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2022/03/10

女子アメリカ代表ブリトニー・グライナー、ロシアで拘留後の現状いまだ不明

 昨夏の東京2020オリンピックで金メダルを獲得したアメリカ代表女子バスケットボールチームの一員、ブリトニー・グライナーがロシアへの入国手続き中に違法薬物所持を指摘され、税関当局に拘留されたことが明らかとなってから4日が過ぎた。しかしここまで、グライナーの心身の状況を伝えるあらたな情報はほとんど伝えられていない。

 


 唯一といえるあらたな手掛かりは、ロシアの国営放送チャンネル24が現地時間の3月5日に放送で公開したというグライナーの写真で、グライナーは自身の名前が記された紙を胸の前に保持しながら、カメラに正対した状態で撮影されている。CNNによればその写真は警察署で撮影されたものだという。

 

 グライナーの身柄が拘留されたのはモスクワ近郊のシェレメーチエヴォ国際空港税関で、所持品の中に違法薬物が発見されたことが理由とされている。CNNが上記の報道で伝える内容は、警察署でのグライナーの写真以外は最初にこの件を報じたニューヨーク・タイムズとほとんど同じ。ロシア税関当局が今回の一件を大規模な禁止薬物流通事案の一部と見ており、グライナーがロシアで最長10年間投獄される可能性があることなど既報の情報だ。

 

 グライナーの拘留については不明点が多く、まずもってそれが実際にいつ発覚したかが、2月であったこと以外明確になっていない。すでに拘留期間が数週間にわたっているとの見方もある。しかし、拘留されてから発表までに少なくとも数日以上の時間がかかったのはなぜなのか、現在グライナーがロシアのどこにいるのか、心身の状況がどんなものか、どんな環境下で拘留されているのか、嫌疑の認否や取り調べ経過などの情報は皆無だ。

 


 アメリカでは、USAバスケットボール、WNBA、フェニックス・マーキュリー、WNBA選手会などが、グライナーの身を案じ状況を注視している旨の声明を相次いで発表し、個々のバスケットボール関係者やファンの間でもグライナーの無事を祈る声や支援を求める声が広がっている。グライナーの罪状認否も不明な現状で、ファンの間ではグライナーが本当に違法薬物を持って入国しようとしたのかどうかを疑う声もある。

 

 しかしいずれにしても、ロシアのウクライナ侵攻とその激化・長期化を受け、米ロ関係が第二次世界大戦後最悪とも言えそうなレベルに冷え込んでいる中、グライナーをロシア国外に開放するためにアメリカが何らかの交渉をロシアに持ちかける、あるいは別の形で具体的な支援の手を差し伸べる行動は今のところ見られず、また困難とする見方が強い。アントニー・ブリンケン米国務長官は、日本時間3月9日(北米時間8日)の会見でグライナーの現状に対する考えを尋ねられた際、個別の案件としてのコメントを差し控えた。その上であくまで一般論として、「アメリカ国民が世界のどこかで拘留されれば、それがいつであれ私たちはもちろん可能な限りあらゆる手助けを用意しますし、それはロシアであっても同じです(Whenever an American is detained anywhere in the world, we of course stand ready to provide every possible assistance, and that includes in Russia)」と話している。

 

 ブリンケン国務長官は「私たちは大使館でチームを組み、ロシアで拘留されたほかのアメリカ国民の案件に対処しています。彼らの人権が守られ、尊重されるように、状況把握に必要なすべてを可能な限り行っています(We have an embassy team that's working on the cases of other Americans who are detained in Russia. We're doing everything we can to see to it that their rights are upheld and respected)」とも述べている。しかしここまでのコメントは、世界情勢の大混乱の中でアメリカ政府としてロシアを必要以上に刺激することを避けるため、状況の注視以上の動きが取れずにいることの裏返しだ。WNBAが開幕する5月まであと約2か月。グライナーの今後、またWNBAシーズンにどのような影響が及ぶか、まったく予断を許さない状況だ。

 


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

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