月刊バスケットボール5月号

NBA

2022.04.21

ラプターズ3連敗で窮地に、渡邊雄太のプレーオフ初勝利ならず

 日本時間4月21日(北米時間20日)にトロントのスコシアバンク・アリーナで行われたNBAプレーオフのイースタンカンファレンス1回戦、トロント・ラプターズ対フィラデルフィア・セブンティシクサーズ第3戦は、シクサーズが104-101で勝利し、シリーズで負けなしの3連勝と優位に立った。渡邊雄太はラプターズの一員としてホームでプレーオフに臨む初めての機会だったが、この試合で出場機会はなく、プレーオフ初勝利もおあずけとなった。


新型コロナウイルスのパンデミックにより、昨シーズンをまるごとタンパ(フロリダ州)で過ごしたラプターズが、ホームタウンのトロントでプレーオフの試合を行ったのは、2019年6月10日のNBAファイナル2019第5戦以来のこと。地元のファンにとっては約3年ぶりとなるビッグゲームで、ラプターズは序盤に最大17点差のリードを築いたが、後半シクサーズが巻き返し95-95で延長になだれ込む大接戦となった。

 


5分間の延長では、第4Qにファウルアウトしたジェームズ・ハーデンが不在の中でもシクサーズはタイリース・マクシー、ジョエル・エンビードがオフェンスをけん引。逆にラプターズもギャリ―・トレントJr.、OGアヌノビらが得点を重ねたが、101-101の同点で迎えた残り2.6秒からのインバウンドプレーでエンビードが決勝3Pショットを成功させた。この一撃はショットクロックも残り0.9秒というクラッチショット。ラプターズはこの試合を通じて、シクサーズに22ターンオーバーを犯させるシリーズ最高のディフェンスを見せていたが、最後の局面で今シーズンのレギュラーシーズン得点王のエンビードにオープンルックを与えてしまった。


エンビードはこの試合で33得点に13リバウンドとMVP候補らしい大活躍。またシクサーズではマクシーとハーデンもともに19得点を記録した。ラプターズではアヌノビが26得点でトップスコアラー。トレントJr.が24得点で続いた。


勝ち星なしの3敗となったラプターズは、日本時間4月24日(日=北米時間23日[土])にこの日と同じスコシアバンク・アリーナで行われるシリーズ第4戦に勝たない限りプレーオフ敗退という窮地。試合後のニック・ナースHCは厳しい表情だったが、この2試合を左足首のネンザで欠場したスコッティ・バーンズが第4戦で復帰する可能性について楽観視するコメントもしており、立て直しへの意欲を見せていた。

 


(月刊バスケットボール)



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