バスケ男子日本代表、ベルギーの残り2.6秒決勝弾で黒星

#9 ベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)

3R, 4A

©JBA


39-44と5点差を追う第3Q残り5分で投入され、52-52の同点でこのクォーターを終えるまでにアシスト3本。出てきて早々、最終的に渡邊のアクロバティックなリバースレイアップにつながるエドワーズへの好展開をおぜん立てした。第3Q終盤には、この試合の日本代表唯一のオフェンスリバウンドを拾い、直後にタッチパスで渡邉飛勇のダンクをアシスト。ディフェンスでも相手と腕一本程度の距離で貼り付き苦しめるシーンが度々あった。


#12 渡邊雄太(トロント・ラプターズ)

16P, FG 6/13, FT4/6, 4R, 2A, 4S

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25分55秒の出場で足を痙攣させ離脱。前試合後明かしたスタミナの懸念が、現実となってしまった。
ただしコート上の存在感は計り知れない。せめてはドライブに対してコンタクトを受けても負けずフィニッシュまで持ち込み得点を重ねた。体を張ったディフェンスでは、ゴール周辺で相手の得点機を何度となくつぶした。攻守両面でトランジションの速さ、運動量の多さが群を抜く。3Pショットが1本ほしかった点以外は、NBAのパフォーマンスそのままだ。


#14 金丸晃輔(島根スサノオマジック)

3P, 1R

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3Pショットのアテンプトが4本、成功も1本に終わった点で、シューターとしては物足りない印象かもしれない。しかしチームにおけるオフェンスのバランスをみれば、金丸の仕事は3-4本中2-3本決めるようなイメージだろう(もちろんそれらが早い時間帯で決まればそのままガンガン打っていく機会が来るだろう)。あと1本決まっていれば50%であり、言ってみればその1本だけの違いだ。50%の確率自体は金丸にとって、プレッシャーが最高レベルに上がっても可能と思う。


#23 エドワーズ ギャビン (千葉ジェッツ)

16P, FG5/9, 5R, 1A

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 リバウンドでモンスターといえるような数字を残さなかった点以外は全面的に良いパフォーマンスだった。ポストアップもペリメーターからのドライブも良い形を生み出した。富樫らバックコートとのピック&ロールに加え渡邊との連係も良くなってきている印象だ。

 

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#23 田中大貴(アルバルク東京)

9P, FG3/8, FT3/3, 2R, 3A

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3Pショットが1本でも決まっていたら、全体的な印象は違っていたかもしれない。プレーメイカーとしては、16点差から9点差に追い上げて迎えた第3Q開始7秒のパスミスは猛省材料。しかし、ベンドラメのアシストを受け、このクォーターをブザービーターの同点レイアップで締めくくったのも田中。どちらも良い経験だ。


#32 シェーファー アヴィ幸樹(シーホース三河)

5P, FG2/4, 3P1/3, 8R, 3A, 1S

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 8リバウンドでペイントでの存在感を示したと同時に、3Pショット1本を含む5得点。しかし最も評価できるのはチーム最長の31分22秒プレーし、フルコートではつらつとした動きを見せたことではないかと思う。つかみきれなかったオフェンスリバウンドやルーズボールをつかんでいたら…。しかし攻守でそれだけボールにからんでいた。

 

#34 渡邉飛勇(琉球ゴールデンキングス)

2P, FG1/1, 1R

©JBA

 

 出場時間が1分30秒と短かった中、一往復のポゼッションでディフェンス・リバウンド、ベンドラメのオフェンス・リバウンドにつながるティップ、そのボールを得たベンドラメからのパスを受け50-50の同点に追いすがる豪快なダンクとひととおりの仕事をやってみせた。あらたなホームとなる沖縄のファンにもうれしい見せ場となったはずだ。


#88 張本天傑(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)

1P, 3R, 1B

©JBA


1得点に終わったが、その得点を生んだプレーは果敢なドライブで得たフリースロー。第4Qに相手の肘を顔面に食らい退場したために、出場時間が20分9秒にとどまった。終盤にプレーできていれば、さらに貢献を期待できただろう。直後は左目の横に腫れと出血があったという。

 

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☆試合後のコメント

 

フリオ・ラマスHC

――試合を振り返って
今日のベルギー代表は勝利に値するプレーぶりで、常に優位を保たれ、リバウンドも奪われてしまいました。第1Qの大量リードで余裕を持たせてしまい、中盤追い上げましたが最後に勝てるチャンスが来たときに勝ちきれませんでした。

 

――試合への入り方が悪かった理由
(こちらが悪いというよりは)彼らはヨーロッパのチームで、前提として強い相手です。ですから、こちらにはコントロールできない要素もありました。確かに入り方が悪かった点とリバウンドは敗因でした。


エドワーズ ギャビン


――試合を振り返って
全体としては良いプレーができたと思いますが、序盤の劣勢が大きすぎました。それを背負って中盤は対抗できただけに、最初からそれができていれば勝てたという思いです。

 

――オフェンスリバウンドが取れなかった理由
確かに獲れませんでした。オフェンス・リバウンドは集中力が大事で、運だけで獲れるものではありません。本番ではより大きく強い相手になりますから、チームとして改善したいです。
これは皆で取り掛からないといけません。最初にボールに触れた人だけの問題ではなく、一度のジャンプで終わってもいけません。弾かれたボールを拾ええるように周囲が集中して適切なスポットにいるようなことが必要です。いわゆる「トライアングル・リバウンディング」の考えなども思い出して、良いポジション取りをしてとりにいかないと。これはラマスHCにも言われていることです。


比江島 慎


――試合を振り返って
出だしを相手のペースで持っていかれて、自分としてもターンオーバーで入ってしまい反省点も多いです。でもチームで我慢してこちらのリズムに持ってこられたのは、良かったと思います。
本番でこういう展開で入ってしまうと追いつけません。今日の試合を糧に修正していきたいです。

 

――相手のプレッシャーにターンオーバーを誘われた点について
普段通るパスが、相手の腕が長く、しかもアクティブに動かしていたところにつかまってしまいました。ピックを使う際、相手がブリッツ気味に来たときには自分だけでは解決できないときがあるので、2人目・3人目の、周りで受ける意識も必要になってくるし、自分ももう少しキープ力をつけてあわてずにパスコースを見つける必要があると思います。


取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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