月刊バスケットボール5月号

女子日本代表グループラウンド突破に暗雲 - FIBA女子ワールドカップ2022でカナダに完敗

 FIBA女子ワールドカップ2022で金メダル獲得を目指す日本代表の前途に暗雲が垂れ込める状況となった。グループBの第3日目となる9月25日、カナダと対戦した日本は第1Q半ばから相手のディフェンスに苦しみ、最終的に56-70の黒星。26日の戦況によってはグループラウンド最終日を待たず決勝トーナメント進出を逃すことが決まる可能性に直面している。

 


日本で唯一2桁得点(11得点)の高田真希(写真/©FIBA.WWC2022)

 

日本 56(12 13 14 17)
カナダ 70(20 21 20 09)
日本のトップパフォーマー
高田真希(デンソーアイリス) 11得点、3リバウンド、3スティール、1ブロック
オコエ桃仁香(富士通レッドウェーブ) 9得点、3P成功率60.0%(5本中3本成功)、3リバウンド、1アシスト
宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ) 4得点、3リバウンド、5アシスト
安間志織(Umana Reyer Venezia) 2リバウンド、5アシスト、1スティール
赤穂ひまわり(デンソーアイリス) 5得点、6リバウンド

 

 日本の得点がFIBA公式大会で60得点に到達しなかったのは、恩塚 亨HC体制になってから初めてのことだ。カナダのディフェンスに連係を断たれた日本は、本来武器とするべき3Pショットも成功率17.1%(35本中6本)と大不振。アテンプト数はセルビア戦から13本増やせたが、成功数と成功率は伴わなかった。ターンオーバーも、試合を通じて14本と極端に多くはなかったものの、第1Qだけで6つ犯したことで序盤のディフェンスの奮闘を優位な展開に結びつけることができなかった。

 

 波に乗れずに迎えた第2Qには、逆に勢いづくカナダに終盤0-13のランを食らって25-41と16点のビハインドで後半に突入。以降も流れをつかめないまま試合終了の瞬間を迎えた。


カナダはセルビア、フランス、そして日本と3チームから白星を重ね、グループBから決勝トーナメント進出一番乗り。一方1勝2敗となった日本は、26日(月)の戦況が大きな意味を持ってくる。最悪のシナリオは以下の3つの条件がこの日にすべて起こってしまうことだ。

 

1. 第2試合でセルビアがマリに勝利: セルビアは2勝2敗となり、4敗のマリはこの時点でグループラウンド敗退が確定(セルビアの運命はこの時点では決まらない)

2. 第4試合で日本がフランスに敗北: 3勝1敗となるフランスは決勝トーナメント進出確定(1勝3敗となる日本の運命は最終戦の結果による)

3. 第6試合でオーストラリアがカナダに勝利: 3勝1敗となるオーストラリアの決勝トーナメント進出と、日本のグループラウンド敗退が確定(この場合も翌27日にセルビアがフランスに敗れて日本がオーストラリアに勝利すると、セルビアと日本が2勝3敗で並ぶが、直接対決結果からタイブレーカーをセルビアが持っている[23日に日本はセルビアに64-69で敗北])

 

 日本が厳しい状況に立たされたのは間違いないが、要は勝てばよいのであり、運命を自らの手で決めることができる。フランスは昨年の東京2020オリンピックで日本が2度倒した相手で、ベオグラードでの予選でも決して良い戦い方ができていなかった。FIBA世界ランキング6位。今大会では初日に同3位の開催国オーストラリアを破り、続くマリとの一戦にも勝利したものの、カナダとの試合では45得点しか奪えずに敗れている。FIBA世界ランキング8位の日本にとって格上の相手ではあるが、「世界一のアジリティー」と本来の3Pシューテイングを発揮してひるまず勝利を手にしたいところだ。

 


赤穂ひまわりとブリジット・カールトン(FIBA.WWC2022)


☆9月25日の試合結果(すべてグループB)
マリ(3敗)59-74フランス(2勝1敗)
オーストラリア(2勝1敗)69-54セルビア(1勝2敗)
日本(1勝2敗)56-70カナダ(3勝)


☆日本の試合結果と今後の日程
グループラウンド
9月22日(木)日本89-56マリ
9月23日(金)セルビア69-64日本
9月25日(日)日本56-70カナダ
9月26日(月)15:00 vsフランス
9月27日(火)19:30 vsオーストラリア

決勝トーナメント ※グループBで4位以内に入った場合
9月29日(木)準々決勝
9月30日(金)準決勝
10月1日(土)3位決定戦、決勝戦


☆放送・配信
BS/CS:NHK BS1フジテレビNEXT
ネット:DAZN

 

(月刊バスケットボール)



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