月刊バスケットボール6月号

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2022.04.04

女子NCAAトーナメント、サウスキャロライナ大が2度目の栄冠

 全米の大学女子バスケットボール界最強チームを決するNCAAの決勝戦が日本時間4月4日(北米時間3日)にミネアポリスのターゲット・センターで行われ、サウスキャロライナ大がコネティカット大を64-49で破り、5年ぶり2度目の王座獲得を成し遂げた。

 

NCAAトーナメント決勝戦までの勝ち上がり状況(画像をクリックするとNCAA公式サイトのトーナメント詳細ページにつながります)


ファイナルフォーのMOP(Most Outstaning Player=もっとも突出した活躍をしたプレーヤーに贈られる賞)には今シーズンいくつもの最優秀選手賞を受賞している身長196cmのフォワード、アリーヤ・ボストン(Aliyah Boston)が選出された。ボストンは決勝戦で11得点、16リバウンド3アシスト、2ブロックを記録して勝利に大きく貢献。また、ルイビル大を72-59で破った準決勝では23得点、18リバウンド、4アシスト、1ブロックとモンスターゲームを披露し、ファイナルフォーの2試合で支配的な存在感を示した。


決勝戦でのサウスキャロライナ大はそのボストンだけではなく、ゲームハイの26得点を記録したデスティニー・ヘンダーソン(Destanni Henderson)、11得点で続いたザイア・クック(Zia Cooke)のバックコート・コンビの能力の高さも光った。同時にボストンを中心にフロントラインのフィジカルなバトルで優位に立ち、リバウンドで49-24(オフェンスリバウンドは21-6)と圧倒的な強さを発揮してコネティカット大を49得点に封じた。コネティカット大はペイジ・ベッカーズ(Paige Bueckers)が14得点を奪ったが、ほかは全員が一桁得点に終わっている。

 

 

 サウスキャロライナ大のドーン・ステイリーHCは、昨夏の東京2020オリンピックでアメリカ代表を金メダルに導いた人物。今シーズン開幕前に、女子バスケットボールの世界では異例の7年間、2,240万ドル(発表当時のレートで約25.5億円)の巨額契約更改をしたことでも話題となった。ファイナルフォーに臨む直前には、並外れた成果を残したコーチに送られるネイスミス最優秀カレッジコーチ賞(Naismith College Coach of the Year)と全米女子バスケットボールコーチ協会の年間最優秀コーチ賞(WBCA National Coach of the Year)をダブル受賞していたが、大学や周囲の大きな期待に応え、自身としても2度目の全米制覇でその手腕を再び証明した形だ。

 

 敗れたコネティカット大は、NCAAトーナメントの決勝戦に進出したのが今回で12回目で、この舞台で敗れたのは初めて。同大の全米制覇11回は歴代最多記録だが、今年はその記録更新はならなかった。

 

決勝戦 サウスキャロライナ大vs.コネティカット大ハイライト

ファイナルフォーMOP、アリーヤ・ボストン準決勝ハイライト

 


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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