月刊バスケットボール6月号

FIBA女子アジアカップ2021、日本代表準決勝の相手はオーストラリア代表に決定

得点をねらうサミ・ウィットコム(写真/©fiba.asiacup2021)


FIBA女子アジアカップ2021は9月30日に準決勝進出決定戦と7-8位決定戦が行われ、今大会の4強入りをすでに決めている日本代表が準決勝で対戦する相手がオーストラリア代表に決定した。日本代表は前日までにインド代表、ニュージーランド代表、韓国代表に3連勝し、グループA1位が確定済み。この日は試合がなかった。

 

 オーストラリア代表はこの日、準決勝進出をかけてニュージーランド代表と対戦し、72-61で勝利した。WNBAのニューヨーク・リバティーで活躍する178cmのガード、サミ・ウィットコムが前半だけで20得点、試合を通じては29得点に7リバウンド、6アシストの活躍でチームをけん引。また、身長195cmのパワーフォワード、ローレン・マリー・シャーフが13得点と6リバウンド、同188cmのパワーフォワード、ダーシー・ガービンも10得点に4リバウンドで続き、フィジカルな戦いを制した。

 

 試合後、オーストラリア代表のポール・ゴリスHCは、直近4-5ヵ月間に実戦を戦う機会がなかったプレーヤーを多く含む今大会のチームが、ウィットコムのリーダーシップの下で、4日間で4試合目となるこの日の試合を良く戦い勝利したことを称賛した。また、ウィットコムのパフォーマンスについて、「今大会に限らずサミの試合に向かう準備の入念さは素晴らしい」と話し、「身体的な面だけではなく心に関しても、次の対戦に集中できていていて、全身全霊のプレーを出し切ってくれています」と絶賛した。「何しろWNBAシーズンを終えたばかりで飛んできて、4日間で4試合連続の活躍ですから、誇らしいばかりです」

 

 決勝戦進出をかけて対戦する日本代表の印象について聞くと、ゴリスHCは「まずはこの後、じっくりと日本代表のプレーを見てみないといけません。それができていないので」とのこと。難敵であることはもちろん承知しているが、次のように話し、チャレンジに意欲を見せた。「東京2020オリンピックのチームとほぼ同じスタイルだと思っています。素早いトランジションゲームができ、ファイブアウトでボールがよく回り、プレーヤーたちがよく動く。超難しい試合になると思っていますが、同時にものすごく楽しみです」

 

 同じ質問をゴリスHCとともに登壇したウィットコムに投げかけると、「ペースが速い、アップテンポなスタイルだと思うので、ボールを丁寧に扱ってしっかりプレーする必要がありますね」というのが第一声。日本代表のディフェンスの強度に、ターンオーバーを連発しないよう警戒しているようだ。「今日の試合でバックドア・プレーで何度かやられていたので、ディフェンス面ではよりち密に対応しなければいけません」とも話していた。


オーストラリア代表は前日中国代表に82-64で敗れ、グループBを2勝1敗の2位で終えていた。


なお、もう1試合の準決勝進出決定戦では、グループAで日本代表に次ぐ2勝1敗で2位だった韓国代表が、チャイニーズタイペイ代表(グループB3位)を80-74で下した。韓国代表は準決勝でグループBの試合を3連勝の1位で終えた中国代表と対戦する。ニュージーランド代表とチャイニーズタイペイ代表は、同日5-6位決定戦を戦う。

 

 大会は明日が休養日。10月2日(土)に準決勝2試合と5-6位決定戦が、翌3日(日)の最終日に決勝戦と3位決定戦が行われる予定だ。

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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