月刊バスケットボール5月号

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2022.05.21

町田瑠唯、コミュニケーションとケミストリーも「良い感じ!(It’s been good!)」と指揮官が太鼓判

 町田瑠唯とワシントン・ミスティクスは日本時間5月21日(北米時間20日)にアトランタ・ドリームとのアウェイゲームに臨む。その試合前会見で、マイク・ティボーGM兼HCが町田のここまでについて語った。


町田は開幕からの5試合すべてに出場し、平均5.0得点、2.4リバウンド、3.2アシストのアベレージ。4勝1敗と好調なミスティクスで力になっている。渡米前の懸念事項として言葉の壁や文化の違いに対する適応があったが、ティボーGM兼HCは町田とチームメイトたちのコミュニケーションについての質問に対し、「良い感じですよ!(It’s been good!)」と明るい声で答えていた。

 

アトランタ・ドリームとの試合前に行われた会見でのマイク・ティボーGM兼HC

 


日常生活では通訳の助けが機能し、バスケットボール用語に関しては町田自身の習得がはかどっているようだ。「ウチのプレーを英語でどう表現するか、どんなことを意味しているかわかっています。彼女から私に、こんなことで困っていると言ったような話は一度もありません。私から、何か困っていることで手伝えることがないかと尋ねたことはあるんですよ」とティボーGM兼HCは続けた。「ここまで彼女はよくやっています。楽しそうだしチームメイトとジョークをかわしたりもしていますよ。素晴らしいケミストリーです」


この日の試合は日本でもRAKUTEN NBAの配信があるからと伝えて、相手のポイントガード陣とのマッチアップについても聞いてみた。ドリームのスターティングガードを務めるエリカ・ウィーラーは、身長170cmで今シーズン平均9.6得点、3.4アシストのアベレージ。もう一人、控えで出てくるエアリ・マクドナルドも9.6得点に2.2アシストを記録しており、両者で毎試合ほぼ20得点、6アシストを稼いでいることになる。町田にとってはやりがいのあるチャレンジを提供するコンビだ。


しかしティボーGM兼HCは、町田の力についてすでに自信を持っている様子だ。「彼女は優れたボールハンドラーに対してかなりうまくディフェンスができているので、相手の2人のガードにプレッシャーをかけることが重要になります。彼女たちをディスラプトして(崩して)もらいたいですね。ほかのポイントガードと同じく、チームメイトの助けを借りてピック&ロールの状況をしのいでほしいです」というのがディフェンス面のカギ。自身のフットワーク、ハンドワークで苦しめるとともに、コミュニケーションが高まってきているチームメイトとの連係をうまく使うことがカギだ。


オフェンスでは彼女がこれまでやれてきている得意なことを遂行することだとティボーGM兼HCは話した。「素早い攻め上がりでテンポを高めてオープンの味方を見つけて、自分が空いたらショットを狙って…。特にスリーですね」。町田は3Pショットに関して42.9%とハイレベルな数字を残してきているが、チームとしてはさらに積極的なアプローチを望んでいるようだ。「彼女はこのレベルでできることを証明しています。スリーも決められているし、こちらに来てからフットワークの良さとシューティングは非常に良いですよ。精度も上がってきています」


町田に対する期待感は試合を経るたびに高まっていることが感じられる。この会見でティボーGM兼HCが話している攻守のポイントも、単にウィーラーとマクドナルドに対する対策という以上に、今後の成長に向けての要素のように捉えられる内容だった。


ミスティクスはこの試合の後、昨シーズンのチャンピオン、シカゴ・スカイとの一戦をはさんで再びドリームと対戦する予定だ。スカイには現在アシストランキング1位のコートニー・バンダースルートという非常に勝負強く有能なプレーメイカーがいる。この3試合は町田にとって良い勉強の材料を提供するだろう。

 


取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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