月刊バスケットボール6月号

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2022.03.04

渡嘉敷来夢が加わる日本代表を警戒するオーストラリア代表レジェンドたち - FIBAが女子ワールドカップ日程が明らかに

 オーストラリアのシドニーで3月3日に行われたFIBA女子ワールドカップ2022組み合わせ抽選会の結果を受け、同大会の試合日程が明らかになった。グループBに振り分けられた日本代表の5試合と、それに続く決勝トーナメントの予定は以下のとおりだ。


9月22日(木) 対ナイジェリア代表戦
9月23日(金) 対セルビア代表戦
9月24日(土) レストデー
9月25日(日) 対カナダ代表戦
9月26日(月) 対フランス代表戦
9月27日(火) 対オーストラリア代表戦
9月28日(水) レストデー
9月29日(木) 準々決勝
9月30日(金) 準決勝
10月1日(土) 決勝

 


組み合わせが決まったことを受け、開催国オーストラリアの代表チーム関係者がメディア対応を行い、今大会への抱負や見どころを語っている。会見に応じたのは、現役のオーストラリア代表プレーヤーで、元NBAプレーヤーのシェーン・ヒールを父に持つシャイラ・ヒール、2006年のFIBA女子ワールドカップでオーストラリア代表を金メダルに導く活躍を見せたローレン・ジャクソン、そして1990年代のオーストラリア代表を支えたミシェル・ティムズの3人だ。

 

左からローレン・ジャクソン、シャイラ・ヒール、ミシェル・ティムズ(写真/©FIBA.WWC2022)


おもしろいのは、年齢が最も上のティムズが注目プレーヤーの一人に渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)の名前を挙げ、ジャクソンも日本代表との試合を「ものすごく楽しみな対戦(It’s gonna be a great match up)」と話し、そろってある意味での警戒感を見せたのに対し、現役のヒールが日本代表よりもセルビア代表に対する闘志を見せていたことだ。ヒールはセルビア代表に敗れた2月のベオグラードでの予選に出場しており、悔しさがまだ鮮明に残っているのだろう。それに対しレジェンドの2人は、オリンピック銀メダリストの日本代表に渡嘉敷が加わることへの脅威を感じているだろうことが伝わってくる。

 

 ティムズは「渡嘉敷が日本代表にどんな姿で戻ってくるのか、見るのがとても楽しみです(I’m really looking forward to seeing how Tokashiki comes back for Japan)」と話した。「彼女はオリンピックにはいませんでしたが、もう復帰してきていてチームの中でもいい感じになってきているみたいですよね。日本代表のプレーはおもしろいと思いますよ(You know she wasn’t at the Olympic. She’s come back onto the scene and finding a feel a little bit within the team. It’s interesting watching Japan play)」とのことで、2月に大阪で行われた予選での日本代表の様子をすでに把握しているのだろう。恩塚 亨HCの名前は挙げなかったが、新任コーチの下でまとまり始めていることには言及していた。

 

 一方ジャクソンのコメントには、まるで自分が代表の一員としてプレーするかのような闘志も感じられた。「日本代表は周知のとおりオリンピックで素晴らしい結果を残しました。どんな準備をするかが大事になってくるでしょうし、それはオーストラリア代表も同じこと。もちろん、『さあ、行くよ。勝とうね!』ということですが、でもどうなるか…わかりませんね( I think Japan obviously they had a great Olympic campaign. I think the lead up to the World Cup is gonna be really important for them as it is for Australia. That of course I mean you know “Go Australia, we’re gonna win!” How it plays out…, I don’t know)」

 

 今大会は、パンデミックのコントロールが順調に進んだ場合、日本代表は自国開催で国民の熱狂的な声援に後押しされたオーストラリア代表を相手にしなければならない。ホームコート・アドバンテージを跳ね返し、プレッシャーを楽しんでプレーできるかどうかといった点も一つの注目事項だ。ジャクソンは「私たちは力を証明しなければいけません。きっとやってくれるでしょう。オーストラリアの地で彼女たちが頑張ってプレーし、代表に恥じない姿を見せてくれることを楽しみにしています。I think we’ve got something to prove. We’re gonna go out and do it. I’m excited to see them go and just play on Australian soil and represent the way that I know they want to, so...)」と話していた。

 

ジャクソンは闘志満々に日本代表との対戦を語った(写真/FIBA.WWC2022 写真をクリックするとインタビュー映像が見られます)

 

 日本代表がオーストラリア代表と対戦するのはグループラウンドの最終日となる9月27日(火)。両チームともどのようなメンバーになるかはわからないが、FIBA世界ランキング3位とオリンピック銀メダリストの対戦は激戦になりそうだ。

 

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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