月刊バスケットボール5月号

国内

2021.10.14

天皇杯、アルティーリ千葉がベルテックス静岡を下し3次ラウンド進出

 9月に開催された第97回天皇杯2次ラウンドで、新型コロナウイルス感染症対策で中止となっていた7回戦、ベルテックス静岡対アルティーリ千葉の代替試合が、10月13日に静岡県武道館で行われ、アルティーリ千葉(以下A千葉)が85-77で勝利した。


この対戦は本来なら9月23日に行われる予定だったが、9月20日の6回戦でA千葉がJR東日本秋田 PECKERS(秋田)と対戦した後、JR東日本秋田関係者に新型コロナウイルス感染症陽性者が確認され、感染症陽性者の管轄保健所からA千葉に濃厚接触者ありとの判断がなされたために中止された。しかしその後、A千葉の不戦敗を含め協議する中で、3次ラウンド開催までに代替試合を組み込むことが日程的に可能との判断から、公益財団法人日本バスケットボール協会がベルテックス静岡(以下静岡)に代替試合実施を打診。静岡側より、「コロナ禍の出来事であり、どのチームにも同様の可能性がある中での一件。何よりファンの皆様に対して良い試合を提供するのが我々の使命でもあるので、快く了承する」 との回答を得、開催に至った。


それまでの試合は無観客開催だったが、この日は全席無料の有観客開催。試合中も場内に鳴り物を使った応援が鳴り響く、活気ある一戦となった。


試合は序盤の接戦から静岡が福田陽平の3本を筆頭に3Pショット攻勢で流れをつかみ、第1Q半ばから第2Q開始1分過ぎまでに12連続得点を記録して20-9とリードを奪った。静岡のバックコート陣の執拗なボールプレッシャーに苦しんだA千葉は、対照的に3Pショットが思うように決まらず反撃機を生かしきれない。30-27と静岡のリードが3点差まで縮まった第2Q残り13.5秒からのインバウンドプレーでも、岡田雄三と大石慎之介がフルコートプレスで秋山 煕のパスミスを誘い、スティールに成功したアレクシス・エールセネルがブザービーターとなる岡田(雄)の3Pショットをアシスト。33-27とリードを広げ、最高の形でハーフタイムを迎えることができた。


しかし後半、A千葉は辛抱強く静岡についていき、第3Q終了時点でスコアは60-59の静岡1点リード。最終クォーターは半ばまで接戦が続いたが、71-71の残り4分42秒以降、A千葉は大塚裕土が2本の3Pショットを含む8連続得点で79-71と抜け出し、以降も粘る静岡を押し切った。


勝った千葉はイバン・ラべネルが23得点、大塚16得点、レオ・ライオンズ13得点、秋山とケビン・コッツァーが10得点と、2ケタ得点が5人。ライオンズはリバウンドも13本のダブルダブルだった。一方、静岡はライアン・ステファンが23得点でトップスコアラー。ムッサ・ダマも16得点と11リバウンドのダブルダブルと奮闘し、福田は3Pショット4本すべてを成功させての12得点。チームとしても3Pショットを52.0%の成功率(25本中13本成功)で決めたが、勝負どころで大塚のクラッチぶりに屈した形だ。しかし勝敗とは別に、両チームともプレッシャーの高いディフェンスを敷き、かつターンオーバー(ともに10個ずつ)が少ない、非常に引き締まった試合だった。


勝ったA千葉は、3次ラウンドでB1のアルバルク東京と対戦する。

 

☆第97回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会2次ラウンド試合結果(10月13日分)

 

男子7回戦 ベルテックス静岡77-85アルティーリ千葉
ベルテックス静岡 77(17 16 27 17)
アルティーリ千葉 85(09 18 32 26)

 

☆天皇杯2次ラウンド勝ち上がり表

 

 

☆天皇杯3次ラウンド開催予定: 2021年10月30日(土)~11月2日(火)
※競技日程 (試合開始時間等) は後日発表


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



PICK UP