月刊バスケットボール6月号

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2022.07.01

町田瑠唯(WNBAミスティクス)、オールスターファン投票数6,632は「素直にうれしい、でもまだまだ」

 町田瑠唯が所属するWNBAのワシントン・イスティクスが、日本時間7月1日未明(北米時間6月30日午後)に練習後会見を行い、町田がメディアとの質疑に応じた。町田が会見に登壇するのは日本時間6月3日以来約1ヵ月ぶり。その間に、やや迷いを感じながらプレーしていたことも報じられていたが、5日間に3都市で3試合をこなした西海岸遠征を終えた後、ホームに戻ってのアトランタ・ドリーム戦で5得点、5アシストを記録して勝利に貢献した翌日。いつもと同じ朗らかな笑顔で記者からの質問に答えていた。

 


練習後会見での町田瑠唯(右は専属通訳の武井 樹氏)


遠征期間中に発表されたWNBAオールスターのファン投票結果では、得票のあったプレーヤー155人中の50位にあたる6,632票を獲得。この結果について町田は「オールスターの投票の数を見て、すごくありがたいと感じています。素直にうれしかったです」と話し、日米のファンの関心度や応援の思いの大きさに謝意を示した。ただしパフォーマンスとしてオールスターレベルに到達していないという感覚があるのが現実で、「でもやっぱり自分の中で、WNBAでプレーしいていてオールスターに出られる選手ではないなというのは個人的に感じています。すごくうれしいんですけど、まだまだだなというのは思っています」と、感想を話してくれた。


町田はこの日までにミスティクスが戦った22試合すべてに出場し、平均2.1得点、1.4リバウンド、2.8アシストのアベレージ。ミスティクスで自分らしいパフォーマンスの発揮にフォーカスしている中、数字にはこだわっていないという。「数字どうこうよりも、違うところでの貢献度も大事にしているので、まずはそこをしっかりやらないといけないなというのを思っています」とのことで、その一つの例として相手のリズムを崩すディフェンスなどでチームの力になろうとしていることも話した。

 


ただし気にするべき数字として挙げたのはターンオーバーだ。「いらないターンオーバー、抑えられるターンオーバーもたくさんあると思うので、そこをもっと大事にしていかなければいけないなとも思います」


町田のターンオーバーは平均1.0で、プレーメイクの堅実さを示す一つの指標とされるアシストとの対比(A/TO)は2.03という数字だ。これはガード(リーグ公式サイトのスタッツページでは88人)の中で26位。また、ベンチプレーヤーとしてプレーした際のA/TO1.85という数字はガード58人中17位にあたる。決して悪くはない数値だが、昨シーズンWリーグで平均8.1アシスト、2.45ターンオーバーという記録で、A/TOは3.31とより高い数値だった。かつ、平均得点も10.6得点を記録していたことを思えば、数字にこだわりがないとしても感覚的に「もっとできる」、「まだまだ」という思いも当然のことだろう。


西海岸遠征から帰還後、6月最後の試合でパフォーマンスを上げることができた後、7月の初戦は日本時間4日(月=北米時間3日[日])のコネティカット・サン(13勝7敗、勝率.650、リーグ3位)とのアウェイゲームから始まる。ミスティクス(13勝9敗、勝率.591、リーグ5位)を1ゲームリードする上位チームとのこの対戦を皮切りに、日本時間11日(月=北米時間10日[日])のオールスターゲームをはさんでチームは再び4試合遠征続きとなる。それらを含め、レギュラーシーズンは残すところ14試合。プレーオフに向け後半戦から終盤戦に差し掛かっていく。


取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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