月刊バスケットボール5月号

NBA

2022.03.20

八村 塁(ウィザーズ)が今シーズン初のスターター起用、10得点で勝利に貢献

 日本時間3月20日(北米時間19日)にワシントンD.C.のキャピタルワン・アリーナで行われたワシントン・ウィザーズ対ロサンゼルス・レイカーズの一戦で、八村 塁が今シーズン初めてスターターとして登場。10得点にリバウンドとアシスト1本ずつを記録して、ウィザーズの127-119の勝利に貢献した。

 

 


八村は試合開始早々に、右ウイングでハウル・ネトとのハンドオフプレーからレブロン・ジェームズの頭越しにミドル・ジャンパーを沈め、ウィザーズのこの試合における最初の得点を奪った。その後もミドルレンジとペイントアタックで9本中5本のフィールドゴールを成功させ、第3Q半ばまでに10得点に到達した。

 

 試合は序盤にリードを奪ったレイカーズが優位に展開し、一時は16点差でリードしていた。しかしウィザーズは、八村のほかコーリー・キスパートやデニ・アブディヤらの得点で粘り強く射程距離にとどまり、第3Q終了間際にトマシュ・サトランスキーがブザービーターとなるミドルショットを成功させた時点で93-99と6点差まで追い上げた。


第4Qに入ると、ウィザーズは身長221cmのクリスタップ・ポルジンギスがクォーターだけで16得点(試合を通じては27得点)を挙げ、206cmのダニエル・ギャフォードもイシュ・スミスからのパスを受けての豪快なダブルパンプ・ダンクを決めるなど、サイズのアドバンテージを生かした攻勢で逆転。レイカーズはジェームズが第3Qまでに33得点を稼いだが、終盤に勢いを保つことができなかった。


八村は今シーズン30試合目で初のスターターだったが、この決断はカイル・クーズマが試合直前になってヒザの違和感を訴えたことによる緊急の対応だった。この決断を八村が知ったのも、会場に入ってから。そのあわただしい状況から始まった試合で10得点を挙げ、システム的にもなんら悪影響を感じ褪せなかった八村の貢献ぶりを、ウェス・アンセルドJr.HCは「terrific(すごい、素晴らしいという意味)」という表現で称えていた。


連敗が6まで伸びていたウィザーズは、前日のニューヨーク・ニックスに対する黒星でイースタンカンファレンスの12位に沈んでいたが、この勝利で通算成績30勝40敗(勝率.429)とし、そのニックスとの位置を逆転させ11位に浮上した。ただし、プレーイン・トーナメント進出圏内の10位に位置するアトランタ・ホークス(35勝35敗)とは5ゲーム差をつけられており、厳しい状況が続く。


八村の平均得点は前日のニックス戦終了時点で10.0得点と2ケタに乗っており、この試合を終えた時点でもその数字を維持している。


今後のスターター起用については何とも言えない。クーズマのコンディションは重い症状ではない様子で、アンセルドJr.HCによれば、日本時間3月22日(北米時間21日)のヒューストン・ロケッツとのアウェイゲームにも同行するとのこと。この試合でクーズマが出場できるようならば、八村が再びベンチからの起用となることもあるだろう。ただ、いずれにしても好調を維持しており、レギュラーシーズンの残り12試合でもさらに数字を伸ばしていくことを期待できそうだ。

 


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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