女子日本代表

女子日本代表

2021/08/03

準々決勝を前に女子日本代表が世界2位に浮上 - FIBAパワーランキング

ナイジェリア代表を破り笑顔の女子日本代表。ここまでのパフォーマンスはホーバスHCの金メダル構想に沿う内容だ(写真/©fiba.basketball)

 

 FIBAが8月3日に発表した東京オリンピックの5人制女子バスケットボールにおけるパワーランキングで、日本代表がアメリカ代表に次ぐ2位に浮上した。


 このパワーランキングは、東京オリンピック開幕前の7月13日に第1弾が発表され、今回は7月23日の第2弾に続く3回目。今回のランキングとこれまでの推移は以下のとおりだ。

 

☆FIBAオリンピック女子バスケットボールパワーランキング ※8月3日発表

 

1位 アメリカ(←1←1)
2位 日本(←8←8)
3位 中国(←3←4)
4位 スペイン(←7←7)
5位 フランス(←4←2)
6位 ベルギー(←6←5)
7位 セルビア(←2)
8位 オーストラリア(←5←3)
9位 カナダ(←9)
10位 韓国(←11←12)
11位 ナイジェリア(←10←10)
12位 プエルトリコ(←12←11)
※チーム名右のカッコ内の矢印と数字は、左から右に向かって2回目、1回目の順位

 

 明らかに日本代表に対する評価は、大会が始まってから急上昇した。ランキングの寸評を投稿した著者のポール・ニールセンは「私の思い入れが判断に影響しているかもしれないって? そうかもしれません(My heart ruling my head? Possibly.)」と素直な気持ちを言葉に乗せている。しかしその思い入れに共感を覚える人は多いに違いない。


 平均身長(176cm)が今大会の12チーム中最も低い日本代表は、FIBAランキング上位国のフランス代表(5位、日本代表は10位)を倒し、同ランキング1位のアメリカ代表に対しても健闘と呼べる戦いをしてグループ2位で準々決勝に進出した。平均81.7得点は12チーム中3位。3P成功率38.5%は堂々トップの成績だ。


 個々のパフォーマンスでは、3試合で平均12.3アシストを記録し、グループラウンドを終えてこの部門トップに立つ町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)のパフォーマンスが一つの象徴にちがいない。今大会で2番目に小柄な162cmのプレーメイカーは、3試合のアシスト記録が11本、11本、15本という、アメリカ代表のスー・バード(WNBAシアトル・ストーム)やNBAのラッセル・ウエストブルック(ロサンゼルス・レイカーズ)も真っ青な数字。対ナイジェリア代表戦の15本は、オリンピックにおける1試合のアシスト本数で歴代最多タイという好記録だ。

 

町田は3試合を通じて高いレベルで安定したパフォーマンスを見せた(写真/©fiba.basketball)


 また3Pシューティングに関しては、少なくともここまでは他チームと一線を画す圧巻の成果といえる。2位のアメリカ代表(37.7%)との差は0.8ポイントとわずかなのだが、大いに違うのはアテンプト数と成功数。アメリカ代表が61本中23本成功なのに対し、日本代表は104本のアテンプトで40本。得点に換算すると51点の差となるのだ。試しに3Pショットが不振だったアメリカ代表との試合(38本中10本のみ成功)を除く2試合のみで計算すると、66本中30本成功の45.5%に跳ね上がる。これは金メダルを狙って当然の数値と思える。

 

林は今大会で3P成功率50.0%、平均15.7得点と好調だ(写真/©fiba.basketball)


 グループ最終戦ではナイジェリア代表に対し、チーム全体で39本中19本成功という3Pショットの雨を降らせた。11本中7本を決め23得点の林 咲希(ENEOSサンフラワーズ)、8本中5本成功で19得点の宮澤夕貴(富士通レッドウェーブ)の二人で19本中12本成功。驚愕のシューティングは、世界の人々にゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーとクレイ・トンプソンを見ているかのような驚きと喜びをもたらしたに違いない。

 

宮澤は対ナイジェリア代表戦で3連続を含む5本の3Pショットを決めた(写真/©fiba.basketball)

 

 さらにこれらオフェンス面での好材料が、ポストアップした長身プレーヤーへの厳しいダブルチームとバックコート陣の激しいボール・プレッシャーをフィーチャーした、12人の総力で戦うチームディフェンスという土台に乗っている。その指標となる相手のターンオーバー数は平均17.0本(日本代表自体は13.3本)。これらのデータが示すシステマティックな攻守の展開が、前述のニールセン氏をはじめとした海外の記者たちに「beautiful team basketball」という言葉を言わしめている。

 

 大会前に何度かチームを取材させてもらった中で、ホーバス トムHCは金メダル獲得を目標とすることを何度も明言している。そのためには3Pショットを40%程度決め、80得点とり、相手のターンオーバーを15-17本くらいにし、自分たちは10本程度に抑えたいという指標も明かしてくれていた。これらを“ホーバス・ジャパン”の金メダル獲得のカギだとすれば、ここまで読んでくれた方ならばお気づきのとおり、日本代表はホーバスHCの構想通りの“金メダルパフォーマンス”を披露していると言える。

 女子バスケットボールの決勝トーナメントは8月4日(水)から。日本代表は準々決勝でベルギー代表と対戦することになった。世界ランキング6位。大会前のエキジビションで勝った相手だ。スコアは84-76だった。

 

 日本代表が勝った場合は4位以上が確定する。これは1976年に始まったオリンピックにおける女子バスケットボール史上、日本代表として最高の成績だ。チームにとっては、自分たちのバスケットボールを最高の舞台で楽しみ、歴史を変える機会となる。我々はその姿を目に焼き付ける機会に恵まれた。

 

ナイジェリア代表のアトニイェ・ニンギファー(左)に対する三好南穂(トヨタ自動車アンテロープス=中)とオコエ桃仁花(富士通レッドウェーブ=右)の厳しいディフェンス。これを40分間続ける一方で、爆発的なオフェンスを展開するのが日本代表の勝ちパターンだ(写真/©fiba.basketball)

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

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