月刊バスケットボール5月号

NBA

2021.10.05

渡邊雄太(トロント・ラプターズ)、16分間出場で10得点、トロントでのプレシーズンデビューを勝利で飾る

 開幕まで約2週間となったNBA2021-22シーズンは、日本時間10月5(北米東部時間4日夜)からプレシーズンゲームが始まった。この日は渡邊雄太が所属するトロント・ラプターズが、ホームのスコシアバンク・アリーナにフィラデルフィア・セブンティシクサーズを迎える対戦が組まれており、渡邊がラプターズの一員として初めて、ホームタウンのトロントでユニフォーム姿を披露する機会となった。渡邊は初戦から2ケタ得点を記録する活躍で、ラプターズの123-107のプレシーズン初戦勝利に貢献している。


10-16の第1Q残り4分49秒にコートに登場した渡邊は、ブロックショット、リバウンドとディフェンス面で早々に数字を残し、攻めては豪快なスラムダンクに3Pショット成功と、ラプターズの反撃に大きく貢献。チームは第1Q終了までに26-25とリードを奪う。


第2Qに入ってもラプターズの勢いは止まらず、残り5分39秒に渡邊がベンチに戻るまでに55-35と点差は20に広がっていた。この時点までで渡邊は、11分10秒の出場で7得点、4リバウンド、1アシスト、2ブロックで±が+26。フィールドゴールは3Pショット1本を含む3本すべてが成功という完璧な仕事ぶりだった。


第1Q半ばから終盤にかけての時間帯に渡邊を投入するのは、昨シーズンからのニック・ナースHCのパターン。その形の中で渡邊は、ディフェンスから始まるスパークでラプターズを力強くけん引し、オフ期間の成長を感じさせた。渡邊がベンチに下がった後、ラプターズが前半終了までに67-54と7点挽回されたことからも、その存在感が大きくなっていることが感じられた。


試合は後半、奮起したラプターズのスターター陣が第3Q開始から約3分間に21-4のランを展開し、88-58と点差を30点まで伸ばした。渡邊の再登場は第4Q。スターターとしてコートに立つと、早々にディフェンス・リバウンドをつかみ、返しのオフェンスではショットはミスしたもののオフェンス・リバウンドをまたしてもつかみとアグレッシブさを出し続けた。クォーター1分半過ぎには3Pショットを沈めて得点を2ケタに乗せる。


最終的には、第4Q残り6分18秒にベンチを下がるまでに16分52秒の出場で10得点(フィールドゴール4/7、3Pショット2/2)、7リバウンド(うちオフェンス・リバウンド2本)、2アシスト、2ブロック、1スティール、±が+17という成績。仕上がりの良さと同時に、3シーズンぶりのチャンピオンシップを目指すチームでローテーション入りできる能力の高さを、いま一度強く印象づける活躍だった。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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