女子日本代表

女子日本代表

2021/07/28

5人制バスケ女子日本代表、対フランス代表戦勝利の12人ハイライト

フランス代表の司令塔ドゥシェイに厳しくプレッシャーをかける町田と高田(写真/©fiba.basketball)

 

 先行され追う展開になった前半から、後半は8連続得点で主導権を握り、終盤の我慢比べを乗り切って74-70の勝利! FIBA世界ランキング5位のフランス代表を倒した女子日本代表12人のハイライトをまとめてみた。

 

☆総評

 

 どのチームに比べても相対的に小柄な日本代表にとっては、どの試合でも高さに対するディフェンスと、コートを広く使うオフェンスがカギとなる。

 

 フランス代表は平均身長185cmで日本代表より9cm大きい相手。スターターの5人(日本: 長岡萌映子、高田真希、三好南穂、町田瑠唯、赤穂ひまわり/フランス代表: サラ・ミシェル、ギャビン・ウィリアムズ、アリク・ドゥシェイ、エンディ・ミーイェム、サンドリン・グルダ)では、フランス代表の182cmに対して日本代表は177cmと差が5cmに減っていたが、それはすなわちフランス代表ベンチから出てくるプレーヤーたちがより大きいということを意味していた。

 

 インサイドの得点源は193cmあるセンターのグルダだが、197cmのエレナ・シァク、191cmのアレクシア・シャトーも大きな脅威。ペリメーター・プレーヤーでは、WNBAのロサンゼルス・スパークスに所属しているギャビー・ウィリアムズやスタートで司令塔を務めたドゥシェイのほか、マリーン・ジョハネス、マリーン・ファトゥークスらが攻守で小気味良いプレーを展開する。

 

 日本代表はこの相手に対してリバウンドで34-35とほぼ互角。セカンドチャンスでの得点も9-8と上回った。また、ベンチスコアリングで35-16と大きく差をつけた。まさしく12人の力を合わせて手にした勝利と言える。

 

☆チームディフェンス

 

 グルダをはじめとしたインサイドのプレーヤーがペイントでボールを持った際のヘルプディフェンスが効果的だった。この試合で両チーム最長の出場時間(36分34秒)の高田を中心に、相手がポストアップすること自体をフィジカルな戦いにした上、ボールを入れられたら周囲のプレーヤーが寄っていき、フランス代表の長身プレーヤーのスペースを奪った。

 

 オフェンス・リバウンドでは、獲られた後でボールを下ろしたところで弾き、囲み、楽なプットバックをさせなかった。ペリメーター・ディフェンスでも、協力してしかけるトラップが非常に有効。しかもどのメンバーが出てもプレッシャーが落ちなかった。


☆チームオフェンス

 

 前述のベンチスコアリングと同じかそれ以上に大きな差となったのは3Pシューティング。日本代表が11本を40.7%の確率で決めたのに対し、フランス代表は19本中4本のみの21.1%。特に第2Q以降は、フランス代表のディフェンスがアウトサイドを意識する中で日本代表のドライブも効果を挙げるという好循環も生み出した。また、逆にドライブが決まることで3Pショットもいっそう狙いやすい流れになった。

 

 リバウンドが互角だったことで、日本代表は速攻での得点でも12-8と優位。要注意事項を一つ上げるとすればターンオーバー。チームとして16-14と相手を上回る数字になってしまった。

 

12人の総合力で日本代表は幸先の良い白星を手にすることができた(写真/©fiba.basketball)


☆女子日本代表12人ハイライト
※背番号、氏名に続くプロフィールはポジション、身長(cm)/体重(kg) 所属(出身校、出身地)


#0長岡 萌映子
PF 183/75 トヨタ自動車アンテロープス(札幌山の手高校/北海道)
キースタッツ: 11P, FG3/4, 3P2/3, 3A, 1S

 

©fiba.basketball

 

 34-36から始まった第3Q、後半最初の得点となるフリースローに続いてスティールからのレイアップ、オフェンス・リバウンドからのプットバックで得たフリースロー、さらにゴール下のショットでファウルを誘ってのフリースローで5連続得点を挙げ39-36のリードをもたらした。第4Q5分20秒には自ら3Pショットを決め、さらに次のオフェンスで林 咲希の一撃をおぜん立て。終盤残り30秒、決勝ゴールとなった72点目の3Pショットも長岡だった。


#8 髙田真希
C 185/74 デンソーアイリス(桜花学園高校/愛知県)
キースタッツ: 10P, FG3/7, 3P1/1, FT3/3, 6R

 

©fiba.basketball

 

 相手の長身プレーヤーに簡単にプレーさせないという最大の責任を果たした。また、第3Q終盤に相手のフレグラントファウルで得たフリースロー2本を成功させ、第4Q残り8分28秒には、3Pショット攻勢の口火を切る一撃(初アテンプト)。オフェンスでも要所の好プレーが光った。残り1分15秒には、ドライビング・レイアップでフリースローも決める3Pプレー。大黒柱として頼りがいのあるプレーぶりだった。


#12 三好南穂
SG 167/57 トヨタ自動車アンテロープス(桜花学園高校/千葉県)
キースタッツ: 3P, FG1/4, 3P1/3, 1R

 

©fiba.basketball


 25-29の第2Q残り5分11秒、やや手詰まりとなったオフェンスのポゼッションで、町田のパスを受け左ウイングから思い切りよくディープスリーを放ち、みごと成功させた。このショットに続いて町田が決めたワイドオープンの逆転レイアップは、三好の存在で相手ディフェンスの意識がさらに外に向かった影響もあっただろう。コート上で脅威になっていた。


