月刊バスケットボール5月号

MORE

2022.04.25

安間志織が18得点、7リバウンド、5アシスト - アイスフォーゲルはファイナル第2戦勝利

 安間志織所属のアイスフォーゲルUSCフライブルクがラインラント・ライオンズと戦うドイツ女子バスケットボールプロリーグ、ブンデスリーガのファイナルは、4月24日にシリーズ第2戦が行われた。アイスフォーゲルはこの試合に70-66で勝利し、シリーズを1-1のタイに持ち込んだ。安間は18得点、7リバウンド、5アシスト、1スティールを記録して勝利に大きく貢献している。


ライオンズは安間に対して、初戦と同じく183cmの長身ガード、テイラー・ウルツをマッチアップさせてきた。初戦では第1Qを無得点で終えた安間だったが、この日は序盤からアグレッシブにオフェンスを展開。第1Q開始1分過ぎに右ウイングからプルアップ・ジャンパーを決めて初得点を奪うと、続くオフェンスでも速い展開からアンデリーナ・ラディッチの3Pショットをアシスト、さらに次のオフェンスでも、最初の一撃とほぼ同じ位置から再びプルアップでミドルレンジ・ジャンパーを成功させた。この時点でアイスフォーゲルは10-2とリード。安間の良い動きがアイスフォーゲルに良い流れをもたらしていた。


アイスフォーゲルは、安間からのパスでクリスタ・リードが3Pショットを沈めた第1Q残り6分48秒に15-4とリードを2桁に拡大。その後前半最大13点差までリードを広げ主導権を握ると、第3Qにライオンズの反撃で一時同点に追いつかれたものの、最後まで一度もリードを奪われることなく勝利した。レギュラーシーズンで2位だったアイスフォーゲルが、同1位のライオンズを破ったのは、今シーズン4度目の対戦で初めて。今後に向け自信にもなる貴重な白星に違いない。

 


シリーズ初戦では、安間に対するウルツのフェイスガードを含め、ライオンズのペリメーター・ディフェンスが一定以上の効果を挙げていた。しかし、第2戦では安間個人としてもチームとしてもしっかり修正して得点機を生み出し、特にペイントやミドルレンジから高確率でショットを決めることができていた(2Pフィールドゴール成功率61.5%)。また、勝利の大きな要因はディフェンスで、ライオンズに2試合連続で20ターンオーバー以上(初戦が21、第2戦が24)を犯させている。


3戦先勝の5試合シリーズでアイスフォーゲルがさらに成功を収めるには、威力を発揮しているディフェンスの厳しさを継続することが大前提となりそうだ。また、この2試合で確率が上がっていない3Pショット(初戦6/21、7/25、通算13/46の28.2%)を、さらに良い状態で放ち、決めきることができるようなオフェンスが展開できればさらに勝機が訪れやすいだろう。


次のシリーズ第3戦は、日本時間4月28日(木)未明(ドイツ時間27日夜)。再びライオンズの地元に戻って行われる。

 


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



PICK UP