月刊バスケットボール5月号

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2022.04.17

安間志織が18得点、アイスフォーゲルはブンデスリーガのファイナル進出決定

 安間志織が所属するアイスフォーゲルUSCが、日本時間4月17日未明(ドイツ時間同日夜)に行われたルトロニック・スターズ・ケルターンとのプレーオフ2回戦第2戦で93-91の勝利を収め、2戦先勝の3試合シリーズを制した。安間は終盤同点に追いつく貴重なフィールドゴールを含む18得点、1リバウンド、7アシスト、5スティール。アイスフォーゲルがドイツの女子プロバスケットボールリーグ、ブンデスリーガの王座を競うプレーオフ・ファイナル進出を決めた勝利に大きく貢献した。


ホームでの初戦に77-74の僅差で勝利し、シリーズを1勝0敗とリードしたアイスフォーゲルだが、アウェイでの試合だったこの日は前半を終えて51-51の同点、第3Qを終えた時点では64-72と8点を追う苦しい展開だった。第4Q残り5分30秒の時点でもスコアボードは73-79で6点のビハインド。しかし終盤落ち着きのあるプレーでジリジリと点差を詰めていく。その過程で安間は、85-89の残り1分40秒に右ウイングからドライブをしかけ、スピンムーブで2人のディフェンダーの間をすり抜けレイアップで加点。さらに89-91と2点差に迫った残り38秒にもドライブから左手で同点レイアップを成功させた。



その後スターズにも、フリースローで再び先行するチャンスがあったが、フォワードのナジェイ・ポラードが放った1本目はミスに終わり、2本目は入ったがバイオレーションのジャッジ。91-91のまま始まった続くアイスフォーゲルのオフェンスでは、安間のドライブ&キックからフォワードのアンデリーナ・ラディッチが放った3Pショットがゴールに弾かれたが、相手のアウトレットパスがターンオーバーとなり、フォワードのクリスタ・リードの逆転レイアップが生まれた。最後のルトロニック・スターズのオフェンスをしのいだアイスフォーゲルが93-91で勝利を手にした。

 

 この日はアイスフォーゲルの試合に並行して、もう一方のプレーオフ2回戦第2戦も行われ、レギュラーシーズンを21勝3敗の首位で終えたラインラント・ライオンズがジロライブ・パンサーズ・オスナブリュックに62-56で勝利してシリーズを制し、ファイナル進出を決めている。アイスフォーゲルはレギュラーシーズンでライオンズに次ぐ2位(18勝7敗)であり、ファイナルの顔合わせは1位対2位の頂上対決という形になった。レギュラーシーズンの両チームの対戦はライオンズの2勝0敗。ただし安間個人は、89-96で敗れた初戦で17得点、6リバウンド、3アシストに1スティール、55-61で落とした2度目の対戦でも25得点、8リバウンド、3アシスト、6スティールと良い数字を残している。


4月22日(金)に始まるファイナルは3戦先勝の5回戦シリーズで、ホームとアウェイの試合を交互に繰り返していくフォーマット。ホームコートアドバンテージはライオンズにあり、アイスフォーゲルは初戦アウェイで戦う。王座をかけた大舞台でアイスフォーゲルが3勝を挙げることができれば、安間としては日本とドイツで自身としての連覇という快挙達成。プレーオフに入ってからの5試合でも18.0得点、4.4リバウンド、8.0アシスト、2.2スティールというハイレベルなアベレージを残している安間のさらなる活躍に期待がかかる。



文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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