男子日本代表

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2022/10/20

有明アリーナの想い – 豊島 英(車いすバスケットボール、元宮城MAX所属)

 昨年開催された東京2020パラリンピックで、車いすバスケットボール男子日本代表のキャプテンとしてチームを史上初の銀メダル獲得に導いた豊島 英(とよしま あきら)。昨年10月に現役を退き、今後の代表の躍進に関しては後輩たちにゆだねる形となったが、その後も活発な普及活動への参加で車いすバスケットボールシーンを盛り上げている。


 東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(以下東京U)が、ホームとする有明アリーナで10月9日・10日の両日に初めて開催したホームゲームは、両日で17,415人という非常に多くのファンが来場した。昨年の9月5日に、豊島たちがアメリカ代表を相手に決勝戦を戦ったその舞台は無観客だったため、今年とは違う雰囲気だったに違いない。

 

 約1年を経てついにこんな状況が返ってきた。豊島はそこで、GAME2が行われた10日に車いすバスケットボール教室の講師を担当し、競技の楽しさを来場者たちに伝えていた。また、ともに銀メダルを勝ち取った日本代表のチームメイト香西宏昭とともに大観衆の熱気に包まれたコートに姿を見せ、歴史的快進撃で日本を元気にしたヒーローがうけるにふさわしい万雷の拍手喝さいを浴びていた。


©Keiichi Nitta(ota office)

豊島 英
1989年2月16日生まれ。生後4ヵ月の時、髄膜炎の後遺症により両足に障害を負う。車いすバスケットボールの競技人生は長く、中学生時代に地元福島県のチームでプレーを始めた。2009年に強豪宮城MAXに加入すると、その翌年には日本代表に選ばれた。その後は持ち前のスピードを生かし、世界の舞台で活躍。2012年のロンドン大会以降はパラリンピックに3大会連続出場を果たした。昨夏開催された東京2020大会ではキャプテンとしてチームをけん引し、銀メダルを獲得した後、10月に現役生活に終止符を打った。2015年4月にWOWOWに入社して以降、2シーズンをドイツに渡ってKöln99ersの一員として過ごした経歴もある。現在は、体験会や講演活動、イベント等を通して、車いすバスケットボールの普及活動を行っている。


興味を持ってくれた人々の想いを大切にしていきたい

 

——東京Uのホーム開幕戦で、銀メダル獲得の舞台となった有明アリーナに、車いすバスケ教室でも大勢の人々が参加しました。率直な感想はどんなものでしたか?

 

 有明アリーナは、10年後も20年後もその先も、東京パラリンピックのレガシーをつないで、バスケットボールの試合会場であり続けると思います。“車いすバスケ教室”を通して、多くの人とそのスタートをきることができ、とても嬉しいです。

 


8,120人の大観衆で盛り上がっていた10日の有明アリーナで、豊島は香西とともに万雷の拍手を浴びた(写真©TOKYO UNITED BC)

 

——今、どのような目標を持って日ごろの練習や、ファンとの交流活動、競技の普及活動に臨んでいますか?

 

 東京パラリンピックで車いすバスケのファンになったり、興味関心を持った人が多いと思います。皆さんの想いを大切にしながら、活動していきたいと思っています。

 

——東京Uの開幕戦の大盛況を見ると、何かのきっかけでこれまで集客には苦戦していたB3でも急激なステップアップが起こりうることがわかります。その観点からは、どのような感想を持ちましたか?

 

 素晴らしい動員数、おめでとうございます!! バスケ好きはたくさんいて、まだまだファンを増やすことができると感じました。これからも楽しみにしています。

 

——ファンだけでなく、競技関係者・メディアなどバスケコミュニティーの人々に伝えたいメッセージがありましたら、ぜひお聞かせください。

 

 バスケットボールは、健常者が行うスポーツだけではなく、車いすバスケもあります。車いすバスケは、身体障がい者のスポーツと思われがちですが、健常者もプレーできます。また、デフバスケ(聴覚障がい者)、ツインバスケ、知的障がいバスケ等さまざまなカテゴリーがあります。バスケをとおして一人でも多くの人が笑顔になれるよう願っています。

 


バスケットボールはユニバーサルなスポーツ。この競技を通じて様々な人がつながっていけること。それが豊島の願いだ(写真/©TOKYO UNITED BC)

 

 車いすバスケットボールには、実は車いすを使わないバスケットボールにはないそれを操作する楽しさがある。また、スクリーンプレーやトランジションゲーム、正確なシュート力など、車いすを使わないバスケットボールと戦術や技術的な共通点が多い。豊島がコメントしているとおり、様々な人が入っていける要素が多いスポーツであることは間違いない。


 ボールを追いかけることでだれもが一つになり、笑顔を交わし合えるように。胸に響く豊島の言葉だった。

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)

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