月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2021.09.16

宇都直輝(富山グラウジーズ)が燃えている

 宇都直輝(富山グラウジーズ)が燃えている。


専修大学からアーリーエントリーで、2014年にNBL時代のトヨタ自動車アルバルク入り。Bリーグ創設シーズンだった2016-17シーズンからは、富山グラウジーズに所属している。身長191cmのビッグガードで、2017年には日本代表にも選出され、FIBAワールドカップ2019アジア地区予選でも活躍した。今年で30歳になる。

 


シューズに関するこだわりを聞くと、「僕は白ですね。(機能面では)特にこだわりはありません」とシンプルな回答を返してくれた


アンダーアーマー チャリティーオークション開始初日の8月29日、オンラインライブトークショーを終えた後のメディア対応で、宇都は来るべき2021-22シーズンに向けた抱負を語った。「チーム状況はまだまだこれからです。若手がいなくなってベテランが増えたので、しっかり最後まで戦えれば面白いチームになるんじゃないかというのがあります」


富山の今オフにおけるプレーヤーの出入りは宇都が話してくれたとおりで、若手、しかも主力としてチームをけん引したプレーヤーがチームを去り、豊富な実績を持つ年長のタレントが複数加わっている。「激動」と形容してよいものだと思う。


2019-20シーズンの新人王で、昨シーズンはチームで唯一レギュラーシーズン全60試合にスターターで出場し、10得点近いアベレージを残したシューターの前田 悟(24歳)が川崎ブレイブサンダースに移籍。決定力のあるポイントガードの岡田侑大(23歳)も、信州ブレイブウォリアーズで新たなキャリアをスタートさせる決断をした。


逆に新加入の顔ぶれは、スモールフォワードでインサイドもアウトサイドもうまくこなす小野龍猛(33歳)、シューターの松井啓十郎(36歳)、フィジカルなプレーが魅力の晴山ケビン(28歳)、そして2016年のNBAドラフトで1巡目25位指名を受けてロサンゼルス・クリッパーズ入りした208cmの元NBAプレーヤー、ブライス・ジョンソン(27歳、パワーフォワード)の4人。決定力を維持しながら、これまで以上にフロントラインの厚みを感じさせるラインナップだ。「僕自身、個人的にはすごく思い切って挑めますね。すごく楽しみだなと思っています」と宇都は初のリーグ制覇に向けた意欲を語った。


しかし、念願の初優勝よりも先に、やりたいことがあるという。「もちろん優勝が目標ではあるんですが、琉球ゴールデンキングスの地区優勝を止めるというのも、目標にしています。もう4年連続でしたか? もちろん全チームに勝ちたいですが、それを止めたいです」


B1西地区は、2016-17シーズンの初代優勝チームがシーホース三河。翌2017-18シーズン以降は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響により途中で打ち切られた2019-20シーズンを含め、4年連続で琉球が連覇している。富山は2018-19シーズンまでは3地区制の中地区、昨シーズンは東地区に所属していたが、2021-22シーズンは西地区に加わる。リーグ優勝を目指す道のりにおいて、琉球は最大のロードブロックなのだ。


宇都はさらに「個人的にはジュリアン(マブンガ)にアシストで負けていられないなというのがありますね。チームメイトですけど、これは張り合っていきたいと思います」と続けた。


マブンガは昨シーズン富山に移籍してきた身長203cmのオールラウンダーで、平均7.4アシストが堂々のリーグトップだった。対して宇都は平均3.8アシスト。2016-17、2017-18シーズンと2年連続でアシスト王に輝いたプレーメーカーのプライドが、この現実を許さないのだろう。

 

 間接的ではあるが、アシスト王への返り咲きを期す力強いメッセージ。物静かな口調とは裏腹に、宇都の視線には力がこもっていた。

 

 

☆アンダーアーマー チャリティーオークション ライブトークショーは下の画像クリックで閲覧可能

参加: 辻 直人(広島ドラゴンフライズ)、岸本隆一(琉球ゴールデンキングス)、シェーファーアヴィ幸樹(シーホース三河)、宇都直輝(富山グラウジーズ)

MC: 今井麻椰

 

 

☆宇都直輝も出品中のアンダーアーマーチャリティーオークションサイト:

https://auction.hattrick.world/top/226

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



PICK UP