月刊バスケットボール5月号

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2022.04.23

独ブンデスリーガ女子ファイナル、安間志織のアイスフォーゲル初戦勝利ならず – 安間は13得点

 ドイツの女子プロバスケットボールリーグ、ブンデスリーガは日本時間4月23日未明(現地時間22日夜)に2021-22シーズンのチャンピオンを決めるファイナルが開幕し、安間志織が所属するアイスフォーゲルUSCフライブルクがラインラント・ライオンズとの第1戦に臨んだ。アウェイのアイスフォーゲルは59-69で敗れ、3戦先勝の5試合シリーズはライオンズが1-0と先行している。


安間はこの試合で13得点、5リバウンド、3アシスト、3スティールを記録。フィジカルな相手に果敢に勝負を挑み、特にディフェンスでは数字に反映されない好プレーでチームを救う場面がたびたびあった。

 

 試合は序盤、どちらも得点が伸びない堅い展開から始まった。開始3分30秒過ぎに安間のアシストからルイザ・ヌーファーが3Pショットを決めたところで、スコアボードは5-4のライオンズリードという状況。ところがここからアイスフォーゲルは、ライオンズに7-19のランを許してしまう。この結果第1Q終了時点で11-26と大きく先行されたことが最後まで響いた。


チームとして相手に流れを持っていかれたのはこの時間帯だけで、以降は第2Qが21-19、第3Qも12-9と挽回、最終クォーターも15-15と互角の展開だっただけに、アイスフォーゲルにとっては非常に痛いランだった。追い上げきれなかった要因は、ディフェンスでリバウンドを獲り切れず相手にセカンドチャンスを与えたこと(アイスフォーゲルのディフェンスリバウンド17本に対しライオンズは8本のオフェンスリバウンド)と、50-50ボールに対する出足でやや相手に上回られたことが挙げられる。ライオンズは、アイスフォーゲルに追い上げの兆しが見えるたびに、厳しい場面でビッグショットが決まったことも流れの上では大きな要素だった。


また、安間をはじめペリメーターのプレーヤーに対するライオンズのディフェンスは非常に厳しく、アイスフォーゲルはフィールドゴール成功率(66本中21本成功の31.8%)、3P成功率(21本中6本成功の28.6%)とも低調に終わった。安間はこの試合で3Pショットアテンプトが一度もなかったが、それもライオンズがホームでの初戦にディフェンシブなマインドで臨んできたこと、中でも安間の得点力とプレーメイクを強く警戒していたことをうかがわせるデータだ。


ただ、流れとしてはアイスフォーゲルにとって悪くはない終わり方。チームディフェンスは試合が進むにつれアグレッシブさを増し、ライオンズに21本のターンオーバーを犯させていた。安間個人としても、相手の24秒オーバータイムの呼び水となるパス・ディフレクションや、スティールからの得点など、貢献ぶりは大きかった。チームとしてのスティール本数でも14-6と差をつけて優位。このディフェンスのインテンシティーを継続できれば、日本時間24日夜11時にティップオフを迎えるホームでのシリーズ第2戦で、アイスフォーゲルに勝機が訪れる可能性は十分にありそうだ。



文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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