月刊バスケットボール5月号

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2022.05.13

町田瑠唯(ミスティクス) - 表現豊かなチームメイトに囲まれて「バスケをシンプルに楽しめるようにやっていきたいと思います」

 日本時間5月13日未明(北米時間12日午後)にワシントン・ミスティクスが練習後の会見を行い、町田瑠唯が記者との質疑に応じた。

 


開幕デビューから3試合連続出場を果たし、一歩一歩プレーの幅を広げることができている町田は、ほかのプレーヤーやマイク・ティボーGM兼HCが会見中に名前を挙げたり、あるいは現地の記者から町田関連の質問を受けることも多く、チームへの溶け込み具合も順調。その中で、日本とやや感覚的に異なるのではないかと思われるアメリカのプレーヤーたちの表現力も刺激となっているようだ。


豊かな言葉やボディランゲージで気持ちを伝えるナターシャ・クラウドのような存在から、何を得られているかを聞いてみたところ、「本当に何をやるにも全力。すごくバスケに対してアツい選手が多く、だからこそ感情がすごく出たりすることがあるんだろうなというのを感じています」と答えてくれた。「バスケット自体を楽しんでいるのを感じます。試合中にも躍り出したりもしますし、チームで楽しくやっている感じや雰囲気を感じることができます」


チームとしても開幕から3連勝と勢いがあり、昨シーズン欠場続きだったエレーナ・デレ・ダンが順調な復帰経過をたどっていることなど、町田自身のパフォーマンス向上以外にもミスティクスには明るい話題が多い。それだけにいっそう溶け込みやすいおおらかな雰囲気が生まれているのかもしれない。内面を積極的に表現しながらプレーするチームメイトたちに囲まれて、町田もおおらかな気持ちで過ごせているようで、「私はこのチームでルーキーとしてやっているので背負うものがありませんし、もっとバスケットをシンプルに楽しめるように。言葉が通じなかったり、バスケット関連のチームのルールも覚えるのが大変ですが、この場に来た以上はバスケットを楽しめるようにやっていきたいなと思います」と話していた。

 


言葉の壁の克服については「いわゆる勉強みたいなことはできていない」とのことで、バスケットボール優先の多忙な生活の中でやや苦労しているようではあった。WNBAでは遠征を含め毎週2試合程度が平日・週末を問わず展開されている。日本とは日程管理が大きく異なるのは間違いない。また、町田はWリーグのプレーヤーならばルーキー以外はほぼスカウティングの情報を持つことができていたが、今回の渡米に際してWNBAの個々のプレーヤーに関する情報はほぼゼロの状態で向かったそうだ。そのため現時点では、語学習得も大事な要素とはいえそれよりも相手のプレーヤーにアジャストしていくことを最優先にしているという。


ただ、チームメイトたちが盛り上がっているときにやはり「言葉がわかれば全部聞きたいです!」という意欲がある。机に向かったり本を読むタイプの勉強こそできないとしても、私生活や練習の現場では可能な範囲で英語に慣れる努力は惜しんでおらず、「いろんな選手が声をかけてくれるので、それに対して反応できるように、朝『「こういうことをだいたい聞かれると思うよ』というのをミキさん(専属通訳の武井 樹)に聞いて、『こういうふうに答える練習をしよう』というような形でやっています」と話していた。


逆にルーキーのセンター、シャキーラ・オースティンは、ひそかに日本語を勉強していると開幕前に明かしていた。そのうち日本語でピック&ロールの指示を投げかけ合うようなこともあるかもしれないが、そうなれば相手にはまずばれないだろう。

 

 町田とミスティクスの次戦は日本時間5月14日(土=北米時間13日[金])の対ダラス・ウイングス戦。この試合は日本でもRakuten NBAで午前8時からライブ配信される予定になっている。

 


取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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