月刊バスケットボール6月号

U16女子日本代表、超大型オーストラリアに惜敗- FIBA U16女子アジア選手権2022第3日

 ヨルダンのアンマンで開催されているFIBA U16女子アジア選手権大会2022ディビジョンAは6月26日に大会第3日目を迎え、U16女子日本代表が今大会でFIBA世界ガールズランキング最上位(世界2位)かつサイズ的に最も大型チームであるオーストラリア代表と対戦した。日本は序盤の大量失点が響き65-73の8点差で敗れたが、最大25点差からの力強い反撃で第4Q残り1分を切って5点差に詰め寄る大健闘だった。

 


13得点はチームハイ、9リバウンドも山田英真と並ぶチームハイ・タイだった深津唯生(写真/©FIBA.U16Asia)


☆FIBA U16女子アジア選手権2022ディビジョンA第3日、日本代表試合結果
日本 65(09 13 18 25)
オーストラリア 73(24 17 12 20)
日本トップパフォーマー
深津唯生(桜花学園高校1年) 13得点、9リバウンド、2スティール、1ブロック
八木悠香(京都精華学園高校2年) 10得点、4リバウンド、1アシスト、1スティール
田中こころ(桜花学園高校2年) 8得点、2リバウンド、1アシスト、4スティール
黒川心音(桜花学園高校2年) 7得点、2リバウンド、4アシスト
山田英真(桜花学園高校2年) 6得点、9リバウンド、1アシスト、2スティール
東 紅花(福岡大学付属若葉高校2年) 3得点、3リバウンド、4スティール

 


八木悠香もはつらつとしたプレーで10得点を記録した(写真/©FIBA.U16Asia)

 


平均身長が185.8cmのスターター5人で試合に臨んだオーストラリアに対し、日本は序盤簡単にペイントでの得点を許すなど、開始から4分間で0-17と先行された。初得点は黒川のミドルジャンパーが決まった第1Q残り5分25秒で、その時点までは一方的に攻められる展開だった。


しかし圧倒されたのはこの時間帯だけだった。黒川の得点以降徐々に本来の力を見せ始めた日本は、第1Q終了までは9-7と互角以上の攻防に持ち込む。その後もまとわりつくようなプレッシャー・ディフェンスと深津や山田を中心としたリバウンド、ルーズボールでの奮闘から少しずつ流れをつかんでいった。高さに慣れてきた後半にはペイントでの決定力も向上し、第3Q・第4Qだけを見れば43-32と2桁点差でリードしていた。


敗因を分析すれば、試合への入り方だったり、相手の高さに慌てた結果のようなターンオーバーもいくつかあったり、3P成功率が30本中5本成功の16.7%と本来期待すべき数字ではなかったり、ペイントでのフィニッシュ力だったりといくつもあるだろう。しかし勝敗以上にこの段階でオーストラリアと対戦でき、しかも内容のある展開を体験できたことには大きな意義がありそうだ。


日本は40分間諦めず、勝ち気を感じさせる戦いを続けた。また、理由は未確認だが、最長身のセンター福王伶奈(193cm、桜花学園高校2年)がこの試合では出場していない(ボックススコアではDNP – Coach decision[コーチの判断により不出場]となっている)。それでもフロントラインはしぶとく互角に近い戦いを見せたのだ。この大会での王座を目指すという視点でプレッシャーがかかったのは、序盤の大量リードにあまり意味がないことを感じ取っただろうオーストラリアの方かもしれない。


この試合に敗れて日本は通算成績が2勝1敗。1試合少ないオーストラリアが2勝0敗で勝率としては上だが、勝ち点では暫定的にまだ日本がグループ首位の状況だ。日本は27日(月)に、今大会でオーストラリアに次いで平均身長が高いニュージーランドとグループAの最終戦を戦うが、この試合に勝利するか、同日その一戦に続いて行われるオーストラリア対インド戦でインドが敗れるかのいずれかで、計算上は今大会の4位以内が確定する。その時点でFIBA U17女子ワールドカップ2022への出場権が手に入ることになる。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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