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2021/10/08

渡邊雄太(トロント・ラプターズ)をニック・ナースHCが絶賛、開幕ロスター入りに明るい見通し

 トロント・ラプターズのプレシーズンゲーム初戦で10得点(フィールドゴール7本中4本成功、うち3Pショットは2本中2本成功)、7リバウンド、2アシスト、1スティール、2ブロックという数字をわずか16分間52秒の出場時間で記録した渡邊雄太について、ヘッドコーチのニック・ナースが絶賛のコメントを連発している。今回のトレーニングキャンプにおける渡邊は、まだ2021-22シーズンの立場が保証されておらず開幕ロスター入りを争う立場だが、ナースHCのコメントを聞く限り、すでに実質的には若手に模範を示す中堅のような扱いだ。

 

 これまでに、ナースHCのコメントを聞く機会は3度あったが、誰もが気にするロスター入り候補プレーヤーの話題については毎度慎重に言葉を選んでいた印象で、核となるメンバー以外の立場に言及する質問には明確な回答をしていなかった。


 しかしプレシーズンゲーム初戦の試合後会見では、渡邊が自信を持って3Pショットを打てていることを称賛するとともに、「彼は今、ローテーション入りしていると思っています(I mean I think you know he’s certainly you know in the rotation right now)」と話し、さらに故障と向き合っているクリス・ブーシェイやパスカル・シアカムの復帰が遅れた場合の代役候補に関する現地記者とのやり取りの中で、「私は彼(渡邊)を“ローテーショナル”なプレーヤーとして見ています(I‘d see him as a rotational player)」と付け加えた。理由としては、実戦でのパフォーマンスが好感触だったことと別に、これまでラプターズに所属していた渡邊については、特徴をよくわかっているからということを挙げていた。


 新たに加わった若手プレーヤーたちよりも明らかに信頼度が高いことが、この日の会見だけでも相当強く伝わってきたが、翌日の練習後会見ではその絶賛の度合いがグンと高まった。ナースHCの会見は約18分間だったが、その締めくくりの約2分間は、「彼は皆の中で一番早いプレーをしています(He’s playing faster, the fastest of all)」という言葉に始まり、以下のとおり渡邊の絶賛で満たされた。


「とても本能的なプレーヤーですね。どんなかというと、裏を突くカットからレイアップに持っていくのが誰かと言えばユウタなんです。昨夜も信じられないようなカットをしていました。誰かがボールをポストに入れたと思ったら、その瞬間に彼はすでにカットしていてゴールの間近にいるんですから。あの知識を周りのプレーヤーにも教えてくれたらありがたいとも思うんですよ。カットするテクニックをですね。力強くカットして、トランジションでも走って味方がドライブできるように道を開けるんです。空いているところに抜けていって味方がコーナーからショットを狙えるようにするようなことを本能的にやってのけるんです。力がみなぎっているし、全速力でないときがないですから。カットするときはいつでも時速100マイル。外に戻っていくときも時速100マイル、リバウンドに飛びかかるときも時速100マイルです。本当に力強く走り、いくらでも走り続けられます」


“I think he’s such an instinctive player like that. Again, what is he like? Who is always getting the back cut lay up? Yuta is. He really like.., he cut last night unbelievable like…, as soon as somebody barely let it go into the post, he had already made his cut and he was up above right there at the rim. I kind of wish he could pass that knowledge on to some other guys. His cutting game. He really cuts hard, opens up a lot of…, he runs hard in the transition, opens up driving lanes he slot-cuts out, opens up shots in the corner for people just with his instinctual cutting. He just got tremendous energy. And he just only knows one speed to play at like when he cuts, he cuts 100 mph. When he cuts back out, he cuts at 100 mph. When he crashes the glass, it’s 100 mph. I mean he really runs hard and doing it for an extended time.”

 

写真をクリックすると、ラプターズ公式サイトで公開されているナースHCのインタビュー映像が見られます(本稿で紹介しているのは映像の終盤、16分15秒過ぎあたりから最後までの部分です)

 

 この会見の翌日ラプターズは、日本時間10月8日朝(北米東部時間7日夜)にフィラデルフィアで行われるシクサーズとのプレシーズンゲーム第2戦を、渡邊が左ふくらはぎの張り(left calf strain)を理由に欠場すると発表した。シアカム(左肩手術からのリハビリ中)、ブーシェイ(左手中指脱臼)、ケム・バーチ(安全衛生プロトコル対象)とともに、遠征自体に参加を見合わせているという。


 故障ばかりは何とも言えないが、筋肉の張りということなら、夏場の疲れもたまっているだろうことを思えば心配するような大きな故障ではないと推察する。逆に前向きに、無理を押して出場する必要がないほど渡邊の力量が明確にわかっているので、コーチ陣としては他のプレーヤーをチェックする機会にしたいと考えたのではないだろうか…と捉えて次の機会を待った方が、見守る立場としては精神衛生上も良いだろう。

 

 実際、日本時間8日朝のプレシーズンゲーム第2戦試合前会見でも、シアカム、ブーシェイ、バーチに渡邊を加えた離脱中の4人を指して、ナースHCは「特にユウタの仕上がりを見れば、いずれもローテーショナル・プレーヤー(probably all rotational players, especially with the way Yuta has been playing)」と話している。

 

 渡邊の故障はスクリメージ・アクション(実践的な練習)の中での出来事とのことで、当初の見通しよりも状態は良いとのこと。ナースHCは「ユウタは開幕までには間に合ってくれると思います(hopefully he'll be ready for the opener, opening night)」とも話しており、長引くようなことさえなければ、逆に開幕ロスターに渡邊の名前がない方が驚きと言えるような見通しになってきた。

 

日本時間10月8日朝の試合前会見でのナースHC。「ユウタは開幕までには間に合ってくれると思う」と話した


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

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