月刊バスケットボール5月号

NBA

2022.06.11

2022NBAファイナル第4戦、カリーの43得点でウォリアーズが激戦を制しシリーズをタイに戻す

 マサチューセッツ州ボストンのTDガーデンで行われた2022NBAファイナル第4戦、ボストン・セルティックス対ゴールデンステイト・ウォリアーズの一戦は、最終クォーターにも双方がリードを奪い合う大激戦の末ウォリアーズが107-97で勝利し、シリーズを2勝2敗のタイに戻した。


☆NBAファイナル第4戦試合結果
セルティックス 97(28 26 24 19)
ウォリアーズ 107(27 22 30 28)
※シリーズ成績は2勝2敗のタイ


ウォリアーズはこの試合で、シリーズ4試合目にして初めて第4Qにセルティックスを上回ったことが大きな勝因だった。その主役は得点源のステフィン・カリー。セルティックスのチームカラーであるグリーンに染まった会場で、終盤の時間帯は“シェフ・カリー”がセルティックスのディフェンスを料理するショーと化した。

 


カリーの独壇場が始まったのは、95-94のウォリアーズ1点リードで迎えた残り3分49秒のドライビング・レイアップから。このプレーは、今シーズンの最優秀ディフェンシブ・プレーヤーに輝いたマーカス・スマートとのマッチアップを破り、さらに前の試合で豪快なブロックショットを浴びたロバート・ウィリアムズ三世を抜いての華麗なフィニッシュだった。


このプレーに続きカリーは3Pショットとフリースロー(6本中5本成功)でウォリアーズの12得点中10得点を一人で決めてみせた。最終的に43得点、10リバウンド、4アシストのモンスターゲーム。厳しいディフェンスをかわして一瞬のスキを突くショットや、プレッシャーがかかる状況での正確なフリースローなど、スーパースターと呼ぶにふさわしい大活躍だった。

 

 敗れたセルティックスも持ち味のディフェンス力をほとんどの時間帯で発揮できていた。第3戦に続きジェイソン・テイタム(23得点、11リバウンド、6アシスト)、ジェイレン・ブラウン(21得点、6リバウンド、2アシスト)、マーカス・スマート(18得点、4リバウンド、5アシスト、4スティール)の3人がバランスの良い活躍を見せており、第5戦以降も高い意欲を持って試合に臨んでくるに違いない。

 

 

 しかしこの日はカリーを中心としたウォリアーズのパフォーマンスをほめるべきだろう。大爆発のカリーだけではなく、クレイ・トンプソンも終盤の貴重な3Pショットを含む18得点。ほかにもアンドリュー・ウィギンズが17得点と16リバウンドで厳しい時間帯をしぶとくつなぎ、ジョーダン・プールも14得点で続いた。また、得点こそ少なかったがドレイモンド・グリーン、ケボン・ルーニー、ネマニャ・ビエリツァらの攻守両面でのアグレッシブなプレーも大きな助けとなっていた。 

 

 両チームとも秀逸な個人技を生かすチームプレーを次々と展開し、最高峰の頂点を極めるチームを決するNBAファイナルにふさわしいシリーズとなっている。第5戦は日本時間6月14日(北米時間13日)。この試合でも激戦が期待できそうだ。



(月刊バスケットボール)



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