、ディフェンスを持ち味とする鎌田 真がGAME1で故障するアクシデントに見舞われた。しかし鎌田抜きで戦わなければならなくなったGAME2も83-75のスコアで勝利。その試合後、桜木JRスーパーバイジングコーチは「今日は選手たちひとりひとりが勝ちにこだわっていて、ものすごくよかった」と話し、スタッフも含めたチーム一丸の姿勢が実りつつあることを語っていた。アクシデントにめげず連勝を続けられたことで、得られた自信も大きかったようだ。


「今後振り返った時に今日の試合が大きかったといえるようにしていきたいと思っています。昨シーズンまで、いいところまでいくものの接戦で負けてしまうという状況が続いていました。チームにウィニングカルチャーを作っていきたいと思っており、それは選手のメンタリティーからはじまり、そこから結果につながると思います。今日がターニングポイントになっていくのではないかと思います」


その後チーム内でプレーヤー一人に新型コロナウイルス陽性判定も発覚。山形でのGAME1には鎌田は復帰できたものの再び万全の状態ではなくなったが、それでも白星街道を前進し続けることができた。佐賀で得られた自信をさらに深めるステップとなったGAME1を経て、23日のGAME2は、B1昇格を目指す気概を確かめる機会にもなりそうだ。


三陽製作所presents 2022-23SEASON 第4節 山形ワイヴァンズvs越谷アルファーズGAME2情報

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



PICK UP