月刊バスケットボール5月号

中学(U15)

2022.10.12

NOSHIRO BASKETBALL ACADEMY U15男子、圧巻の強さで秋田県を制す – Jr.ウインターカップ出場で“バスケの街”能代の未来に光明

 10月9日・10日にナイスアリーナ(由利本荘アリーナ/秋田県由利市)で行われた2022年度 第3回秋田県U15バスケットボール選手権大会兼第3回全国U15バスケットボール選手権大会秋田県予選で、“バスケの街”として知られる能代市を拠点とするU12/U15の育成型クラブチーム、NOSHIRO BASKETBALL ACADEMY(以下NOSHIRO BA)の男子U15チームが優勝し、2023年1月4日(水)から8日(日)にかけて武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)で開催される2022年度第3回全国U15バスケットボール選手権大会(以下Jr.ウインターカップ2022-23)への出場権を獲得した。

 


NOSHIRO BASKETBALL ACADEMYの面々。優勝の賞状とともに笑顔の記念写真となった

 

 女子チームは大会初日にベスト8で敗退したが、男子は大会中の4試合のいずれもほとんど危なげない戦いぶりだった。平均得点89.3に対し平均失点は43.5で、最も僅差となったRCSクラブとの準決勝でも15点差。秋田ノーザンハピネッツU15との決勝戦は、90-46という圧倒的なスコアで勝利を手にした。

 

地元の子どもたちを育てて“バスケの街”の伝統を継承したい


秋田県能代市には、高校男子バスケットボール界で全国大会優勝58回を誇る名門、能代科学技術高校(2020年に県立能代工業高校と県立能代西高校が合併して誕生)を中心とした“バスケの街”の伝統を承継したいとの思いが行政にも住民にもある。その環境下で、「能代市バスケの街づくり推進委員会」という行政組織が、コロナ禍で大会がなくなった子どもたちにプレーする環境と活躍の場を与えたいとの思いからアカデミーを設立。その後、コロナ禍が落ち着いてくる中で市民クラブとして大塚和敬会長が株式会社NOSHIRO BASKETBALL ACADEMYを設立し、活動を引き継いで運営している。今では能代工業OBで元JR東日本秋田ペッカーズHCの柿崎智弥氏の指導を求めて、県内各地から選手が集まるようになった。


伝統校の名前が消えるという、地元にとっての“大事件”があっただけではなく、コロナ禍で部活動ができない期間が続くという状況も重なり、近年は地域の子どもたちのバスケットボールに対する関心の持ち方やかかわり方にも変化があるのが現実だ。その中でも「地域の子どもたちを、バスケットボールを通じて育成していくことで、“バスケの街”としての能代の伝統を、これまで以上に盛り上げていきたい」とNOSHIRO BA事務局兼コーチの千勝数馬さんは語る。

 


NOSHIRO BASKETBALL ACADEMYの誕生で地域の子どもたちに好影響をもたらしている(写真はBrave Hearts U15との練習試合で厳しいディフェンスに対抗するの清水祐清選手)


今回の県予選でNOSHIRO BA男子チームが見せた快進撃は、その取り組みに光明が差し込んでいることを示している。能代伝統の走るバスケ、粘るディフェンス、必勝不敗の意気込みで初出場のJr.ウインターカップに臨むNOSHIRO BA。未来への道を切り開いていく子どもたちの姿に注目だ。

 


JR能代駅で下車したら、まずはフリースローを決めて秋田杉製のコースターをお土産に。“バスケの街”ならではのしきたりを、これからも続けていけるようにというのが、NOSHIRO BASKETBALL ACADEMY設立の願いだ



PICK UP