月刊バスケットボール5月号

女子日本代表、オーストラリア代表との強化試合初戦は黒星

 オーストラリアに遠征中の女子日本代表は5月27日に同国代表との3試合のフレンドリー・シリーズの初戦を戦い、66-72で敗れた。

 

☆オーストラリア代表vs日本代表フレンドリーシリーズ第1戦試合結果
オーストラリア 72(24 21 11 16)
日本 66(18 21 22 05)
日本代表の得点内訳 ※手元集計の記録
東藤ななこ(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)27
髙田真希(デンソーアイリス)15
野口さくら(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)8
宮澤夕貴(富士通レッドウェーブ)8
安間志織(アイスフォーゲルUSCフライブルク4
宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)2
平下愛佳(トヨタ自動車アンテロープス)2


日本代表は宮崎のドライビング・レイアップで先制し、序盤はリードを奪ったが、第1Q終了時点では18-24と劣勢に立たされていた。第2Qには一時25-36と2ケタ点差のリードを許す苦しい展開。しかし安間のフリースロー2本成功を皮切りに東藤のドライビング・レイアップとフリースロー、さらには野口がペイントでうまいターンアラウンド・ジャンパーを沈めて7-0のランで32-36まで詰め寄る。その後は点の取り合いとなり、前半は39-45の6点差を追う状況で折り返した。

 


第3Qに入ると、日本はフルコートプレスとハーフコートでのスウィッチング・ディフェンスが効果を挙げ、オーストラリアにミスを連発させた。日本はそれに乗じて、このクォーターだけで10得点を奪った東藤を中心に20-6のランを展開し、一気に59-51と形勢を逆転する。しかしそれ以降、オフェンスの威力を継続することができず、徐々にオーストラリアに追い上げられてしまう。第4Qには残り1分に東藤がトップ右から3Pショットを決めるまでフィールドゴールが9分間決まらず、厳しいディフェンスでオーストラリアを苦しめたにもかかわらず再び逆転を許す結果となった。


日本代表はチーム全体として3Pショットの確率が上がらず、バックコートとフロントラインの連係でもまだ東京2020オリンピック時のような安定感はなかった。敗因の一つには、赤穂ひまわりが序盤からファウルトラブルに陥り、第4Q残り7分の時点で無得点で退場となったことも挙げられる。


しかし、きめ細かくベンチプレーヤーがコートに出てくるアイスホッケーのような起用法の中で、ディフェンスの激しさと遂行力は試合を通してハイレベルなまま変わらなかった。また、第4Qにはリバウンドに関して堅実なボックスアウトで長身の相手の前でボールを奪うシーンがたびたびあり、新チームとして決して悪い内容ではなかった。個々のプレーヤーでも、東藤がリム周辺でのフィニッシュ、ロングレンジとも脅威となる働きぶりだったことに加え、ドイツで1シーズン活躍した安間が良い動きを見せたこと、初のA代表選出の野口が攻守に積極的だったことなど好材料は多い。


日本代表はこの後、29(日)と31(火)にオーストラリア代表と対戦する機会がある。良い経験を重ねながらレベルアップする機会だ。



(月刊バスケットボール)



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