#13 町田瑠唯
PG 162/57 富士通レッドウェーブ(札幌山の手高校/北海道)
キース立つ: 7P, FG3/3, 3P1/1, 3R, 11A, 1S

©fiba.basketball


 相手の厳しいペリメーター・ディフェンスに対し、我慢強く対抗して全ショットアテンプト成功に11アシスト。相手がキックアウトを警戒する中、ワイドオープンでレイアップを決めるシーンが2度あったが、それだけうまくオフェンスを組み立てた証しでもあるだろう。アグレッシブに攻める中でターンオーバーが6つあった点は反省点としなければならないが、さらに大きなアメリカ代表との対戦前に、良い体験ができたというものだ。


#15 本橋菜子
PG 165/57 東京羽田ヴィッキーズ(早稲田大学/埼玉県)
キースタッツ: 3P, 1R

©fiba.basketball


 追い上げる流れの第2Q開始早々、13-18から思い切り良い3Pショットが成功。その約1分後にはフルコートプレスで相手PGのドゥシェイに厳しくあたり、東藤との連係でターンオーバーを奪うなど、攻守にはつらつとしたプレーぶりだった。第3Q終盤に、相手に右ヒザにのしかかられ過伸展のような形になりベンチに戻ったが、落ち着いた様子ではあった。


#20 東藤なな子
SG 174/65 トヨタ紡織サンシャインラビッツ(札幌山の手高校/北海道)
キースタッツ: 5P, FG1/1, FT3/4, 1S

©fiba.basketball


 21-27で追う立場の第2Q残り6分44秒、町田のハンドオフを受けてドライビング・レイアップでオリンピック初得点。さらに次のオフェンスではジョハネスとの1対1でドライブをしかけ、フリースローをもらってさらに2得点し、追い上げに大きく貢献した。ペリメーター・ディフェンスでのプレッシャーも非常に効果的。ルーズボールでのハッスルぶりも目を引いた。

 

#27 林 咲希
SG 173/67 ENEOSサンフラワーズ(白鷗大学/福岡県)
キースタッツ: 12P, FG3/6, 3P3/5, FT3/4, 1S

©fiba.basketball


 赤穂が決めた日本代表の初得点をアシスト。続いて自身最初の3Pショットを成功させ、序盤のオフェンスをけん引した。第4Q中盤には58-59から3Pショットを2本連続で成功させ、行ったり来たりの流れを日本代表にたぐり寄せる。残り2秒にはとどめのフリースローをしっかり2本成功させた、勝利を動かぬものとした。

 

#30 馬瓜エブリン
PF 181/79 トヨタ自動車アンテロープス(桜花学園高校/愛知県)
キースタッツ: 8P, FG3/8, 3P1/2,1R

©fiba.basketball


 第1Q、9-17と引き離されたこの試合最大のピンチで、ポストでボールを受けてみごとなドロップステップからのスピンムーブでレイアップを決めた。第2Qには19-18とリードを奪い返す3Pショット。第3Q残り3分45秒には、相手の得点源の一人であるウィリアムズのドライブに立ちはだかりファウルを誘うなど、攻守で良い流れを作り出すゲームチェンジャーの役割を果たしていた。

 

#32 宮崎早織
PG 167/54 ENEOSサンフラワーズ(聖カタリナ女子高校/埼玉県)
キースタッツ: 4P, 2R, 2A

©fiba.basketball


 フランス代表にペースを持っていかれそうな流れだった7-13の第1Q2分43秒、グルダとのミスマッチを突いてドライブをしかけ、フリースローで加点。第4Q終盤には、64-66からシァクとのミスマッチを突くドライブで同点弾を決めたほか、相手のオフェンスが外を意識する中、ペイントアタックから林、長岡の一撃をアシストした。

 

#52 宮澤夕貴
SF 183/72 富士通レッドウェーブ(神奈川県立金沢総合高校/神奈川県)
キースタッツ: 3P, 3R, 2A, 1S

©fiba.basketball


 第2Q終盤に三好のディープスリー、町田のレイアップに続き、オフボールで赤穂とのコンビプレーから3Pショットを決めた。続くディフェンスではゴール下でグルダと格闘する高田に好ヘルプし、スティールも記録。攻守で迷わず体を動かし貢献した。得意の3Pシューティングは今後に期待だ。

 

#88 赤穂ひまわり
SF 185/72 デンソーアイリス(昭和学院高校/石川県)
キースタッツ: 8P, FG3/9, FT2/2, 9R, 2S

©fiba.basketball


 どの時間帯も存在感が大きかったが、中でも日本代表がリードを広げる流れだった第3Q半ばに、林のフリースローにつながるリバウンドから速攻の起点となり、自身もドライビング・レイアップ2本での4得点。ヘルプディフェンスの出足も速く、相手のガードにもフロントラインにも、次を考える時間を与えなかった。


#99 オコエ 桃仁花
PF 182/88 富士通レッドウェーブ(明星学園高校/東京都)
キースタッツ: 2R

©fiba.basketball


 最初の3つのクォーターの終盤コートに立ち、ハイライトになるようなシーンはなかったが、シァクら長身プレーヤーとマッチアップしてリバウンドを競い2本を記録。思い切り良く3Pショットも打てていた。出場時間がチームで一番短い4分21秒だったが、アメリカ代表戦ではカギを握るプレーヤーになるかもしれない。

 

©fiba.basketball


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

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