月刊バスケットボール5月号

U16女子日本代表、オーストラリアとの決勝再戦へ – FIBA U16女子アジア選手権2022

 FIBA U16女子アジア選手権2022ディビジョンAは、6月29日に準決勝2試合が行われ、初戦でオーストラリアが韓国を98-81で、続く第2試合で日本がニュージーランドを87-58でそれぞれ破り、決勝進出を決めた。

 


今大会決勝進出を果たしたU16女子日本代表(写真/©FIBA.U16Asia)

 

ニュージーランドを2度目の対戦でも寄せつけず

 

☆FIBA U16女子アジア選手権2022ディビジョンA準決勝、日本代表試合結果
日本 87(24 22 24 17)
ニュージーランド 58(15 18 10 15)
日本トップパフォーマー
上野心音(聖和学園高校3年) 14得点、フィールドゴール成功率50.0%、3P成功率50.0%(6本中3本成功)、3リバウンド、3スティール
深津唯生(桜花学園高校1年) 11得点、フィールドゴール成功率50.0%、14リバウンド、3アシスト、2ブロック
八木悠香(京都精華学園高校2年) 10得点、フィールドゴール成功率66.7%、1リバウンド、2アシスト、1スティール
田中こころ(桜花学園高校2年) 10得点、1リバウンド、1アシスト
榎本麻那(岐阜女子高校2年) 10得点、3P成功率40.0%(5本中2本成功)、1リバウンド、1アシスト、1スティール
黒川心音(桜花学園高校2年) 9得点、4リバウンド、11アシスト、2スティール

 


準決勝でゲームハイの14得点を挙げた上野心音(写真/©FIBA.U16Asia)


ニュージーランドを相手に戦った準決勝での日本は、両チームが確率良くフィールドゴールを決める中、ディフェンスと素早いトランジション、 そしてリバウンドで優位に立ち序盤から少しずつリードを広げていった。第1Q残り3分を切ったところで、ディフェンスリバウンドをつかんだ黒川からのタッチダウンパスを受けた福王伶奈がレイアップを決め点差は21-11と2桁に。ニュージーランドのファウルがかさむ中、フリースローでの得点もボディーブローのようにダメージを与えた。


日本も積極的なパスが思うように通らない場面が何度かあり、前半はターンオーバーが多く決して楽とは言えない展開だった。しかしディフェンス面のアグレッシブさがニュージーランドの勢いを削ぎ、前半を終えて46-13と13点差にリードを広げることができた。

 


準決勝では福王伶奈も良く走り、躍動していた(写真/©FIBA.U16Asia)


今大会の勝ちパターンとなっている後半の粘りはこの試合でも健在で、ディフェンスのプレッシャーは途切れることがなかった。フィールドゴール成功率は最終的には37.6%と高くなかったものの、リバウンドで56-31と圧倒し、セカンドチャンスでの得点で18-0と完勝したことがこの日最大の勝因と言えそうだ。


オーストラリアと日本の決勝戦は日本時間6月30日17時15分から行われる予定だ。両チームは今大会の第3日に対戦しており、この時はオーストラリアが73-65で勝利している。オーストラリアにはアイラ・ジュファーマンズ(Isla Juffermans)という絶対的な柱となる存在がいる。身長193cmのセンターで、韓国との準決勝では大会新記録となる37得点に15リバウンドの大活躍だった。今大会での5試合のアベレージは平均20.8得点、12.0リバウンド、1.8アシスト、1.0ブロック。日本との試合では16得点、11リバウンドと“おとなし目”なダブルダブルだった。

 


韓国との準決勝でフィジカルなプレーを見せるアイラ・ジュファーマンズ(写真/©FIBA.U16Asia)


ジュファーマンズをはじめとしたオーストラリアのサイズとフィジカリティーに、どのように対抗するかが日本にとっての大きな課題となるのは間違いない。また、ジュファーマンズだけではなくチームディフェンスの再度の引き締めも必須事項。準決勝で対戦したニュージーランドは、最初の対戦で日本に対し37のターンオーバーを犯したが、それが2度目の対戦では25に減少していた。その結果、点差は38点差から29点差へと減少したが、これはプレッシャーに対する慣れや対応の成果と見ることができるだろう。オーストラリアは日本との最初の対戦で30ターンオーバーを犯しているが、2度目はどうか。


一方で、オーストラリアは準決勝で韓国の高確率な3Pショットに第4Q序盤までは互角の展開を強いられた(30本中12本成功の成功率40.0%)。日本がこれまで以上のインテンシティーレベルのアグレッシブなディフェンスと執拗なルーズボールやリバウンドでの奮闘に加え、準決勝の韓国と同等のロングレンジゲームを展開できるとすれば、前回7点差で敗れた借りを返すチャンスも生まれてきそうだ。


☆日本とオーストラリアの今大会における比較
日本

基本情報: FIBAガールズランキング7位 平均身長175cm(ガード5人=168.2cm、フロントライン6人=180.2cm)
グループラウンド: 3勝1敗(2位)、平均得失点=90.5-53.0(+36.5)
準決勝までのスタッツ(5試合)
シューティング: フィールドゴール成功率=41.5%/3P成功率=27.2%/フリースロー成功率=67.5%
その他:平均リバウンド数=50.0、平均アシスト数=26.2、平均ターンオーバー数=自チーム17.0/相手チーム34.0

 

オーストラリア

基本情報: FIBAガールズランキング2位 平均身長185cm(ガード5人=177.6cm、フロントライン7人=189.6cm)
グループラウンド成績 4勝(1位)、平均得失点=87.5-58.8(+28.7)
準決勝までのスタッツ(5試合)
シューティング: フィールドゴール成功率=50.4%/3P成功率=37.7%/フリースロー成功率=68.4%
その他: 平均リバウンド数=59.4、平均アシスト数=26.6、平均ターンオーバー数=自チーム24.6/相手チーム20.8

 

(月刊バスケットボール)



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