月刊バスケットボール5月号

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2022.04.25

町田瑠唯より一足先にWNBAプレシーズンデビュー、韓国代表カン イスルが8得点

 町田瑠唯を獲得したWNBAのワシントン・ミスティクスが、日本時間4月25日(北米時間24日)にアトランタ・ドリームを相手に2022シーズン開幕を前にした最初のプレシーズンゲームを戦った。ドリームのホームアリーナ、ゲートウェイセンター・アリーナ@カレッジパーク(Gateway Center Arena @ College Park)で行われたアウェイの試合に、ミスティクスは故障明けのベテラン、エレーナ・デレ・ダンとアリシャ・クラーク抜きで臨み69-88で敗れたのだが、この試合で日本のバスケットボールファンにもなじみのある韓国代表のシューティングガード、カン イスル(Lee Seul KANG)が町田より一足先に実戦デビューを果たした。

 


カンは16分プレーし、第4Qに得意とする3Pショット2本とフリースロー2本を成功させ8得点。3P成功率50.0%(フィールドゴール全体では40.0%)と、まずは上々の仕事ぶりだった。マイク・ティボーGM兼HCはカンの出来についての質問に、「彼女は何ができるか見る機会にできたのではないでしょうか。それがこの後どのように生かせるものなのか、この1-2週間でわかってくるでしょう(She’s got some opportunity to see what she can do and you know we’ll see you know how that evaluates itself for the next week or so)」という答えで、深い分析を語ることはなかった。「とりあえず今日、彼女がWNBAで初めてプレーをしました(I mean you know just the first time she’s ever played in the WNBA」


カンは180cmの長身シューターで、昨夏の東京2020オリンピックとFIBA女子アジアカップ2021で韓国代表として活躍したプレーヤーだ。前者ではスペイン代表との試合での26得点を含め3試合でチームトップの平均14.3得点、同2位の5.7リバウンドに1.3アシストを記録している。後者でも平均10.7得点はやはりチームトップ。大激戦となった日本代表との一戦では、3Pショット3本で9得点を記録した(試合は日本代表が67-62で勝利)。

 


東京2020オリンピックの対スペイン代表戦でのカン イスル(写真/FIBA.BASKETBALL)



今回のプレシーズンゲームでは、各プレーヤーの力量のチェックは重要事項の一つだったのは間違いないが、ティボーGM兼HCとしてはそれ以上に、まずは若手が集まったロスターにミスティクスの一員として他チームとプレーする機会を十分用意することに意義を感じていた様子だ。登録された11人全員には最短でも9分以上試運転の時間が与えられていた。


町田は渡米したこと自体は報じられているが、この試合には出場していない。また、前述のベテラン2人とティアナ・ホーキンスは、現在トルコリーグでプレーしているエリカ・マッコールとエリザベス・ウィリアムズそして故障離脱したクリスティン・ウィリアムズを除く11人。スターターはアリエル・アトキンス(PG)、シャトリ・ウォーカー-キンブロー(SG)、ナターシャ・クラウド(SF)、マイシャ・ハインズ-アレン(PF)、そして今年のWNBAドラフト全体3位で獲得したシャキーラ・オースティン(C)という顔ぶれだった。


相手チームも含めこの試合で最長となる23分7秒プレーした身長196cmのオースティンは、得点こそ3にとどまったものの12リバウンドをつかんで大物ぶりを見せた。ミスティクスのトップスコアラーはウォーカー-キンブローで13得点。身長191cmでバックアップ・センターを務めるメーガン・グスタフソンも11得点を挙げた。チームとしては、前半で36-54と大きく先行された要因となったディフェンス面の不出来をティボーGM兼HCは敗因として挙げたものの、逆に後半ドリームの得点を34に抑えられたことを前向きに捉えていた。


ミスティクスはレギュラーシーズン開幕までにあと2試合プレシーズンゲームを残している。そのいずれかで町田が出場するか、あるいは姿を見せるか、現段階では情報はない。次戦は日本時間28日(木=北米時間27日)。ホームのエンタテインメントアンドスポーツ・アリーナにミネソタ・リンクスを迎えて行われる予定だ。



取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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