月刊バスケットボール5月号

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2021.10.18

安間志織(アイスフォーゲル)、オールラウンドな活躍実らず独ブンデスリーガ初黒星

 安間志織所属のアイスフォーゲルUSCフライブルクが、10月17日にジロライフ・パンサーズ・オスナブリュックと対戦し、今シーズン5試合目で初黒星を喫した。一時は11点差をつけてリードしながら、2度の延長戦の末86-95にぬ敗北。公式スタッツが出ていない時点での手元集計では、安間は21得点、8リバウンド、8アシスト、1スティールを記録し、フィールドゴール12本中6本成功(ウチ3Pショットは4本中2本成功)、フリースローも9本中7本成功と数字は残したが、悔しい逆転負けだった。


この試合を終えた時点でアイスフォーゲルの成績は4勝1敗。勝ち点8は女子ブンデスリーガの2位と並んでいるが、得失点差で3位となっている。


この日はアウェイでの一戦で、試合中は日本では聞かれないような鳴り物を使った、ヨーロッパらしさの感じられる応援が試合を盛り上げていた。そのアウェイの雰囲気もあってか、アイスフォーゲルは特に後半は思うように得点を奪うことができず、逆にパンサーズの方は終盤になるほどフィールドゴール成功率が上がっていった。


前半は45-38でアイスフォーゲルがリードし、第3Q終了時点でも57-49とさらにリードを1点広げていたが、パンサーズは第4Q残り約2分半に66-65と1点差まで詰め寄る。直後に安間のドライビング・レイアップなどでアイスフォーゲルが70-65と引き離しても、ホームの熱烈な声援を背に粘り強く5点差を挽回し、70-70で延長戦に持ち込んだ。


最初の延長戦に入ると、アイスフォーゲルは先手を取られ残り2分を切って70-75と逆に5点差を追いかける立場となった。その後ディフェンスの緊迫感を高め無得点に抑える一方で、残り9秒に安間からのアシストを受けたポーリン・マリー・マイヤーが3Pショットを成功させ、試合は75-75の振出しに戻り2度目の延長戦へとなだれ込んだ。


再延長に入り試合が再開された後、最初の得点は安間がピック&ロールからドリブルでペイントにアタックし、ハイポスト付近から決めたミドルジャンパー。このショットでアイスフォーゲルは77-75と2点先行したが、これが最後のリードとなってしまった。最後の約3分間は相手のオフェンスを中でも外でも止めきれず、一気に点差を広げられた。


勝負を分けた要因の一つは、最初の延長の残り1分を切ってから、フロントラインのかなめであるハンナ・リトルが5つ目のファウルを犯し退場とわなったことが挙げられる。ただし終盤の局面だけではなく、試合を通じてアイスフォーゲルはショットの精度を欠いた。第4Q半ばまではリバウンドもよく獲れており、そこから速攻で安間が好機を生み出すシーンもたびたびあったが、ショートジャンパーやレイアップを決めきることができなかった。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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