月刊バスケットボール5月号

女子日本代表、セルビアに苦杯 - FIBA女子ワールドカップ2022第2日

 オーストラリアのシドニーで開催中のFIBA女子ワールドカップ2022が9月23日に大会第2日を迎えた。初日にマリを33点差で下して好スタートを切った日本は、カナダ相手に黒星スタートとなったセルビアと対戦。スタートから先行を許すと、第1Qを相手の10連続得点で終える厳しい展開を強いられた。34-38と4点差に追い上げて迎えた後半も、第3Q開始早々に0-7のランを食らい34-45と突き放されてしまう。最終的にはこの流れでのビハインドを取り返しきれず、64-69で痛い黒星を喫した。

 


日本に勝利して抱き合うセルビアのプレーヤーたち(写真/©FIBA.WWC2022)

 

セルビア 69(24 14 16 15)
日本 64(09 25 12 18)
日本のトップパフォーマー
高田真希(デンソーアイリス) 15得点、フィールドゴール成功率71.4%、3P成功率50.0%(2本中1本成功)、2リバウンド
宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ) 11得点、フィールドゴール成功率50.0%、1リバウンド、6アシスト、1スティール
赤穂ひまわり(デンソーアイリス) 10得点、7リバウンド、1アシスト、1ブロック
東藤なな子(トヨタ紡織サンシャインラビッツ) 6得点、フィールドゴール成功率50.0%、2リバウンド、1アシスト、2スティール

 


宮崎のスピードを生かしたドライブ。この日は敗れたが、次戦以降の奮起に期待だ(写真/©FIBA.WWC2022)

 


日本は、前日快調に決めていた3Pショットがこの日は不発で、成功数が5本にとどまったことが大きな敗因の一つ。アテンプト自体を22本に封じられたのはやや心配な兆候だ(前日は37本)。平下愛佳(トヨタ自動車アンテロープス)が4本中2本を成功させタッチの良さを維持していたのは、その中でも救いと言える部分。しかしオフェンスでは、個々のプレーヤーがペイントアタックしてからの合わせの連携がつながらない場面がたびたび見られ、前半だけでターンオーバーが10に達する(試合を通じては16)など、特に前半は本来の力を発揮できなかった。


ディフェンスでは強烈なボールプレッシャーで相手のミスを誘う場面もたびたびあったが、髙田が試合後に開口一番指摘したのが「ローテーションミスでゴール下でやられてしまった」ということ。「そういったところを徹底できなかった」とキャプテンが振り返ったとおり、特に前半はポイントガードのイボンヌ・アンダーソンや、サイズと器用さを併せ持つティナ・クライシュニックらのプレーメイクからペイントでボールをつながれ得点を許した。加えて要所での3Pショットで一気に点差を広げられるという、本来ならば日本がやりたい形をやられてしまった。


それでも大会はまだ2日目で、1勝1敗の日本は金メダルを目指す戦いの中で慌てる必要はまったくない。髙田は「前半ダブルスコアで負けていたところから盛り返せたのは自信につながる」と試合後の会見で話しており、恩塚 亨HCも「ここで1本というショットの確率の差や、ルーズボールを獲り切れなかったことで流れをつかみきれなかった」と悔やみつつも、「第1Qのダメージから髙田キャプテンを中心に良い声を掛け合って、戦い抜くんだという機運を持ってプレーしてくれたことを大事にしたい」と前を向いている。

 

 今大会に出場しているチームはどこも強敵なのであり、日本を含めどのチームにもメダルを争う力があることは最初からわかっている。日本は24日が休養日となっているので、心身のコンディションを整えなおして25日(日)のカナダとの一戦に臨むことが重要だ。

 


プレーヤーたちのオフェンスにやや迷いを感じたという恩塚HC。「思い切りプレーできるように、支えられるように役割を果たしたい」と次戦以降に向ける意欲は高い(FIBA.WWC2022)

 


(月刊バスケットボール)



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