月刊バスケットボール5月号

八村塁インタビュー – 1勝1勝積み重ねてメダルを目指す

 NBAワシントン・ウィザーズの主力として活躍する八村 塁が、7月16日(金)に行われる『日本生命カップ2021』で男子日本代表の合流初戦を迎える。

 

 NBAドラフト1巡目9位指名。ライジングスター・チャレンジ出場と2年連続選出。レギュラーシーズンのアベレージで2ケタ得点を2シーズン連続して記録。NBAプレーオフ出場。「日本人初」というよりも、すべてがこれまでの規格を大きく越えている。夢の世界に飛んで行った若きサムライが、今度は日本のバスケットボール界全体を夢の世界に連れていこうとしている。

 

 公益財団法人日本バスケットボール協会による代表インタビューで、八村は東京オリンピックに向けた思いを語った。

 

 日本のバスケットボールファンと関係者には、一つあらためて理解しなければいけないことがあると感じる。これからの日本代表は、男子も女子もメダルを語るのだ。

 

(写真/©JBA)

 

――2年間で成長できたこと
あのときの僕はまだドラフトされたばかりで、大学生を終えようというときの代表戦だったんですけど、あれから僕もNBAで2年間プレーしてきました。ワールドカップではチームとしても個人としてもすごく悔しい結果となってしまったのですが、2年間で体も強くなり、シュート力も上がったなと思いますし、メンタルの部分でも、大きい舞台で戦えるような準備できるようになりました。オリンピックが間近となり、すごく楽しみにしています。

 

――オリンピックに向けた意気込み
小さい頃から、NBAに行くという夢と同じくらいの思いでオリンピックを目指してきました。本来なら昨年開催されるはずだったのがコロナ禍で遅れている中、こうしてバスケをできることに僕は感謝しています。オリンピックという大きな舞台に出られることを誇りに思いますし、僕も自分のプレーを生かして、チームがまず1勝できるように、それを目標にして1勝、1勝とやっていって、メダルを目指せたらいいなと思います。

 

――ここまでの調整経過
シーズンが終わってから少し時間があったんですが、体を休めた後はトレーニングに向けてフィジカルを中心に取り組んできて、体の使い方もこの短い時間にも成長したんじゃないかなと思います。今回の代表戦(日本生命カップ2021とSoftBankカップ2021)でもそうですし、オリンピックでも見せられるよう重視してやってきました。

 

――2年ぶりの代表戦に向けた思い
すごく楽しみですね。子どもの頃、U16の頃からずっとやってきて、今こうやってトップレベルに参加でき、オリンピックという誰もが立ちたい舞台で代表としてやれることを誇りに思います。自分の持ち味を出しながら楽しめたらいいなと思います。

 

――故郷、富山県のファンに向けたメッセージ
富山にも2年ほど帰っていません。でも、いつも富山のことを思っていますし、バスケットボールが盛んになってきているという話も聞いて、僕の影響も出せているんじゃないかなとうれしい思いです。バスケだけじゃなく、他のスポーツでも盛り上げていけたらいいなと思います。

 

――全国のファンへのメッセージ
コロナ禍の中で東京オリンピックが開催されるということになり、複雑な気持ちもあるのですが、代表として出られることは楽しみですし、誇りに思います。無観客にはなりましたが、全国で皆さんも注目してくれていると思うので、僕らも「日本一丸」でまず1勝を目指し、日本の強さを発揮してメダルを獲れたらと思います。

 

 

アイキャッチ画像/©JBA

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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